40代は、キャリアの折り返し地点とも言える重要な時期。「このまま会社員でいるべきか?」「思い切って独立すべきか?」と思っている方もいるでしょう。
この記事では、40代でフリーランスになるおすすめ職種や案件獲得方法など独立前に押さえておきたいポイントを解説します。
40代でフリーランスを目指す人が増えている理由
近年、副業解禁や働き方の多様化により、40代でフリーランスを目指す人が増えています。特に以下のような背景があります。
- キャリアの棚卸しによる再選択のタイミング
- 企業の早期退職制度の影響
- 専門スキルを活かした独立志向の高まり
- 会社員としての将来への不安
40代は、スキルや人脈も一定以上に成熟しており、「今こそ自由な働き方に挑戦したい」と考える人が多いのです。
40代フリーランスのデメリット
40代でフリーランスを目指す際は、メリットだけでなくデメリットにも目を向けることが重要です。事前にリスクを知っておけば、適切な対策を講じることができます。
❌ 収入が不安定になりやすい
会社員と違い、毎月決まった給与が支払われるわけではありません。案件が途切れたり、相手の都合で打ち切られたりすることもあります。
- 新規案件の獲得には営業力や人脈が必要
- 単価や支払サイト(報酬の支払タイミング)にも注意が必要
- 収入の変動に備えて、生活費6ヶ月分の貯金を用意しておくと安心
❌ 社会的信用が下がるケースも
フリーランスは「安定性がない」と見なされやすく、以下のような場面で会社員より不利になる場合があります。
- 住宅ローンやカーローンなどの審査
- 賃貸住宅の契約
- クレジットカードの発行
そのため、独立前にクレジットカードや住宅ローンの契約を済ませておくという選択肢もあります。
❌ 保険・税金などの手続きが複雑
会社員時代は会社がやってくれていた手続きも、すべて自分で行う必要があります。
- 国民健康保険・国民年金への切り替え
- 確定申告(毎年2〜3月に実施)
- 消費税や所得税の納税準備
フリーランス初年度は分からないことも多いため、「freee」や「マネーフォワード」などの会計ソフトを使ったり、税理士に相談したりするのが現実的です。確定申告や国民健康保険、年金の手続きはすべて自己管理。
フリーランスのメリット【40代の経験を武器にできる働き方】
40代でフリーランスを目指す人にとって、「自分の経験は通用するのか?」という不安はつきものです。しかし、実際には40代だからこそ得られるメリットが数多くあります。
⭕ 自由な働き方ができる(時間・場所・仕事を選べる)
- 通勤不要。地方や海外からリモート勤務も可能
- 自分のペースで働けるため、子育てや介護と両立しやすい
- クライアントや案件も自分で選べる
⭕ 自分の得意分野に集中できる
- 雑務や社内調整などの”余計な仕事”から解放
- 得意なスキル・経験を活かした案件に特化できる
- 成果が報酬に直結するためモチベーションが高まりやすい
⭕ 収入アップの可能性がある
- 高単価案件を複数抱えることで年収アップも実現可能
- 会社員のように昇進を待つ必要がない
⭕ 人間関係のストレスが減る
- クライアントや関係者は基本的に選べる
- 面倒な社内政治や派閥と無縁
⭕ セカンドキャリアとしての広がりがある
- 50代・60代以降も現役で活躍できる
- コンサル、講師、専門家としてのキャリアも視野に入る
40代からフリーランスになった事例5選
事例①:広告代理店から独立したWebマーケター(43歳・男性)
背景: 広告代理店で15年以上マーケティング業務に従事。会社の方針と自身のスキルにギャップを感じ、独立を決意。
現在の活動: フリーランスとしてWeb広告運用・SEO戦略・SNSコンサルを請け負う。
収入: 独立1年目で月収50〜60万円、2年目には月100万円を超える月も。
ポイント: 会社員時代の実績と人脈を最大限活用し、安定的に継続案件を獲得。
事例②:経理職からフリーランスの会計サポートへ(46歳・女性)
背景: 2人の子育てと介護の両立が厳しくなり、在宅ワークを模索。副業で記帳代行を開始し、顧客を獲得。
現在の活動: フリーランスとして小規模事業者向けの会計・税務サポートを提供。
収入: 月収30万円前後だが、柔軟な働き方と安定した案件が継続。
ポイント: 専門スキル(簿記2級+実務経験)と「丁寧な対応」でリピーター多数。
事例③:大手メーカーのSE→フリーランスエンジニアへ(42歳・男性)
背景: 長時間労働と年功序列の昇進体制に疑問を感じ、転職も検討する中で独立を選択。
現在の活動: クラウドインフラ設計や業務システム構築の請負。リモート案件中心。
収入: 会社員時代の年収600万円→現在は800〜1000万円ペースに。
ポイント: 専門スキル(AWS・Python)とフリーランスエージェントの活用で高単価案件を獲得。
事例④:出版社勤務の編集者→ライター兼編集フリーランス(47歳・女性)
背景: 出版社のリストラを機に退職。副業で受けていたWebライティングの需要増から本格独立。
現在の活動: BtoB企業のオウンドメディア運営・記事執筆・編集ディレクションを担当。
収入: 初年度年収300万円→3年目には600万円以上に成長。
ポイント: 「構成力と編集視点」に強みがあり、記事単価が高く安定したリピートに繋がっている。
事例⑤:人材系企業の営業→キャリアコンサルタント(44歳・男性)
背景: 自身の転職経験と相談実績を活かし、キャリア支援の道に。国家資格キャリアコンサルタントを取得後に独立。
現在の活動: 転職支援・履歴書添削・面接対策・セミナー講師など。個人・企業向けに提供。
収入: 月収20〜40万円程度とばらつきがあるが、副業案件を並行し安定収入に。
ポイント: 信頼関係と口コミ・紹介で案件が継続。SNS活用も集客に成功。
40代でフリーランスになるべきか?見極めポイント
40代でフリーランスを目指すことは魅力的な選択肢ですが、誰にでも向いているとは限りません。独立後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、自分の適性や環境を見極めることが重要です。以下に、フリーランスに向いているかを判断するための5つの視点を紹介します。
① 専門性のあるスキル・経験があるか
フリーランスは「自分という商品」を売る働き方です。実績やスキルに明確な強みがないと、案件獲得が難しくなります。
例:Web制作ができる、広告運用が得意、ライティングに精通している、など
② 営業力・人脈・発信力があるか
スキルがあっても、仕事がなければ収入はゼロ。自分から積極的に動いて仕事を取りにいけるかが問われます。
- 過去の人脈を活かせるか?
- SNSやブログなどで自分の強みを発信できるか?
- 提案文や営業メールを出すことに抵抗がないか?
③ 自己管理ができるか
時間・お金・健康を自分で管理する必要があります。サボろうと思えばいくらでもサボれる環境だからこそ、セルフマネジメントが重要です。
- スケジュール管理や納期遵守は得意か?
- 売上と経費を日々把握できるか?
- 健康を維持する意識があるか?
④ 金銭的な備えがあるか
独立初期は収入ゼロの期間が続く可能性も。焦って安請け合いしないためにも、生活費6ヶ月分程度の貯金があると安心です。
- 固定費を把握し、最低限の生活資金を準備できているか?
⑤「なぜ独立したいのか」が明確か
独立に対する目的や覚悟がないと、ちょっとした壁で挫折してしまいます。単に「会社が嫌だから」だけでは乗り越えられません。
- 叶えたい働き方や理想の生活があるか?
- 独立の目的が「逃げ」ではなく「選択」になっているか?
フリーランスとして独立前に準備しておくべきこと
フリーランスとしての成功は、独立前の準備にかかっています。会社員とは異なり、すべてを自分で管理・運営していく必要があるため、計画的な備えが欠かせません。
① スキルの棚卸しとポートフォリオ作成
- 自分の強みや実績を整理し、職務経歴書やポートフォリオとして可視化
- クライアントに提示できる成果物の整備も重要
② 副業などで実績づくりをしておく
- 小さな案件からスタートし、自信と経験を積む
- 副業で得た実績は独立後の営業材料に
③ 人脈の整理と拡張
- 取引先や旧知の仲間に独立を告知
- SNSやビジネスイベントを通じて、新たなつながりを作る
④ 開業手続き・税務知識の習得
- 開業届、青色申告の申請
- 会計ソフト導入や税理士への相談も検討
⑤ 半年間は暮らせる生活資金の確保
- 最低半年分の生活費を準備し、初期の収入不安定期に備える
40代におすすめのフリーランス職種と案件獲得方
フリーランスとして独立する際、どんな職種が自分に合っているのか、どのように案件を獲得するのかは大きな関心事です。
特に40代は「これまでのキャリアをどう活かすか」が重要なカギになります。ここでは、40代におすすめのフリーランス職種と、実際に案件を獲得するための具体的な方法について詳しく解説します。
40代に向いているフリーランス職種
40代は20代・30代と比べて、以下のような強みがあります:
- 実務経験や専門性が高い
- コミュニケーション力や責任感がある
- 自己管理やビジネスマナーに長けている
こうした強みを活かせる職種を選ぶことで、安定したキャリアを築くことができます。
① Webディレクター・Webデザイナー
- 過去の制作ディレクション経験や、広告業界の知識が活かせる
- スケジュール管理やクライアント対応のスキルが重宝される
② ITエンジニア・インフラ系技術者
- SEやPMの経験を活かし、クラウドやシステム構築の案件に対応可能
- リモート案件も多く、フル常駐を避けたい人にもおすすめ
③ マーケター・広告運用者
- 企業のマーケ部門出身者は、SNS運用やWeb広告で即戦力に
- デジタルマーケ戦略やKPI設計の提案力が評価されやすい
④ ライター・編集者
- 出版社・広告代理店出身者は、構成力や取材力が強み
- SEOやBtoB向けコンテンツ制作が安定収入につながる
⑤ 人材・採用系コンサルタント
- 採用支援・人事制度設計・キャリア面談など、40代ならではの人事経験が活きる
- 中小企業向けの顧問契約など、長期契約に結びつきやすい
⑥ キャリアコーチ・研修講師
- 「転職支援」「スキル開発」「面接対策」などに強みを持つ人向け
- 国家資格キャリアコンサルタントの取得で信頼性アップ
案件の獲得方法(営業編)
スキルがあっても、仕事がなければ意味がありません。以下のような方法で案件を獲得することが一般的です。
① クラウドソーシングサービスの活用
- クラウドワークス、ランサーズなどで単発〜継続案件を探す
- 初心者でも始めやすいが、単価はやや低めの傾向
② フリーランス専門エージェントに登録
- レバテックフリーランス、ITプロパートナーズ、Workshipなどを活用
- 高単価案件、週2〜3勤務の柔軟な案件も多い
- 職種マッチングや契約交渉のサポートが受けられる
③ SNS・ブログによる発信と集客
- 自分の知見や実績を発信することで、認知や信頼につながる
- Twitter(現X)やnote、LinkedInが特に有効
- 「この人にお願いしたい」と指名での依頼が発生することも
④ 旧人脈・紹介経由の獲得
- 前職や取引先、知人からの紹介は信頼性が高く、長期化しやすい
- 特に40代は「信頼される人柄」が武器になる
⑤ 副業からのステップアップ
- 会社員時代に副業を通じて関係を築き、そのままフリーランスへ移行
- 実績を積んだ上で独立することで、案件獲得のハードルが下がる
まとめ|40代フリーランスは「準備」と「継続力」がカギ
40代からのフリーランス挑戦は決して遅くありません。ただし、無計画な独立は失敗のもと。リモートワークなどを活用し副業との併用をしながら、段階的に独立への道を模索することも可能です。
自身に最適な方法を探しましょう。
40代フリーランスについてよくある質問(FAQ)
Q1. 40代未経験でもフリーランスになれますか?
回答: 未経験でもフリーランスになることは可能ですが、「未経験×フリーランス」は難易度が高めです。まずは副業や実務経験を積んでから独立するのがおすすめ。実績ゼロの状態で安定収入を得るのは難しいため、段階的な準備が重要です。
Q2. フリーランスになったら年収は下がりますか?
回答: スキルや案件単価によって大きく異なります。スタート直後は収入が下がるケースもありますが、営業力や専門性が高まるほど年収アップも可能です。実力がそのまま報酬に反映されるのがフリーランスの特徴です。
Q3. フリーランスは社会保険に入れますか?
回答: フリーランスは原則として「国民健康保険」と「国民年金」に加入します。ただし、条件を満たせば「小規模企業共済」や「iDeCo(イデコ)」を活用することで将来に備えることも可能です。会社員時代より手続きが複雑になるため、事前に調べておくことが重要です。
Q4. 案件を継続的に受けるにはどうすればいいですか
回答: 継続案件を獲得するためには「信頼」と「クオリティ」が鍵です。納期を守る、丁寧なコミュニケーションをする、相手の期待以上のアウトプットを意識することで、リピートにつながります。また、定期的な情報発信や人脈づくりも有効です。
Q5. フリーランス向けの支援サービスはありますか?
回答: はい。以下のようなサービスが活用できます。
- フリーランス向けエージェント(レバテック、クラウドテックなど)
- フリーランス協会の保険・福利厚生サポート
- 開業届サポートや税務相談(freee、マネーフォワードなど)
これらを活用すれば、会社員と同じようなサポートを受けながら独立生活を送れます。
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