人生で2回目の転職を検討しているという方に向け、筆者の転職経験および採用面接官としての経験から、特に2回目で陥りがちな失敗や面接官にとって印象の良い退職理由など解説しています。
2回=3社目ということですから、1回目と2回目の経験の延長線に3社目があることが理想的ですのでその辺をうまく線にする方法も説明していきます。
転職2回目で失敗する3つの理由と解決策
1.文化が合わなかった
転職2回目で失敗するケースで多いのは、企業文化と合わなかった場合です。文化は入って見ないと分からない部分が多い反面、もし合わなかった場合にパフォーマンスが出せない要因にもなり得ます。仕事内容や給与条件などの待遇に注目するばかり、社風とのマッチングについてあまり考えなかったことが失敗の原因となりがちです。
解決策:
文化を知っている転職エージェントや、面接官一人一人にどういった文化かを聞く。②企業についての口コミサイトをリサーチする ③チームのメンバーに会わせてもらう これらすべてを加味して自分のそもそもの価値観と合っているかを考えてみましょう。
2.給与アップだけを目的にしている
給与条件が良いから転職するといった動機も、それが高いモチベーションになるのなら悪くはないのですが、新しい仕事内容や経験を取りに行くといった観点も同時に持つようにしておかないと、転職としては失敗する可能性があります。給与だけを目当てに転職を続けると相応しいスキルがついてこず、よほどの専門家でない限りどこかで転職できなくなります。
「転職を繰り返す人の末路」参照
解決策:
目先に給与よりも、市場価値を上げるスキルを身に付けることを目的にしておく方が重要です。転職市場には相場があるので、最終的に給与は適正化されます。
3.ポジションのミスマッチ
転職したあとに「自分のやりたい仕事じゃなかった」「もっと専門性を身につけたかったが表面的な部分しか関われない」というケースは一定数発生します。
この転職の失敗は自分自身の情報収集不足で陥ることが大半の原因です。
解決策:
転職エージェントや、転職サイト、企業の評判が見れるサイトで企業研究を行っておくことです。また、面接の最中にしっかり自分の疑問をクリアにする質問をするなど入念に準備しておきましょう。
転職2回目に失敗する人の3大特徴
1.キャリアに一貫性がない/志望動機があいまい
1社目、2社目ともに違う業種で、2回目の転職である3社目もそれらの経験とは異なる会社に応募しているようなケースです。
極端な話、バラバラの経験でも良いのですが、3社を線でつなげる決定的な動機が必要です。つながっていないと採用側からは行き当たりばったりに見えてしまいます。
最悪のケースは、飽きてしまって転職をしてしまうのだと誤解されかねません。
2.情報収集を怠っている
2回目の転職にはかぎりませんが、情報収集を怠っているとミスマッチにつながり、転職失敗となる可能性が高くなります。
今の世の中、転職にあたり利用できる情報網がたくさんあります。転職サイト、LinkedinなどのSNS、転職エージェントなど、ほとんどは無料で利用できますので、使わない手はありません。
特に、今の自分が属する業界や職種ではどういった人のニーズがあるのか、キャリアパスとしてはどういった事例があるのか、など事前に転職市場の現況について理解しておくべきです。少々遠回りになったとしても長い目で見て間違った企業に就職してしまうよりよほど近道とも言えます。
また、当然ですが応募する企業を決めてからは企業研究などもインターネットや転職エージェントを利用しできるだけ企業文化についての理解を深めておく必要があります。
3.職務経歴書が煩雑で分かりにくい
2回目の転職では、職務経歴書に2社での経験をすべて書いてあったり、数字ではない定性的な事実のみ羅列してあるようなパターンが多く見受けられます。それでは採用担当者にとって分かりにくく面談する決定的な要因にはなりにくいのです。
私も面接官をしている中で、傾向が分かりましたが、職務経歴書を見て何をやってきた人が分かりにくい人は、実際に自分自身が何の専門家かうまく説明することができません。
詳細に職歴が書き記されていることは悪いわけでありませんが、見せたい経験のみ見せるように整理しましょう。また、多忙な採用担当者の目に留まるには、あなたの経験をまとめたものと志望動機を簡潔に書いたものが表紙ページにあると良いでしょう。
転職2回目の成功事例と成功ポイント
転職2回目に成功する人の特徴としては、主体性持って建設的なキャリアを歩んでいることが挙げられます。事例と成功ポイントについて紹介していきます。
大手メーカー法人営業職と社内IT職の経験を生かしてBtoBのコンサルティング営業に転職したAさん(31歳・男性)
Aさんは新卒一社目で大手IT系機器のメーカーにて法人営業に従事しました、その中で頼りにされることに面白さを感じ、次の企業ではITの知識も生かして社内のIT部門で働きます。3社目ではもっと大きな問題解決ができる法人向けのITシステムコンサルティングという立場に転職します。
Aさんは営業時代~社内IT~ITコンサルタントという3つの異なる職種を経て「誰かの問題解決」に面白みを感じ、さらに大きな問題解決をしていくことにステップアップしていった良い事例です。将来は、国や自治体のIT化推進などで貢献していきたいと考えているそうです。
成功ポイント:
- 自分がモチベーションを感じる「ITでの問題解決」という軸がはっきりし一貫性があった
- 職種は違えどすべてがスケールアップできるような転職になっている
販売の経験とコールセンターの経験を生かしてカスタマーサクセスに転職したBさん (36歳・女性)
小売り業で顧客に寄り添った活動を一貫してやりたいと思ってきたBさんは、販売をして現場を見てきた経験と、コールセンターで顧客の悩みやニーズに寄り添い答えてきた経験を生かし、3社目でカスタマーサクセスのスペシャリストとして就業しました。
お客様の不満に寄り添い、悩みを解決するという業務内容と、クレームをチャンスに生かして更なるセールにも生かすと言う点がBさんにも非常にマッチしていました。2年間の経験を経てカスタマーサクセスマネージャーとなり今でも活躍しています。
成功ポイント:
- 自分の得意分野を理解し、そのうえでキャリア構築を行っている
- 1社目と2社目の経験を3社目でフルに生かせるポジションを選んでいる
大企業での経営企画、マーケティングコンサルタント、を経てベンチャー企業の新規事業企画へ転職したCさん(35歳・男性)
将来、新規事業の立ち上げに関わりたいというCさんは、新卒で入った大手教育系企業で経営企画を行い、2社目ではマーケティングを経験していました。
一通り費用対効果をシビアに見て企画を行うところから実行までを2社で学んだところで、3社目で新規事業に携わる機会をつかみました。
1社目で経営目線での企画方法を学び、2社目では予算の使い方と費用対効果を求める仕事を学んだことは、計画的でキャリアを計画的に歩んできた好事例です。
成功ポイント:
- キャリアのゴールを明確にして逆算するようなキャリアパスを歩んでいる
- 1転職1目的で転職の目的がクリア
転職2回目で使ってはいけない退職理由
1.転職理由を環境や周りのせいにしている
転職理由には「主体性」が欠かせません。それを今の組織のせいで転職したい、という理由にすることは当然面接官にとって印象が悪くなってしまいます。
当然、ブラック企業に属してしまったから家族との時間があるといった必然的な理由であれば問題ありませんが、人間関係がうまくいかない、組織のせいでやりたい仕事ができたい、というのは1社会人である限りただのわがままと見られてしまうこともありますので退職理由として使わないほうがよいでしょう。
2.同じネガティブな退職理由が2回続いている
1社目でできることができなかったから、転職したが、2社目でも組織の問題でやりたいことができないからまた転職したい(実際にこういう人は結構います)こういった人は何か自分ができないことがあるたびに転職してしまう人だと思われてしまいます。
仮にそうだとしても、自分が実現することのために動いたが難しかったことを説明する必要があります。
3.自分がやりたい仕事だけ主張する
意欲的なことは良い事ですが、やりたい仕事を追いかけるだけが目的という人は自己中心的だという印象が勝ってしまいます。あくまで会社や組織に貢献したいということを前提に、自分がやりたいことがある、という文脈で志望動機を作っておきましょう。
雇用関係でWin-winを心掛けることがポイントです。
転職2回目に対しての採用側からの印象
転職2回目は採用側から見てどんな印象なのでしょうか?
パーソルキャリアが採用関連者103人に向けて調査を行った際のデータを参考にてみます。
20代で2回の転職は20%強が気にするという結果が出ていますが、30代、40代では、10.7%、2.9%、となっていますので、そこまで選考に影響はないと考えて問題ないでしょう。
私自身が面接官をする場合もあまり気にしないと思いますし、それよりも「3社目で何を実現したいのか?」「なぜそれが当社でなければいけないのか」などをメインで見ているようにしています。
20代で2回目の転職 失敗しないための注意点
20代では「飽きやすい人」と見られないようにすることが必要です。特に2社目の在籍期間が短い人はしっかりと短くても転職したい理由をポジティブで建設的な理由に転換しましょう。
さらには、転職に失敗したのであればその理由と反省点を述べてしまった方がむしろ好印象となります。
30代で2回目の転職 失敗しないための注意点
30代で2回目の転職をする場合、現職の在籍期間が短くない限り、キャリアアップの理由が1回目と2回目が明確にステップアップとなっていることが重要です。
特に30代では管理職を目指す方も多い年代となってくるのでそういった目的があれば、チャレンジしたいと言うことを前提に転職先を見極める必要があります。
しっかりとキャリアアップの理由は面接官にとっても好印象であるためアピールしていくポイントです。
40代で2回目の転職 失敗しないための注意点
回数的に気にされることはないですが、経験に注目されます。経験については必ず数字で成果をあげたことを記載して、その数字を達成するまでのプロセスを話せるようにしておくと良いでしょう。
40代になると色んな経験をしてきていると思いアレコレ書きたくなる気持ちも分かりますが、できるだけ関連職務の経験のみに絞っておくことが重要です。
また、管理職ポジションでは、チームマネージの経験についても聞かれますので、何に重きをおいてチームビルディングを行ったか。自分がチームマネージをする軸となっていることを話すことが必要とされます。
まとめ
転職2回目でも成功する人は主体性を持って転職に計画性を持っているため、突発的な動機で転職はしません。また、情報収集にも余念がなく転職エージェント、インターネットでの情報収集をフル活用しています。
- 主体性を持っている
- 計画的なキャリア設計
- 情報収集を怠らない
2度目の転職でも中長期目線を持ち、計画したキャリアパスに沿った転職を心掛けていきましょう。
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