転職は新環境下で少なからずストレスを伴います。その際「いつごろピークは訪れるのか」を知り予め対処しておきたい人もいるでしょう。既に転職後の人は「いつまでこのストレスは続くの?」「何が原因なの?」「対処法は?」と思っている方もいるはずです。採用側で新入社員を見てきた経験や自身の転職経験から対処法について解説していきます。
入社後感じるストレスは4段階あり、6か月後にピークを迎える
入社後のストレスは入社直後からのストレスから始まり蓄積されていくことにより6カ月後くらいでピークを迎えます。それぞれ違う種類のストレスが何種類かありそれらの山があります。それぞれ訪れる波を想定しておくことで対処していくことができます。
入社後~1週間:新環境での緊張の壁
主に初日の自己紹介~始まり、ウェルカムランチ、職場のオリエンテーションなど、最初の1週間は目まぐるしく新しい環境での生活がはじまります。多くの人に会い、挨拶をする時期です。
人は本能的に第一印象を良くするために肩ひじ張ってしまい疲れてしまうこともあるでしょう。まず最初の壁と言ってよいでしょう。
入社後1カ月:社風に適応しようとするストレスの壁
職場でのルールを覚えることが次の1カ月の壁と言えます。どの部署に誰がいて、〇〇のケースはこの人に相談する。こういった新しい職場でのルールを学ぶ期間です。
あるいは、場合によっては研修期間でそれらを学ぶでしょう。インプットがピークになり、それによるストレスを感じるのが入社後大体1カ月間くらいです。
入社後3カ月:業務内容インプットによるストレスの壁
入社後1カ月~(早い人はもっと早く)は研修も終わり、OJTが始まることで、自分がやるべきことをインプットを始める時期です。新しい事、チャレンジングなこと、なかなか覚えることができなかったりしてストレスを感じる時期でしょう。
この時期は基本的に多くのインプットがある時期なので消化不良になりがちな時期です。一度に覚えることができないのは当たり前のことなので、それよりもインプットの際のノートの整理や忘れたことを思い出す仕組みを作っておくことに時間を使いましょう。
入社後6カ月:業務アウトプットによるストレスの壁
この時期が転職後特にストレスを感じる時期といっても過言ではありません。なぜなら業務内容を引継ぎ、アウトプットを始める時期ではあるものの、思い通りにアウトプットができなかったり、アウトプットした内容が間違っていて、業務に支障が出たりする時期だからです。
また、一緒に仕事をする人から間違っている指摘が入ったりすることもありストレスを感じることもあるでしょう。
ここは通過点だと割り切ることが必要です。ストレスによる怒りに身を任せて人と争ったりすることは避けるべきです。それよりも、この時点を通過点だと割り切り、間違ったこと指摘を受けたことを繰り返さないような仕組みを作っておくことです。
覚えたての段階で間違ってしまうことは仕方ありません。改善する仕組みを作っておくことです。
また、この時期特に、意識的に息抜きをすることが必要です。体を動かすことを習慣にしたり、自分にとってストレス解消になることを意図的に計画に組み込みましょう。
入社後のストレスに対する対処法
ストレスを成長痛だと捉える
人間関係以外の仕事のルーチンを覚える過程やアウトプットを出す過程での苦しみは誰にでもある成長痛です。ポジティブなものとして捉えましょう。
よく私は次のレベルにレベルアップする過程だと捉えて、経験値を貯めているところだと言い聞かせて成長するイメージをしたりします。
新しい職場でのルーチンを確立する
新しいことも一気に詰め込むというより、毎日インプットすることを習慣化します。それによって積み上げていくことを実感することができます。
その際、コツとしては「小さなことで達成しやすいこと」を最初の仕事をはじめるルーチンに盛り込みことです。
本日インプットするタスクの計画をスケジュール化する、などもありでしょう。簡単なことで小さな達成感を感じることを最初にやり、徐々に難しいことをクリアしていくようにすると良いサイクルが作れるようになります。
私もこの方法は効果的だったので朝一番でスケジューリングしたり、メールの返信など簡単なことから始めることを日常化しています。
キャリアの目標を見据える
中長期の目標を持つことは、目の前のストレスを乗り越える一つの有効な手段です。目標を達成したいという思いがそういった目の前の短期的なストレスや苦しみを乗り越える糧となります。
まず、そもそも転職した理由があるはずです。その目標をクリアするイメージに集中しましょう。私もどこを目指しているか分からない時はよく目の前のストレスに捉われていました。しかし長い目でどこを目指しているかが分かれば、少々のことでは気持ちが折れなくなりました。
自分が納得する目標を持ち、それに向かっている自分をイメージするようにしましょう。
自分のストレス解消方法を理解する
誰にでも自分にあったストレス解消方法があります。一般的なものですが効果が期待できるものを紹介します。
朝は日光を浴びる
規則正しい生活には必要で日光を浴びることで体内時計がリセットされます。また、日光を浴びること自体が幸せフェロモンと呼ばれるセロトニンを生成することで知られるので、日光浴は科学的にストレス解消に良いと証明されています。
体を動かす
体を動かすとリフレッシュし、またしばらくは仕事の集中力が回復したりします。ジョギング、スイミング、散歩など無理しすぎにならない方法を習慣にしてしまいましょう。
ストレスが人間関係の場合
高圧的な上司、嫌がらせをしてくる同僚などによりストレスを感じている場合は、対処法が特有です。以下の事に気を付けましょう。
- 社内で味方を見つける
- 距離感を保つ
- 必要最低限だけ接する
- 人事やコンプライアンス窓口に相談する
- 転職後のストレスが長期間にわたり続く場合
ストレスの原因をつきとめる
何でストレスを感じているか原因を探ってみましょう。毎日日記をつけて言語化してみると、その原因が浮き彫りになってきます。
原因が健全なものかを見極める
人間関係
人間関係の場合は、対処法は「距離を置くこと」「反応しないこと」これが一番の対処法です。
しかし、嫌がらせを受けたりしてどうしても仕事にならないレベルの人がいるのであればそれは「ハラスメント」の対象となる可能性もあります。上司に報告しましょう。
上司にハラスメントを受けた場合は話が別です。人事やコンプライアンスなどその会社の適切な部署に相談しましょう。
価値観や社風の不一致
じつはこの問題が一番根深く、気づきにくい原因だったりします。自分の価値観を言語化してみましょう。
例)人に接して問題を解決してあげるようなことが好きな人が、毎日分析をする仕事をしている。
こういった特技を注視するあまり自分の価値観からかけ離れてしまっていることがあります。強みにフォーカスすることは大事ですがあくまて自分の価値観>強みです。私自身これを間違って転職してしまいストレスが長期化していたことがあります。
一度改めて自分の価値観を再認識するようにしましょう。
仕事内容の不一致
キャリアアップのために転職したのに「以前の職場よりもやりがいのない仕事だな・・・」こうなってしまうこともあります。その場合は、直属の上司や採用時の人事担当者にまずは相談してみましょう。
今の世の中は採用はスキルベースの「ジョブ型雇用」が主流になってきました。つまり、採用前のジョブディスクリプションと呼ばれる職務要件記述書と内容が異なっていることは、採用企業側の責任です。それをもとに上司と相談して、仕事をもう少しチャレンジングなことがしたい旨伝えましょう。
チャレンジする姿勢は決してネガティブなものではないので相談することは悪印象になることはありません。一方的ではなく会社に貢献するという文脈の中で自分が成長したいことを伝えてみましょう。
紹介してくれた転職コンサルタントに相談する
あまりにストレスが長期化する場合は第三者に相談してみることも手段の一つです。時として、他人に話すことで軽減することもあります。
転職した際、転職エージェントを利用したのであれば、その時の担当コンサルタントに相談してみるのも良いでしょう。その担当者が企業の人事と良い関係性を構築しているなら問題解決に動いてくれることもあります。
まずは状況を相談してみましょう。
転職のストレスに耐えれず退職や転職がしたい場合
転職エージェントに登録する
ストレスに耐えれず転職を前提とする場合は、新たに転職エージェントに登録しましょう。現職を紹介してくれた転職コンサルんタントに相談すると今の会社で頑張るように働きかけてきます。なぜなら就業後6カ月以内など、短期で退職すると転職エージェントの報酬は返金となってしまうからです。
転職を決意している場合は、新規の転職エージェントに登録しましょう。
転職エージェントについては別記事もご参考ください→
転職活動で複数の転職エージェントを使う際のメリット・デメリット、注意点など
転職エージェントの裏事情を知りコンサルタントとうまく付き合う方法~企業との契約内容を公開~
退職代行を使う
既に転職後のストレスに耐えれなくなっている場合、退職代行を使うという選択肢もあります。
退職代行は、退職したい旨連絡したその翌日から、あなたの代理人となって現職の人事部と退職の手続きを進めてくれます。そして退職までの間、あなたが会社とやり取りをする必要は一切ありません。退職日の交渉や、PCや保険証の返却などすべて代理で行ってくれます。
これ以上ストレスを被りたくない人にはお勧めのサービスです。
いまや退職代行サービスは多数存在します。弁護士法人や労働組合が運営している安心できるサービスもあり無料相談もあるので、自分に合ったサービスを選びましょう。
◆退職代行CLEAR(クリア)
費用:18,000円
労働組合運営、メール・LINEでの24時間無料相談、退職成功率100%の実績
◆東京都労働委員会認証の法適合組合【退職代行ガーディアン】
費用:一律29,800円
東京労働経済組合運営、LINEでの24時間無料相談、退職成功率100%
◆退職110番|弁護士法人が運営する退職代行サービス
費用:一律43,800円
弁護士法人運営、秘密厳守、未払い金請求や慰謝料請求など各種請求・交渉に完全対応
◆弁護士法人みやびの退職代行サービス
費用:55,000円+金銭請求交渉をした場合の回収額の20%
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まとめ~転職後のストレスとうまく付き合う~
転職後ストレスを感じることは誰もが通る道で健全なことです。
自分が成長している証だからです。目の前のストレスに捉われすぎるときは自分が向かっている方向があいまい、自身が納得していない、などの原因も考えられます。自問自答してみましょう。
以下は入社後ストレスについてのまとめです。
- ストレスは約半年後に様々なストレスの集積でピークを迎える
- ストレスの原因を知る
- 自分のストレス対処の方法を知る
- 原因が人間関係や職務ミスマッチの場合は第三者に相談する
入社後、新環境下でのストレスは誰もが感じることです。時系列で理解しておき事前対処しておきましょう。長期化する場合は注意が必要なので、その際はもう少し大きな視点で(転職や退職など)ストレス対処法を考えてみましょう。
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