40代でも転職が可能な時代になったと言われているけど実際のところどうなんだろう?実際に転職して成功した例を聞いてみたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、実際に私自身が40代で何度か転職をして成功した方法やポイントについて書きました。35歳が転職限界説だと言われていた時代と今は違い40代でもニーズはありますし、スキルや経歴の見せ方によっては引く手あまたと言っても良い人もいます。その辺は自分自身の売り方にもよるのでその辺を説明していきます。
40代の転職事情について
40代のニーズはじつは昨今では増えています。なぜなら、40代は働き盛り、深い専門分野の経験がある人も多く、また、管理職などリーダーの経験を持つ人が多いからです。そして、日本市場では、少子高齢化などにより労働力不足は深刻です。
年功序列・終身雇用が一般的であった時代には35歳転職限界説などという説が巷に出回っていましたがそんなことは今はありません。
特にジョブ型雇用が推進される今では40代以上の管理職経験のある人のニーズは高まる一方で、ミドルの転職やハイクラス転職という呼び方で様々な転職サイトも存在しています。
40代の平均年収
40代の平均年収は以下の通りとなっています。転職する際の参考にしてください。
(40~44歳) 男性:571万円 女性:317万円
(45~49歳) 男性:621万円 女性:321万円
参照元:厚生労働省R2年雇用動向調査結果
40代転職で成功する4つの要素
1.専門性や特化したスキル
専門的なスキルは必須と言えるでしょう。スキルがないと思っている人はこちらの記事もご覧ください。当然職務経歴書には特化分野の経験や実績をより具体的に数値で表したりすることが重要です。
また、40代では転職回数もそれなりに多い方もいるはずです。そのような場合は、異業界や職種の経験をある程度まとめた経験として見せ方を考える必要があります。
一例として、ホテルと飲食業に従事した経験がある方は「ホスピタリティ業界」経験として一まとめにすると、一貫性が出ますし、見るほうも分かりやすいです。営業でも様々な業界の経験をしている人はBtoBとBtoCなどに分けてまとめることができるかもしれません。このように共通となるグルーピングを考えてみましょう。
2.マネージ能力(管理職経験)
40代で期待されるのは、深い専門スキルに加えピープルマネージメントの経験です。若い層を育てるためのマネージャーは市場に圧倒的に少ないためマネージ経験がある人は重宝されます。経験がある人はマネージ経験を切り出して職務経歴の一部として記載するのも良いでしょう。
また、少人数でもチームを管理していたのにもかかわらず、役職はマネージャーではないという人も一定数います。そのような方は少人数でも経験として記載しておくことが良いです。
3.0→1の構築能力
40代で新たに部署を立ち上げたり、新規事業をスタートさせた経験を持っている人は市場価値が高くニーズがあります。0を1にするために、どのような問題があり、それをどのように乗り越えたか、この辺の経験はアピールするポイントになります。特に、関連分野の新規事業を立ち上げたい、という企業は貴重な経験を持つ人を欲しがっていますので経験がある方はきちんと記載していきましょう。
40代転職での注意点
自分の経歴が強みとして活かせる場所を選ぶ
40代では業界経験、職種経験がそれなりにある人が多い年代です。ゆえに、あなたの経験を買って、きてほしい、という企業や、情報収集や人脈を頼りに活躍できる会社に転職することが基本線だと思います。逆に40代で今までの経歴と親和性のない業種への転職はリスクが高いと言えるでしょう。
異業界に行きたいのであれば給料ダウンは必須
40代は管理職などある程度のポジションの人が多いと思いますが、自分が希望して異業会へ転職する際には1ランクはダウンしての採用となることは覚悟しておきましょう。
そのため、給料に影響してくることは必須です。自分がどうしてもその業界へ行きたいのであればリスクを理解したうえで転職しましょう。
家族の理解を得る
40代では、子供がまだ小さいので子供の環境に応じて 学校や住環境を変えてまで転職をするべきなのか、あるいはするとしても家族の同意を得たうえで進めることが重要です。
極端な例ですが例えば計画していたわけではないのに歩合制の保険の営業職に転職したりといったことは、当然ながら避けるべきでしょう。
40代が転職しやすい方法
大企業→ベンチャー企業への転職
ベンチャー企業としては、同業界や近しい業界の大企業で経験した人の知見が欲しいということは多々あります。あなたが持っている経験・知見を欲しがっている企業の情報は、業界に特化した転職エージェントやスカウトサイトに登録することで情報収集することができます。そして、そういった情報をいち早く集めた人が転職に成功する人です。積極的に情報が集まってくるような場所に登録しましょう。
人脈での転職
40代は人とのつながりも多くなっている年代です。周りの人から声がかかったようなケースでは、その職場でのニーズがあるからでしょうし、紹介ということで重宝される存在にもなります。
スカウトやヘッドハンティング
あなたのキャリア経験は専門性があればあるほど貴重なものです。採用関係者の目に留まれば声がかかることも多いでしょう。そのためにスカウトサイトやLinkedin(リンク)など採用関係者の目に留まる場所に経歴を登録しておき、見てもらうことが必要です。
分かりやすい経歴や、キーワードで登録しておけば採用関係者が検索した際にマッチングし検索結果として表示されます。
参考関連記事:
Linkedin→「Linkedinが転職に欠かせない4つの理由と活用術」
スカウトサイト→「転職で成功するにはスカウトサイトを使い倒す!」
40代で転職した成功事例
Aさん(41歳・女性)
大手人材系企業の経営企画マネージャー→外資系人材業界の経営企画シニアマネージャー もともとは大手人材業界のコンサルタントから経営企画にキャリアチェンジした候補者でしたが、日本のマーケット進出に力を入れたい外資系からオファーがあり転職しました。このように外資系企業は、マーケット攻略のためにこういった知見のある候補者にオファーを出しスカウトするケースは珍しくありません。候補者は、業界内で知見のある人としてエージェントを介してヘッドハントされました。
Sさん(45歳・男性)
ケミカル系(化学薬品)の企業でBtoBの営業ディレクターをやっていました。同業他社でSさんの所属している企業と似たプロダクトの営業体制を強化したい企業があり、スカウトサイト経由で声がかかり、営業部長として転職しました。営業は利益を出す会社のフロントとして重要なポジションですし、化学薬品系の企業という特殊なプロダクトということもあり希少な人材です。このような業界では、業界内で人を探していることも多くあまり人がいないこともあるので、プロフェッショナル人材として常に一定のニーズがありますので転職しやすいポジションと言えます。
Kさん(42歳・男性)
マーケティングで有名な大手消費材メーカーでマーケティングマネージャーとして勤めていました。今回の転職ではベンチャー企業がマーケティング部署を新設する際のCMOに就任してくれないかというオファーがあり、それを受けた形となります。
このように、大企業で経験を積んでベンチャー企業の役員となるケースは少なくありません。IPO準備をしているベンチャー企業などではマーケティング、財務、コンプライアンスなど各分野のプロフェッショナルを上場前の体制準備として整えるようにしますが、大手企業で経験豊富な人材を大手企業から引き抜くケースが増えてきています。
40代でブランクのある女性の場合
モチベーションの高さをアピールする
ブランクがある人がブランクがない人に比較されたときの差別化はモチベーションの高さです。志望動機が強く、やる気がずば抜けている人は、学歴でもなく、キャリアの経験でもなく、あなたに来てほしいと思う可能性は高くなります。逆に、学歴やキャリア経験があってもやる気がない人には企業としても来てほしくありません。また、そのやる気を象徴すべき、ブランクの間にやっていたことや取得した資格などあればさらに良いでしょう。モチベーションと長く働いて貢献したいという熱意をアピールすることは必須となります。
一つの強みに絞ってアピールする
ブランクがある方はあれもできるコレもできるといろんな能力を見せたくなります。その気持ちも分かりますが、できるだけ一つの強みに集中しましょう。
なんでもできるというのは、残念ながらそれぞれが浅い経験で何もできないことと等しく見られてしまう可能性があります。これまでのキャリアの中でも一番専門性の高いスキルに特化した職務経歴書を作ることを意識しましょう。
業界を限定せず幅広く見る
一番強みのあるスキルが、どの業界でニーズがあるか情報収集をしてみましょう。転職エージェントに登録したり、SNSで自分のスキルが求められている意外な業界やニーズがあります。そのような場所ではあなた自身の強みを発揮できます。
40代の転職であれば評価される資格
40代が転職の際に一流のプロフェッショナルと見られるために以下のような資格があるとプラスアルファとして評価される可能性があります。
特にMBAや中小企業診断士は、ビジネスに関して一通りの知識を持っている証明になる、いわば免許のようなものです。保有しているとすでに持っている専門知識にプラスして評価される材料となるでしょう。
- MBA
- 中小企業診断士
- 簿記2級や財務に関連した資格など
まとめ
経験の豊富な40代の市場ニーズは上がり続けています。その波に乗るためには、あなたの経験やスキルが目に留まる場所で分かりやすく説明しておく必要があります。
また、マーケットでどのようなニーズがあるのか、日々転職エージェントと情報交換をしその日が来る時のために備えておくと良いでしょう。
40代になって転職弱者にならないよう日頃からソフトスキルを鍛錬したり、取引先と良好な関係を築いておくなど準備をしておくことがいざ転職となった際に必要です。40代で最高に成功する秘訣は日ごろからの地道な活動によるものだからです。