キャリアデザイン

転職経験なしという人にやってくる6つのリスクとリスク回避の方法(失敗事例あり)

転職しないことにはらむリスク

これまで転職経験なしで順調に来てしまったけど、これからの時代転職経験なしだと何がリスクになることがあるのでしょうか?また、自分の職種や属している業界によっても、転職経験なしがリスクになる人と、リスクにならない人もいます。

転職せずに結果的に後悔している人の事例も載せていますので、ご参考いただければと思います。

転職経験がないことにはらむ6つのリスク

転職経験がないことは、特に中長期的にキャリアを考えたときにリスクになることがあります。転職経験なしでいくリスクの種類には、以下のようなものがあります。

  1. 市場価値が上がらない
  2. 給料が上がらない
  3. 年を取って転職できなくなる
  4. やりたい仕事ができない
  5. 新しい可能性を見つけられない
  6. 今の環境であるストレスをそのまま抱えることになる

次に、それぞれのリスクについて解説していきます。

転職経験なしのリスク1:市場価値が上がらない

特に、日系企業の大企業総合職として新卒入社にありがちなパターンですが、総合職であるため様々な部署を転々とするケースが多く、将来的にも専門性が身に付かないパターンです。

このパターンの最大のリスクは、その会社でしか使えないスキルが身につくため、他の会社に応用できるような専門スキルが身に付かないことにあります。

本来、自分の転職市場で価値を上げるには、他の会社でも応用できるスキルを身に付ける必要があります。転職経験なしで、新卒から同じ会社の中でキャリアを歩んできてしまうと、40代になったときに専門性のない人材として転職できなくなる可能性があるというリスクがあります。

転職経験なしのリスク2:給料が上がらない

給与=自分の市場価値だと考えてください。同じ会社に居続けて専門性を上げて給料が上がり続ける、と言う人はほぼいないでしょう。もちろん、今の会社が好きで給与にも満足しているのに転職する必要はありませんが、転職経験なく専門性も高まらない仕事しかできていない状態で、その会社に居続けることは自分の価値も上がらず、転職することも徐々に難しくなっていいってしまうリスクがあります。

そういった環境においては、毎日が単調で主体性がなくなってしまい、受け身のキャリアになってしまうという負の連鎖に陥ってしまいます。年功序列の日系企業に多いパターンです。

企業に依存せず、自分の価値を建設的に上げていくようなキャリアを築くためには、一定の転職経験が必要となります。

転職経験なしのリスク3:年を取って転職できなくなる

一般的に30代後半~40代に差し掛かってくると、転職しにくくなってくると言われています。これは、特に転職経験なしの人に言えることです。一社経験で勤めあげてきた人も、継続力はあるとみなされますが、限られた分野での職務経験しかないため、その経験がずばり当てはまる会社がそもそも少なくなってくるリスクがあります。

また、大企業一社でジョブローテーションし、様々な職種を社内で経験してきたとしても専門性がないということになり、転職市場では、転職経験がないことであなた自身の強みが分かりにくくニーズがなくなってしまうリスクがあるのです。

転職経験なしのリスク4:やりたい仕事ができない

「今の仕事をもっと突き詰めたい」「今の仕事をもっと可能性のある業界で試してみたい」 「マネージャーになりたい」こういった明確にやりたい仕事がある人は、当然その会社でチャンスが来るとは限りません。

特にやりたい仕事が決まっている人にとって、転職することで自分が望む仕事を実現できるのであれば、転職はさほどリスクではありません。むしろ現職に居続けることで時は経ち、転職しようと思った時期には、転職経験のないまま年を取りすぎていて良い条件で転職できなくなるというリスクもあります。

転職経験なしのリスク5:新しい可能性を見つけることができない

新たな可能性

転職をすることで、違う会社を知ることになります。その会社の組織の作られ方、人材教育、企業の経営戦略、KPIの管理方法など同じ業界であったとしても学ぶことはたくさんあります。

違う企業を見ることで、刺激を受け新たに目標がみつかったり、あるいはメンターとも言えるような人に出会ったりすることもあります。転職なしのリスクとしては、こういった新たな可能性に触れることができなくなります。

転職経験なしのリスク6:今の環境で感じているストレスを払拭できない

これは短期的かつ中長期のリスクとなることですが、今の環境にいる限りそのストレスを取り除くことはできないかもしれません。少なくとも人間関係やその企業文化でストレスを感じているのであれば、転職経験なしでいくことで今の環境で感じているストレスは解消されないリスクがあります。

転職することで、より自分にあった社風の会社や新しいチームで仕事をすることで、ストレスから逃れることは可能になります。

転職経験なしでもリスクにならない人

特殊な職能の人

需要もあり特殊な領域のスキルを持っている人IT系の職種の人や医療領域の人など、需要の方が圧倒的に高い人は転職経験なしでも需要がすぐになくなることはありません。

それによって次の転職などに影響を与えることは比較的少ないといえるでしょう。

自分自身の市場価値を認識しておくとそういったリスクに対しての理解ができます。

その会社が好きでずっと働きたい人

新卒以来働いてきた会社が好きで仕方ないと言う人は、その会社が安泰である限りその会社にいることができると思います。そのようなケースはあまり多くはありませんが、自分の価値観とピッタリの会社に所属できるということは幸せですし、転職する必要もないでしょう。

転職経験なしがリスクになる人

やりたい仕事が明確にある人

特に20代や30代前半に多いケースですが、やりたいことが見つかっていて、かつ今の職場では実現できない人は転職しないことはリスクになってきます。現職で実現できるかもしれないという人も、実現できるまで待つということ自体がリスクになる可能性があるでしょう。

転職経験がない人は慎重になり身構えてしまうこともありますが、少しずつ情報収集や職務経歴書の作成などから初めて準備をはじめ、まずは情報収集をしてみましょう。転職してもしなくても時間は過ぎていきます。

前向きなビジネスパーソン

上の職位を目指したい人

一般職から専門職へ行きたい、あるいは専門職からマネージャー職に行きたいと言う人で現職で実現できない場合は転職しないことがリスクになってきます。

待っていずれそのポジションが空くまで、あるいは、昇格するまで待つことになります。その会社でいずれはなれるかもしれない、というレベルの確証のない実現性であれば転職も並行して進めてみることをお勧めします。

キャリアパスが明確な人

キャリアパスが明確で、最終ゴールから次に身を置くべき企業が明確な人は実現が遅れるという意味で転職経験がないことがリスクになります。

例)最初大企業で組織や仕事の仕方を身に付ける → ベンチャー企業などで0→1で仕事を立ち上げることを覚える→起業や事業部長クラスへ昇格

転職経験なしできて後悔した人の事例

これまで私の周りで転職せずに機会を逃して後悔した人の事例について紹介していきたいと思います。この人たちには共通した特徴がありますので合わせて紹介します。

事例1:一部上場企業メーカー営業46歳男

メーカー自体が苦しくなってきていて、外部環境を見渡してもそのメーカーというより業界自体がニーズが低くなってきました。30代のころには新興メーカーや外資系企業では逆に見ており、そういった会社からのオファーがきていたにも関わらず、環境を変えるのが面倒でいつかは会社が変わると信じていたようですが、結局事業縮小し、外資企業に吸収されてしまいました。

肩身の狭い待遇になってしまった後、転職をしようと一念発起しましたが年齢的に一社経験でかつ専門性が低かったため、転職活動は難航していました。同じような企業からオファーがあり、最終的にはそちらに転職しましたが状況はさほど変わらないと聞いています。

事例2:日系医療機器メーカー経営企画35歳男性

一社経験でステップアップのための転職を考えていた時に、競合の外資系からオファーがありました。そのオファーは仕事の幅も広がる内容でしたし、給与が現職と比べて格段に上がるものでした。

しかし、その給与の高さに逆に驚いて転職をしり込みしてしまい転職は見送ることにしました。

しかし、後で情報収集をして分かったことは、じつはそのオファー内容の給与条件は市場では適正価格だったということです。無茶な仕事を求められていたわけでもなく、純粋にその人の経験を買ってもらったオファーだっただけに悔やまれる内容だったようです。

しかしもうその会社は別の人員を採用したということを転職エージェント経由で聞いたようです。

転職経験なしに後悔する人の特徴

後悔する人

特徴1:情報収集をしない

後悔をする人の特徴として、転職市場ではどういうニーズがあって、今の自分の立ち位置はどういう立ち位置なのかを知ろうとしないケースが多くあります。また自分にはどういった機会があるのか情報収集などもしないわりに、「今の会社では給料が上がらない」「今の仕事にやりがいを感じない」といったことをぼやいているケースが多いです。新しい機会にオープンになり、まずは情報を集めることで自分の可能性が見えてきます。

特徴2:受け身の姿勢

「会社がどうにかしてくれる」「時間が経てばどうにかなる」といった自分主体に動かず、受け身の姿勢で自分自身でキャリアを築こうとしていないことも一つの特徴です。

時間がなんとかしてくれるのではなく、自分が動くことによって時間を有効に使うということが主体性のあるキャリアには必要です。目標が明確な人は時間を軸に中長期キャリア~日々の仕事を組み立てます。

特徴3:環境の変化を嫌う 

今の環境がぬるま湯で心地が良い、という考え方(結構います)いわば「ゆでガエル」状態も挙げられます。転職市場では日に日に需要とされる人材ニーズは変わってきていますのでそういった変化に敏感な人とは大きく差がついていきます。

転職に伴うリスクの種類

もちろん転職をすること自体リスクがあります。問題はそのリスクを取ってでも実現したいキャリアがあるかどうかという目線で真摯に考えることです。また、転職に伴うリスクを事前に知ることで準備をしておくことは可能です。

環境が変わる

新しい環境

環境に新たに適応することは、適応できるかどうかということも含め、大きなストレスにもなるので一番大きなリスクと言っても過言ではありません。

特に適応する中で、新しい人との関係構築、仕事の仕方を覚える、など1から覚えることはスキルアップにもつながりますが同時にリスクをはらんでいます。

給与が落ちる(評価形態が変わる)

その会社の評価形態やベース給与とボーナスの比率によって大きく変わりますが、ボーナス比率の大手日系企業のような会社に転職する場合は、結果的に給与は下がる可能性があります。

現在の会社での給与内訳についても理解しておきましょう。

また、給与が下がるとしてもそれに見合った転職先であるかどうかを中長期視点で考えて妥当だと判断した場合に転職することが必要です。

上司や職場の人を選ぶことはできない

直属の上司とは日々会話をすることになり、その人と合わないことは致命的です。

また、一緒に働くことになるチームメンバーにも同様のことが言えます。どの年代でも退職理由のTOP3は人間関係ですから、転職することによるそのリスクの大きさは言うまでもないでしょう。

リスクを取ってでも転職した方が良い人は?

転職は少なからずリスクをはらんでいますが、それでもキャリアの目標があったり、転職の目的が明確な人は中長期でリターンがあります。

  • やりたいことやキャリアパスが明確な人
  • 転職の目的が明確な人
  • ブラックな労働環境で改善される見込みがない

特に最後の労働環境の悪い中体を酷使して働いているような状況は回避しましょう。

一昔前の会社に忠誠心を遣うといった美徳ではなく、あなた自身の人生でやるべきことに忠実になるべきです。

転職経験なしの人におすすめの転職エージェント

特に転職エージェントの中でも転職経験のない人におすすめのエージェントをご紹介します。特に最初の面談でのヒアリングや、その後の細やかなフォローに定評のあるエージェントを選びましょう。

1.JAC

JACはコンサルティングとそのフォローアップに その背景としては個人のインセンティブに重きを置かず、チームワークを重要視していることがあります。初回面談で細かくヒアリングをしたあと、適切な職種や業界特化のコンサルタントからの求人紹介などがあります。職務経歴書のフォロアップや面接のサポートもあります。

JACリクルートメント】の公式サイトを見る

JACリクルートメント

2.ビズリーチ

個人的に一番よく使っています。ビズリーチは多くのヘッドハンターや単純に転職経験がない人でも多くのエージェントに接することで色んな視点でのアドバイスをもらえます。また、企業の採用担当者が登録しているため、直接採用企業と話をしてみることもできます。一度職務経歴書を登録しておけば匿名でマッチングした企業やヘッドハンターから声がかかる仕組みなので効率も良いです。まずは情報収集のために登録してみることもおすすめです。

転職サイトの【BIZREACH(ビズリーチ)】の公式サイトを見る

ビズリーチ

3.マイケルペイジ(外資系企業向け)

外資系企業に転職したいという人は、外資系企業特化の転職エージェントを使う必要があります。

マイケルペイジはイギリスの転職エージェントですが、日本に来て一番歴史のあるエージェントです。そのため、外資系企業からの信頼が厚く非公開求人含む案件を数多く保有しています。

私がはじめて利用したときはそのサポート力の高さとスピード感、求人の質の高さそれぞれに圧倒されました。外資系企業を受ける人には圧倒的にお勧めできる転職エージェントです。

Michael Page(マイケルペイジ)】の公式サイトを見る

マイケルペイジ

まとめ~転職は必ず中長期的視野で考える~

私個人的には、転職をしてなければ経験することのできなかった仕事もありますし、転職することでスキルの幅が大幅に広がりました。私にとっては、その都度やりたい仕事が出てきて転職するような流れでした。

多くの人にとって転職は緊急性がないことだと思います。しかし、長い目で見たときにその時にしなかったことが後になって致命的だったということにならないよう、リスクを把握して自分が目指すキャリアの中で転職という選択肢をおいておくことは決して損になることではありません。

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