会社員として勤める多くの人は給与が上がらないと嘆いています。あなたもそう感じている一人ではないでしょうか。
この記事を読むことで、転職することで自分の市場価値が上がる仕組みを理解することができ、自信をもって転職に臨むことができます。また、転職により給与アップに成功する具体的方法が分かり効率よく転職することができます。
具体的には自分自身の強み(専門領域)を言語化し、それらがどの業界や市場でニーズがあるのかを探します。そして、希望する求人に合わせてあなたの価値がわかりやすい職務経歴書を作りあげ、業界や専門性を分かりやすくアピールして年収を上げ転職を成功させます。
専門性をもって転職することにより市場価値を上げ、専門家に見合った給与を取ることができます。また給与交渉などもエージェントなどのプロに任せることにより最大給与を引き出すことが可能になります。
あなたの市場価値が低い理由
1.基本給が安い仕組み
一般的に年収の内訳は、「基本給+ボーナス」となりますが、日本企業はボーナスの割合が高くその分基本給が低い企業も多いです。グローバル企業を見渡してみると一般的には、基本給が高くボーナスは基本給に対して1〜2割程度です。ここで問題なのは転職市場ではあなたの価値とみなされるのは「基本給」部分だということです。ボーナスの額はあなたの価値とはみなされません。
2. 専門性を高めるのが難しい日本企業
日本の企業では古くから大企業にある「総合職」というポジションに代表されるように、専門性が低いポジションが多くあります。
総合職で採用されている人は営業から事務まで幅広くこなし、時にジョブローテーションという理由で部署を転々とさせられたり、専門性のないキャリアを歩むことになります。これがそもそも転職市場において価値が上がらない最大の原因となります。
良く言うと色々な仕事ができる人になるのですが、専門性が大切な転職市場では色々なことを広く浅くできるジェネラリストの評価は決して高くはありません。そして「専門性がない=価値が低い」とみなされ転職ができないという悪循環に陥ってしまうのです。
3. キャリアアップの定石がある海外
これとは反対に欧米などの企業や外資系企業を見てみると、専門性の高いスペシャリスト文化が当たり前のキャリアとなります。(昨今の”ジョブ型雇用”)まずキャリア初期に専門性を高め、それからマネージャーやエキスパートへの道を歩むといったいわばキャリアパスの定石といったものが存在します。そのキャリアパスのどの段階にいるか、で給与はある程度決まります。(基本的には役職×職能で給与レンジである程度市場の給与水準があります。)
欧米のキャリアの歩み方のように、「分かりやすい専門性」を持っていれば、武器となり即戦力として採用の機会が広がります。まずはどんな武器を装備するのか(専門性をどの分野に絞るのか)を自身の経歴から精査していく必要があります。
転職が年収を上げるのに有効な理由
転職が年収を上げるのになぜ有効かと言うと、大きく分けて3つの理由があります。
- 「キャリアアップのチャンスがある」
- 「複数社からオファーをもらうことがある」
- 「業界水準がある」
一つ一つ詳細を見ていきましょう。
1. 「キャリアアップのチャンスがある」
転職のタイミングで自分自身の専門性に加え、マネージャーや、エキスパートへ職位を上げての転職ができる可能性があります。グローバルで見ると、本当に欲しい人材に対してはそれなりのポジションで迎え入れキャリアアップのチャンスを与えることは珍しくありません。競合からスペシャリストを引き抜きマネージャーにする、といったことはよく行われています。基本的に転職市場での給与水準は「職能×職位」がベースになるので、キャリアアップで職位が上がることにより当然年収も上がります。
2. 「複数社からオファーをもらうことがある」
転職エージェントを利用すると複数社の案件紹介があります。最終的に何社かからオファーをもらった場合、転職エージェントが企業に対してさらに年収を上げてくれるように交渉してくれます。このケースでは、特にあなたを欲しがっている企業がいれば惜しまず年収を上げてくれることもあるのでできるだけ複数の企業に応募はして、結果的に最高条件で転職することをおすすめします。
3. 「業界給与水準がある」
転職市場には給与水準があります。これらのデータは人材関連の会社がデータとして公表しています。転職エージェントはこれらのデータを元に企業側と年収交渉をしてくれるケースも少なくありません。
また、採用企業は市場の給与水準を元に採用予算を決めている企業も多いです。そもそも年収が低い人が転職すれば、最低でもその業界水準に見合った給与は受け取れる可能性が高くなります。
特に1社に長く勤めている人は、自分の給与水準が他の会社に比べて高いのか低いのか分からない状態の人もいると思います。そのような方も転職活動を進めるうちに自分の給与が業界水準なのかどうかはわかるようになります。この辺は自分のポジションに近い他企業の応募案件に記載されている給与額を見るとわかりますが、転職エージェントに聞いてみるとより正確にわかるかと思います。
転職で年収アップに成功する3つの方法
実際に転職で年収を上げるために実施する効率的な方法と順番は以下なります。
- 目指すキャリアゴールを明確にする
- 専門家としてのレジュメを作りこむ
- 応募する(3-1 転職エージェントを使う 3-2 直接応募)
1. 目指すキャリアゴールを明確にする
ここが一番重要な核の部分となります。
今までのキャリアの棚卸しをし、自分は何の専門家になりたいのか、そしてその専門家として目指すところはどこなのか?最終的になりたい姿を可能な限り明確にしましょう。
最終的なゴールができれば、次の転職はどう言った企業でどのような経験をすれば良いかが見えてくるはずです。場合によっては、一人で考えるのではなく転職エージェントに登録してコンサルタントに相談してみるのも良いでしょう。自分が目指すキャリアにはどのようなキャリアパスの選択肢があり、その中のこのキャリアパスで行くと明確にイメージできるようなロールモデルが見つかるかもしれません。たくさん情報収集をして選択肢を知りましょう。
2. 専門家としてのレジュメを作りこむ
レジュメは、採用担当者が最初に見るあなたに関しての情報です。ひと目見て何の専門家でどのような実績があるかを、わかりやすく魅力的なものに作り込んでおく必要があります。これこそが次の面談に進めるかどうかを左右します。忙しい採用担当者がひと目見て何の強みを持った人でどんな実績を持った人なのかがわかるようなものを作っておきましょう。
3. 応募する
目指す目的地が明確になり、それに沿って専門家としてのレジュメが作り込めたら企業を選別して応募していきます。応募する際には募集ポジションを探す必要がありますが、ここでは2つの方法を紹介します。
3-1 転職エージェントを使う
特に転職が初めてだと言う方は、転職エージェントに登録しておくことをお勧めします。理由は採用企業の情報を持っていることとあなたの職種のキャリアについて多くの転職に携わっていることから選択肢を知っているからです。特に業界や職種に特化したエージェントもいて、大手エージェントよりも圧倒的な情報量を持っているエージェントもいますので、複数社登録して見ることをお勧めします。
3-2 直接応募
直接応募とは、企業の問合せフォームや求人サイトなどに出ている案件から応募する方法です。具体的にこの企業に応募したい、と言う人は直接応募してみることも一つの手段でしょう。
予め企業についての情報が知りたいと言う場合は、企業について知りたいのでカジュアル面談を設定してもらいたいと伝えることもできます。企業の中にはエージェントを利用せず直接採用をメインに行っている企業もありますので、エージェント経由とどちらかに絞らず、両方のやり方で応募するのも手だと思います。
どちらの手段で応募するとしても、応募する際のコツとして、レジュメの表紙となるカバーレターを作成しておくことが理想的です。カバーレターには、応募企業ごとに最適化された志望動機を書いておきます。そのカバーレターこそが忙しい採用担当者が一番に見る部分なので、あなたの分かりやすい専門性と実績、その企業への志望動機を個別に書いておくと面談に進む確率がアップします。ぜひ試してみてください。
また、スカウトサイトに登録すると、1度の登録で企業も転職エージェントも両方と繋がることができます。①、②をそれぞれ登録するには時間もそれなりにかかるので、効率化という観点からも一度ビズリーチなどのスカウトサイトに登録しておくことをお勧めします。登録しておくと声がかかりますので、答える答えないはあなたの自由です。できるだけ可能性を広げたいという方は特におすすめの手法です。
給与が上がりやすい業界へ移動方法
給与を上げることを目的とするならば、給与水準が高い業界への転職するとその確率は上がります。(あくまで自分のキャリアゴールに沿ったことができれば)
- 日系→外資系やグローバル企業
- 一般的に年収が高い業界への移動 例)金融関連、コンサルティングファームなど
- 伝統的な業界→SAASやメガベンチャーなどのIT系業界
この時、気を付けなければいけないのがコンサルティングファームなどはクライアント対応が基本業務なのでプロジェクトによっては非常に多忙な日々を送ることになります。多少のワークライフバランスは犠牲になることも多いのでその点理解したうえで応募しましょう。
まとめ
転職で年収を上げるためには、まずあなたの市場価値を知ることが大切です。その上で市場水準より大きく下回っている給与の場合は、「転職することで年収を上げる」というのも一つの選択肢です。
広い意味での転職活動とは、採用面接を受けることだけでなく、自分の属する市場の情報収集などの「準備」を常日頃から行い、いざ転職しようと思った際に動くことが効率的な転職活動と言えます。何の準備もなくいきなり転職するのではなく、日頃からレジュメの更新をしておく、気さくに話せるエージェントと関係構築をしておくといざと言うときに動きやすい状態を作っておくことが大切です。こう言った準備こそが、より確実に転職で年収をあげることの成功につながるでしょう。
<おすすめ関連記事>
【2025年版】 外資系転職エージェント・転職サイトおすすめ一覧(業界別)
外資系への転職未経験の人が知っておくべきことと転職で抑えておく3つの方法(年代別)
【2025年最新版】外資系企業の中途採用まとめ(採用プロセス、内定の取り方、条件交渉の仕方)