転職エージェントの中には悪評の上がるような対応をする人も一定数います。
一方で、筆者の転職と採用側の経験両面から転職エージェントを使うことはおすすめします。使い方によっては転職活動において強力なサポートを受けることができるからです。
「避けるべき転職エージェントの特徴」や「あなたが本当に使うべきエージェントの見極め方」について解説していきます。
転職エージェントやめとけ?:避けたほうが良いエージェント5つの特徴
対応が遅かったりレスポンスがない
「履歴書や職務経歴書を送ったけど
何も連絡がこない」「1時面談終わったけどそれ以来音沙汰がない」
このようなエージェントはキャリアコンサルタントが自分の成果を達成することに集中しすぎるがあまり組織として機能していません。仕組化もできていないため転職希望者に対してのフォロー体制が希薄です。
面談以降連絡が途絶えてしまう
面談時の初回限りで連絡が途絶えてしまうコンサルタントがいます。
このようなコンサルタントの特徴としてはすぐに紹介できる案件がないためフォローすることをやめてしまいます。目先の数字を追いかけるあまりにこのような対応になってしまいます。
希望条件に合致しない求人を紹介される
転職エージェントに属するキャリアコンサルタントは担当によって対応が全然違います。とにかく候補者の数を集めて採用希望に応募させようとする人がいれば、誠心誠意本当にマッチした人だけを企業に紹介する人もいます。
前者のような一方的な対応をする人は特に経験が浅い人に多いです。一方で希望条件に合っている求人、マッチした求人を紹介してくれるコンサルタントは真に転職希望者のことを考えてくれる経験豊富な人が多い傾向です。
自分が紹介する案件を強引に進める
転職エージェントのビジネスは、成果報酬型が基本的な報酬体系なので候補者に就業してもらわないことには報酬が発生しません。つまり、それまではただ働きのようなものです。内定をもらった人に対してはあらゆる角度でその企業をお勧めしてなんとか内定を承諾してもらうように働きかける人もいます。
そうなってしまう仕組みやコンサルタントの気持ちも分からないでもないですが、中には強引にクローズしようとするコンサルタントもいて、悪評が広がることにつながっています。
入社後以降フォローがない
転職エージェントは先に述べた通り、候補者に入社してもらって初めて報酬が発生します。そのため、入社してからのフォローはさほど行わない人が多いです。厳密に言うと3カ月や6カ月以内に辞めてしまうと返金になる契約内容などがあるため、それまではフォローする人もいますが経験上真剣に対応しているコンサルタントは少ない印象です。
しかし、優秀なコンサルタントは入社後もフォローし、オンボーディングが問題ないかも気にかけてくれます。
転職エージェントはやめとけ?:使わない方が良い人の3つの特徴
転職エージェントを使わない方が良い人も一定数います。ここでは明確な3つの特徴について解説しました。ぜひご参考ください。
1.薦められたら断れない
内定を断る場合、エージェントとしては当然就業したもらいたいので承諾するように薦めてくるでしょう。
転職は人生の一大イベントですから断る際にはきちんと断らなければいけません。情に流されて断れない人は、転職エージェントを使わない方が無難かもしれません。
2.行きたい会社が明確に決まっている
もし行きたい会社が明確に決まっていて、自分で行けるような紹介ルートや直接応募であれば特にエージェントを利用する必要はありません。直接応募で大丈夫です。
ただし、エージェントによっては有名企業とのパイプがあり候補者を送り込みやすいエージェントもあります。特定企業に多くの候補者を送りこみ表彰されているエージェントは条件も良く契約していたりするので、そういったエージェントが見つかれば利用してみるのも良いでしょう。
3.面談プロセスをすべて自分で調整したい
面談のプロセスを第三者に委ねるのが不安で、全部自分でやりたいという方も中にいると思います。転職エージェントは、基本的に職務経歴書と履歴書を提出すれば、案件紹介があり紹介された企業に応募の意志だけ見せればあとはすべてエージェントが調整してくれます。
転職エージェントを使った方がよい人3つの特徴
1.転職未経験の人や転職活動に慣れていない人
転職エージェントでは、第一関門である書類選考を突破するための職務経歴書の書き方、その後の面接対策やシミュレーションについてアドバイスをもらえます。
加えて面接の調整~条件交渉まで一通り教えてもらえますので、転職活動に慣れていない人は使ってみてその恩恵を実感することでしょう。
2.自己分析や職務経歴書の準備などができていない人
転職活動は、自己分析を改めて行い、転職の目的を明らかにすることからはじまります。そして、その目的に沿った職務経歴書を作ることが必要です。
この応募前のプロセスができていないと書類選考や面接での回答などにも影響が出てくるので、エージェントにそのあたりからサポートしてもらうことは大きなメリットでしょう。
3.仕事が忙しすぎて転職活動に時間を取ることが困難な人
転職したいと思ってはいるものの、日々の仕事が忙しすぎて進まないという人こそ転職エージェントを使うべきです。
履歴書、職務経歴書作りは自分の手で完成させる必要がありますが、応募~内定までのプロセスで自分が面接に参加する時以外は基本的にすべて転職エージェントが対応してくれます。
忙しい人にこそ頼もしいパートナーとなってくれるでしょう。
転職エージェントを使うデメリット
自分のペースで転職活動ができない
マイペースで転職活動をしたいという方には転職エージェントの利用は向いていないかもしれません。
キャリアコンサルタントは転職することを前提に活動をしているので、案件を紹介してきますし、応募意向次第で、すぐに選考にはいってもらいたいと思っています。その代わり面接日時などは設定くれますのでそこはすべて任せることができます。
時にはマッチしない案件も紹介される
時には経験の浅いコンサルタントや自分の都合で条件の合わない案件も紹介されるケースもあります。
しっかりフィードバックを伝え、希望条件を明確にしておけば大丈夫ですが、そういったプロセスが面倒だという方にはデメリットになります。
内定時にクロージングされる
成果報酬型で働いているキャリアコンサルタントにとって、就業してもらうことがゴールです。就業してもらえなければ自分の成果にかかわるので当然内定をもらった人には、なんとか就業してもらうよう働きかけてきます。
はっきりと断れない人にとってはこれはデメリットと言えるでしょう。
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転職エージェントを使うメリット
職務経歴書の添削をしてくれる
初めて転職をする方も、しばらく転職活動をしていない方も職務経歴書の正解不正解が分からない方はキャリアコンサルタントが添削を行ってくれます。
職務経歴書は非常に大事な部分で,書き方ひとつで書類選考の通過率が大きく変わるところです。
アドバイスをもらい採用担当者にとって印象の良いものを心がける必要があります。
キャリアパスについてアドバイスをくれる
たくさんの転職希望者を送り出してきたキャリアコンサルタントが理想的なキャリアパスに基づいて、あなたが取るべきキャリアパスについてアドバイスをくれます。
最終的な目的地に沿って今とるべき転職の選択肢を提示してくれるでしょう。
その選択肢に基づいて求人を紹介してくれます。
あなたの自己分析などの壁打ちをしてくれる
自分一人でキャリアのことは決めたいという人は別ですが、あなたがどのようなキャリアを歩みたいのかを考える際の壁打ち相手にもなってくれます。
「どこを目指しているかわからない。」「そもそも今の選択肢が良いか悪いかさえ分からない。」といった人は一度相談してみることでクリアになる人も多くいます。
コンサルタントはあなたのキャリアの方向性を決めるところからパートナーとなります。
自分の市場価値が分かる
転職の際に自分の価値が客観的に見てどのくらいあるかを知っておくことも非常に重要です。
転職エージェントは様々な調査から業界や職種、職位に応じた平均給与についての情報を持っています。知ることで給与の適正化だったり、どういったポジションを目指すかなど一つの指標になってきます。
面談の事前準備と振り返りをしてくれる
面接に慣れてない方は実際の面接でどんな質問が来るのか不安に思う人もいるでしょう。
転職エージェントではこれまでその企業で出た質問をまとめていますので、それらの質問を事前に教えてくれ、場合によっては面接シミュレーションを行ってくれます。これは準備としてとても有効なもので面接の通過率に大きく影響してきます。
転職エージェントによっては2時間ほどかけて丁寧に模擬面接をしてくれるところもあります。
面接の日程調整をしてくれる
基本的に、応募してから以降、面接の日時などの調整はすべてキャリアコンサルタントが代理で行ってくれますので、あなた自身は希望日時を伝えるだけでOKです。
企業に推薦してくれる
これは私自身が採用側の視点ですごくエージェントを利用するメリットの醍醐味と言えます。キャリコンサルタントがあなたを候補者として紹介する際に、推薦状を添付し、さらに必要に応じて電話などでフォローアップしてくれます。
私自身の採用側の経験で、書類でNGだと思った候補者であっても、キャリアコンサルタントがぜひ一度会ってほしいと言って会ってみたら本当に素晴らしい人材だったことも何度かあります。
キャリアコンサルタントの推薦力は無視できないメリットの一つです。
内定条件の交渉をしてくれる
転職エージェントは給与相場を知っていますから、内定をもらった際に相場よりも低い場合は交渉をしてくれます。
また、複数内定をもらっている場合は、他社からの条件より低い場合に交渉してくれ、同等かより良い条件にしてくれることもあります。
これは自分自身でやることよりも第三者からやってもらうことで心象も悪くないので非常におすすめの部分です。
就業後もフォローしてくれる
キャリコンサルタントは転職後も入社後オンボーディングが問題ないかフォローしてくれます。この背景には、採用企業から支払われる費用が、仮に候補者が3か月以内で辞めてしまった場合に返金の必要が出てくるからです。
(期間は契約によってま6か月や1年の場合もある)
特に入社後すぐは慣れない環境でストレスも多いので何かと話せる人がいるのは大きなメリットと言えます。
転職エージェントはやめとけ?:良いエージェントの特徴
良いエージェントの特徴は、事前にある程度見極めることができます。私の経験上どうやって良い転職エージェントを見極めることができるのか、そのポイントについて説明します。
チームワークを重んじている
良い転職エージェントは、キャリアコンサルタント個人のKPIだけでなくチームとして登録者をサポートしてくれます。
例えば登録者が自分のが持っている案件に興味がなかった場合に、他の担当者を紹介してくれて希望にあった案件を紹介してくれます。
そういったチームワークが成り立つ企業というのは、情報共有がきちんとなされ、適切なポジションを紹介してくれます。
逆に一人のコンサルタントしか出てこず、希望の案件も出てこない場合はチームワークが希薄なエージェントである可能性が高いです。
入社後もフォローをしてくれる
転職エージェントは、どうしても成果報酬型のビジネスなので、入社後はフォローしないというエージェントが多く、それが悪い体験となり口コミサイトが荒れている原因の一つです。
入社後もフォローしてくれるかどうかは、予め担当となるキャリアコンサルタントに聞いておくと良いでしょう。入社後に困ったことがあった際にどういったフォローをしてくれるのか具体的に聞いてみましょう。
非公開求人が多い
非公開求人が多いということは、企業から信頼を得ているということです。企業は信頼できないエージェントに、公開したくないポジションを任せません。
非公開求人は応募者にとっても、あまり出回っていない求人のため、競争も低く一般的に通過率も高くなります。
転職エージェントはやめとけ?:自分に合ったエージェントに出会う方法
業界特化のエージェントを探す
自分の職種や業界に特化した転職エージェントを探してみると良いでしょう。小規模なエージェントでも特化型エージェントは良い案件を紹介してくれる可能性があります。
逆にあなたの領域にあまり注力していないエージェントに登録しても、良い案件の紹介は期待できません。事前にリサーチしたうえで登録しましょう。
より多くのコンサルタントに会う
一人や二人のコンサルタントと面談しただけでは、自分にあったコンサルタントに出会える確率は低いです。より多くのコンサルタントに会い、その中で自分のことをよく理解してくれるコンサルタントに出会れえば、キャリアにおいて良い意味で大きなインパクトをもたらしてくれることもあります。
複数エージェントに登録するとエージェントの強みが違うので選択肢が増えてきます。
関連記事:転職活動で複数の転職エージェントを使う際のメリット・デメリット、注意点など
スカウトサイトに登録する
ビズリーチなどに登録すると、一度の登録で匿名で複数のヘッドハンターやキャリアコンサルタントと会うことができます。
会話をしてみて良さそうであれば情報開示するという選択ができますので、一社一社転職エージェントに自分の職務経歴書や個人情報を登録するよりも、はるかに効率的に転職活動を進めることができます。
キャリアコンサルタントを見極める方法についてはこちらもご参考ください→「優秀な転職アドバイザーやキャリアコンサルタントの力量を見抜く3つのポイント」
転職エージェントはやめとけ?:よくある質問(FAQ)
質問:転職エージェントには悪い噂もあるようですが実際にはどうなのでしょうか?
回答:悪い噂がたつ背景は、一部の転職エージェントでは売り上げ目標が高く成果を上げることにキャリコンサルタントが成果を上げることにだけ注力するあまり、転職希望者の意向に沿ったサービス提供ができていないからです。例えば、希望条件を度外視した案件を送ったり、保有している求人がないときは放置したりといったことです。実際には、このような転職エージェントばかりではなくちゃんと転職希望者をサポートしようと考えている転職エージェントのほうが多いです。
質問:転職エージェントからもともとの希望条件ではない案件に応募するよう勧められていますが気が進みません。どうしたら良いでしょうか?
回答:希望条件ではないのであれば、改めて希望条件をはっきりと伝えてうえで断りましょう。きちんとフィードバックを共有しておかないといつまでもマッチしない案件を送り続けてくるコンサルタントも中にはいます。フィードバックもせず、連絡を無視しているとやがては連絡が途絶えてしまいますのでキャッチボールをするように心がけましょう。
質問:受けてみないかと薦められて内定をもらった企業があるのですが辞退したいと思っています。キャリアコンサルタントからは毎日電話がかかってきて内定承諾するように説得をされています。どう対処したらよいでしょうか。
回答:転職の希望条件や目的と合致しているなら慎重に考えたほうが良いと思いますが、そもそもの目的とかけ離れているなら辞退したほうが良いです。断る際には、絶対に譲れない条件を明確に伝え、そこがその企業で葉達成できないからもう少し活動を続けたいと続ければ問題ありません。キャリアコンサルタントは内定承諾し、入社してもらい始めて報酬が発生しますので内定をもらった企業へ就業を進められるのは一般的な話ですのできちんと断れるようにしましょう。
質問:良い転職エージェントに巡り合うためにはどうすればよいでしょうか。自分に合った求人だけ紹介してくれるところが良いです。
回答:どうしても転職エージェントのサービスの質は属人的になるところが少なからずあるので、複数の転職エージェントに登録することをお勧めします。3社くらいには登録したいところです。それが面倒な場合はスカウトされるようなサイトに登録して、ヘッドハンターからの連絡を待つというやり方があります。この場合だと、あなたの経歴がマッチした場合にのみ連絡が来るので転職効率が格段に違います。
まとめ
転職エージェントは、成果報酬型というビジネスモデルという性質上どうしても一定数強引なエージェントが存在する一方で、良いエージェントやキャリアコンサルタントとの出会いはあなたのキャリアを変えてくれるものです。
まずあなたがそもそも転職エージェントを使うべきかどうかを見極め、使うと決めたら良いエージェントに会う方法を知り、転職活動を効率的に進めましょう。
キャリア初期に良いエージェントに出会っておくことは、あなたの人生における長いキャリアを全体として良いものに変えてくれるでしょう。
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