40代で転職を考えたときに「どの程度年収が下がる可能性があるのか?」「どうやったら年収ダウンしないのか?」
じつは事実を見てみると、40代が特別年収が下がるというわけではありません。
私自身40代で転職をしてきた経験と、採用側として40代を採用したこともあるので価値のある40代として市場価値を上げ続ける方法も解説します。
40代の年収はどのくらいの確率で下がるのか?
①年代別データ
こちらのデータでは、40代層の前後となる30代、50代層との比較による転職による賃金変動データとなります。
「1割以上増加」した層は30代が最も多く27.7%次に40代の24%、50代の15.7%と続きます。
「1割未満の増加」に関しては40代が14.4%と最も多い結果です。
「変わらない」で、全年代30%以上を占めました。
「1割以上減少」した層は50代が最も多く、32.5%次に20代が多く20.8%、40代は最も少なく17.9%にとどまりました。
全体としては、年齢が高くなるほど全体的に減少傾向となるものの、40代に関しては増加傾向のほうが多い結果となりました。
②男女別データ
こちらは男女別に見たデータとなります。(年代幅は広くなっています。)
女性
60歳以上で(恐らく定年となり)減少した人が68.9%となりますが、それ以外の年代ではほぼ横這いとなっており、あまり年代によって増減比率は変わらなことが分かります。
男性:
~34歳までは増加した層が約半数で減少が約33%、35~59歳では逆転し、減少した割合が多くなります。
40代で年収が下がる5つのパターン
パターン1:スキルが年齢に伴っていない
40代の転職では当然ですが即戦力を求められます。多くの場合専門性、特化した業界経験、管理職経験など即戦力として経験値が十分かが見られます。
私が面接官の場合は、何か大きなプロジェクトなどを推進した経験があるかを聞くことが多いです。大きなプロジェクトを経験すると必ず何かしらの失敗や成功体験など多くを経験することができるので経験値が上がるからです。
パターン2:マネージ経験がない
40代となると管理職での即戦力採用のポジションが多いため、経験の有無は採用時に見られるでしょう。私も40代を採用する際、当然管理職の募集であれば、マネージ経験が全くない人よりはある人を優先してしまいます。
マネージ相応の経験と言えるような(外部のベンダーマネージメントやプロジェクトマネジメントなど)経験は書いておくことをおすすめします。
パターン3:そもそも職位が高い
職位が高ければ高いほどポジションは減って聞きます。
いま部長クラスの人は、次も同じ部長クラスに横スライドで入ると言うことはなかなか難しい事です。よって、職位が高い人は大抵の場合職位を落として転職をすることが傾向としては多く、結果的に給与も下がってしまうこともあります。
(一般的には、マネージする人数が多いポジションほど給与水準は高い傾向です。)
パターン4:前職業界の給与水準が高い
業界によって給与水準は違います。40代で高い給与水準の会社に属していた人はそうでない会社に。
一度自分の給与水準がどうなのか転職エージェントに相談したり、給与調査を参考にしてみると良いでしょう。それを踏まえて自分が転職する先の給与が妥当かどうか見極めるのも良いでしょう。
パターン5:離職してしまっている
離職してしまっていると採用側としては現職に対して「高いオファーを出さなくてもこの人は採用できる」と言う頭になってしまいます。
できれば離職せず、現職を続けながら転職活動をしましょう。あるいは、複数社からのオファーをもらい競合させるという手段もあります。
40代で年収ダウンするとしても転職した方がよい状況とは?
今の会社では経験できないような仕事のオファーがある
これは40代時点で、将来キャリアゴール達成のために必要な経験値が得られるようなオファーがきたら転職をするタイミングでしょう。私も個人的に40代でもこういった市場価値が上がるような経験は年収を下げてでも転職したことがあります。もちろんチャレンジですし、本当に必要な経験かどうかは慎重に検討する必要がありますがまずはオープンに話を聞いてみましょう。
家族との時間を保ちたい
自分にとって大切な家族との時間が取れないような場合、あるいは、あまりに激務でストレスレベルが高く家族を傷つけてしまう可能性がある場合は転職しましょう。できれば現職でどうにかする方法がないかを検証した後が良いでしょう。緊急性がある場合は自分にとっての価値観を改めて考えそれに従うべきです。
独立へ向け準備をしている
自分にとってのゴールが会社員ではない、40代で独立準備のため会社印との並走を考える40代もいると思います。私も最初は副業をしながら会社員をしていましたが会社員に自分のエネルギー100%を使ってしまうようなポジションであれば職位を落として時間が自由な会社に転職するなど、会社員をしながら独立準備ができる手段もあります。
耐え難いストレスを日々感じている
ストレスほどあなたの健康を害するものはありません。強いストレスを感じながら働いている人には、会社に人生を捧げない生き方を考えてほしいです。
少なくともその一社に依存するようなキャリアではなく、どこにでも行けるキャリアを専門性を高める方法があります。本ブログではジョブ型雇用となった昨今、専門性を高めて転職をして、会社員として比較的自由に生きる方法を解説しています。
年収ダウンを防ぐ方法(短期的)
専門性を尖らせた経験の見せ方をする
これはずばり最初の書類選考の入り口となる職務経歴書で差別化します。そこでは自分が特化してきた領域を一目見て分かるような経験の深さと業界で表現しておきます。
私も採用側として見るのは、まず、「候補者が何の専門性を持ってどの程度経験がある人なのか?」「すぐに活躍してくれそうな人かどうか?」ということです。そして実際の面接で深掘りし、人物としてのマッチングを見ます。
しかしここで強調したいのが、何の専門家なのか分からない人が非常に多いと言うことです。人気企業など多忙な採用担当者はそういった人は書類をきちんと見ないままパスされてしまいます。
きちんと目に留まるよう、最初にあなた自身の専門性と志望動機を分かりやすく表紙に書いておきましょう。
戦略的に業界を変える
今属している業界ではない業界のポジションも積極的にサーチしてみましょう。業界を変える方法としては2パターン考え方があります。
①自分が持っているスキルが重宝される業界に行く
今の業界では一般的でも、他の業界では喉から手が出るほど欲しがられる。そのような業界がありませんでしょうか。そういった需給バランスが崩れている業界では重宝されます。そういった業界がないか転職エージェントに聞いてみると良いでしょう。
②給与水準の高い業界に行く
市場自体が縮小傾向の業界よりIT系などの市場規模も右肩上がりの業界のほうが給与水準も高いです。そのような業界があれば同じポジションあるいは職位を下げても給与は同等かそれ以上が出るようなところもあります。
そもそも給与水準はあなたのスキルというよりも業界や会社によると思っておいた方が良いでしょう。
情報収集をする
40代転職における情報収集はできる限り多くの情報門を使いましょう。ミドル世代向け転職サイトやミドル~ハイクラス、40代に強い転職エージェント、小規模ながら専門性の高い転職エージェントなどです。
中には小さなエージェントにおもいがけない非公開求人が眠っていることもあります。できる限りの情報に触れるようにしましょう。
新しい機会にオープンになる
40代では経験豊富な成熟した候補者のニーズがある一方で、選択肢が限られてくることも事実です。一見自分に合わないようなポジションのオファーがあったとしても一度オープンにその機会を検証してみましょう。
意外とあなたにだけあった求人であったり、応募してみると相手方からぜひ来てほしいと言われることもあるでしょう。
年収ダウンを防ぐ方法(中長期)
専門性を尖らせる
まずあなたの職務の専門性を尖らせることがキャリア第一にやることです。
そこに業界経験、ソフトスキルや管理職経験などをして付加価値を付けていくのが筆者お勧めのキャリア形成の方法です。
40代でも残念ながら何が専門性か分からない人が結構います。レジュメを見ていると「あれもやっている」「これもやっている」でも、「結局この人の強みは何なんだろうか?」面接官側から見るとこうなってしまいます。
特に大手企業で総合職入社して1社経験で来てしまった人が陥りがちなパターンです。そういった人でも意識的に自分が専門性としたい方向性の仕事をして職務経歴書にはその分野での特化経験を中心に記載しておきましょう。
ソフトスキルを磨く
ソフトスキルはどのような職務でも業務推進に必要になってくる一般的なスキルです。一例としてコミュニケーション能力、言語能力、プロジェクト管理能力、タスク管理能力などあります。
特に市場価値に影響してくるのは、コミュニケーション能力や多言語での会話力です。実際にコミュニケーション能力は面接でしか分かりませんが、プレゼン能力などを磨いておくとそういった場面でも好印象を与えることができ、プラス評価されています。
ソフトスキルについてはこちらもご参考ください:
転職できる人とできない人には明確な違いがある!それぞれの特徴を紹介
職種×業界(商品)で尖らせる
職種に専門性が出てきたら、業界や商品領域で尖らせるようにします。
例えば、私の場合はマーケティングという職種ですが、デジタル領域で尖らせていき、かつその後オンラインとオフラインの垣根を超えたOMOというデジタル領域の専門性に特化していきました。
尖らせることで自分にしかできない領域を作りオンリーワン人材としてのポジションを意図的に作り市場価値を上げていきます。
40代が年収アップのために使うべき転職サイト
ビズリーチ
ビズリーチは全国のヘッドハンターや採用関係者が一番多く集まるプラットフォームです。以前は高年収帯の人のみターゲットにしていましたが今は関係ありません。
一度登録するとあなたのスキルにマッチした求人を持った採用関係者が声をかけてきます。このサイトが40代にとって有効なのは、数多くの可能性に触れることができる点です。
複数エージェントを使ったりする人もいますが、ビズリーチであれば一度経歴を登録しておけばそこに登録してある多くのヘッドハンターの目に止まります。効率よく転職活動を進めることができます。
選ばれた人だけの会員制転職サイト BIZREACH 公式サイトを見る
リクルートダイレクトスカウト
リクルートダイレクトスカウトは40代にとって管理職や重職のポジションも多くあるサイトの一つで、最近特にマーケティングに力を入れているため、多くの採用関係者が集まっています。
まだまだ発展途上ですが、その分候補者の登録もビズリーチに比べると少ないため、競合度が低いといえます。よって、採用関係者の目にも止まりやすく通過率も高くなります。
ミドルの転職
40代や管理職、ミッドキャリアの人向けのサイトです。こちらは求人が多く載っていることと、転職エージェント向けのスカウト機能があるサイトです。
特に、求人から選びたい人は求人掲載数が圧倒的に多いためまずは求人を見てどういった案件が自分にあっているのか見てみるのも情報収集の一貫です。
まとめ
40代で給与ダウンする可能性はありますが事実としてじつはダウンしている人よりも増加傾向の人が多くなっていました。また、価値の高い人材となり、中長期で給与ダウンを防ぐこともできます。
一般的に給与ダウンが考えられるケースは以下です
- 職位や業界が変わる
- スキル不足なのに転職する
- 離職している
給与を下げてでも転職した方が良い場合は以下です。
- 自分の目的に沿った経験が得られるオファー
- 家族を優先的に考えたい場合
- ストレス過多
キャリアを建設的に作ることで市場価値は40代からでも上げることはできます。終わりから考えて今とるべき選択肢を確実なものにしていきましょう。
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