「転職活動をしているけど、面接になかなか受からない」「他の人はどのくらい面接を受けているのか」「自分には転職できないのではないか」と、不安がよぎることもあると思いますが、まずは他の人が実際にどの程度応募し面接を通過しているかの事実を知ることです。
また、転職活動自体も改善プロセスと捉え、どのプロセスを改善するべきなのかを考えていきます。面接でどのようなポイントを見られるのかも、私自身の面接官側の経験から解説していきます。
転職面接に受からないけど、他の人の通過状況は?
平均応募社数
こちらのデータは年代別に平均応募社数を取ったデータになります。
〜19歳 | 4.1社 |
20〜25歳 | 6.3社 |
26〜30歳 | 7.1社 |
31〜35歳 | 8.2社 |
36〜40歳 | 8.7社 |
41〜45歳 | 10.1社 |
46〜50歳 | 12.1社 |
51〜55歳 | 14.5社 |
56〜60歳 | 14.5社 |
61歳以上 | 15.2社 |
同じ年代の人はこれくらい応募していることを理解しましょう。年代が上がるにつれ応募社数が増えていることが分かると思います。
データを見れば明白ですが、多くの人が1,2件応募したしたくらいでは内定をもらうことは難しいのです。
また、転職活動初期のころは練習も兼ねてある程度数を受けることが必要です。ただし、第一候補だと思うからと言って後に取っておくのはやめましょう。転職はタイミングが重要なので、あなたの準備ができたころには、希望するポジション自体が埋まってしまう可能性があるからです。
面接プロセスごとの通過率は?
そもそもの転職活動における各ステップの通過率はどのくらいなのでしょうか?こちらのデータによると、書類選考時点で30%の人しか通らないというデータが出ています。つまり、応募10通で3社通るのが平均的な確率ということです。
最初の書類選考、1次面接の確率がそれぞれ30%で最終面接の確率は50%と上がります。
これはあくまで全年代の平均なので、当然、年代が高くなればなるほど、ポジションも少なくなり、かつ競争度も高いことが予想されます。そのため、それぞれの通過確率は低くなるとお思ったほうがよいでしょう。
以下の図を見ると、応募から内定までたどり着くには、応募数がそれなりにないとむずかしいことが想像できると思います。
以上「どの程度の応募が必要なのか」「通過率はどの程度なのか」が分かったと思います。意外と数多く応募をしないと、確率論でいくとなかなか通らないものなのです。
転職面接に受からない時の対策1:応募数を増やす
応募数を増やすコツ:まず最初は10件を目標にする
そもそもの応募数を増やすことが、確率論から言うと必要なことだと分かったかと思います。最初は10件応募を目標にして応募をしてみましょう。
応募自体は、一度書類を一式揃えればあとは多少の調整で作成できるので、そこまで難易度が高いことではありません。転職サイトなどを利用しすると、1度登録済みの職務経歴書で応募することも可能です。
応募数を増やすコツ:同時並行して応募する
もう一つのコツは、1社ずつの応募ではなく、複数同時並行して応募するということです。
たまにいるのですが、1社応募して結果が来るまで待ってから応募するという人です。これは効率的に悪く、転職活動自体に相当な時間がかかってしまいます。
最後、複数社から内定をもらえると条件交渉の材料にもできるので、気になった企業には都度応募していく方が何かと効率的です。同時並行応募には複数転職エージェントを使うことも有効です。
こちらもご参考→「転職活動で複数の転職エージェントを使う際のメリット・デメリット、注意点など」
転職面接に受からない時の対策2:応募書類の工夫
カバーレター(表紙)を作成する
カバーレターは忙しい採用担当者が見たときに、一目で応募者のスキルマッチと志望動機が分かるように書いておくと、ほかの応募者と差別化できますので、添付した方が書類選考の通過率が上がる可能性があります。
逆に、これがない場合、職務経歴書と履歴書を見て判断することになるので、忙しい採用担当者が一目で分かりにくく、ほかの応募者と一緒に埋もれてしまうこともあります。採用側からの目線で、カバーレターは超お勧めです。
職務経歴書は最新の経歴から書く
経歴順序は必ず直近のものから書いていきましょう。たまに一番古い新卒時の経験から経歴を始めるものを見かけますが、採用側として知りたいことは一番直近の履歴です。
遡って見ていくことのわずらわしさを考え、見る側の目線でわかりやすく作成しましょう。
職務経歴書には重要なキーワードを盛り込む
採用担当者は、応募者の経歴を見るとき、キーワードをなぞるように追いかけます。裏返すと採用担当者が追いかけるであろうキーワードを、きちんと盛り込んでおくことが重要なのです。
どのキーワードを盛り込むかは、応募要件をしっかり確認し記載されているキーワードを盛り込みましょう。IT系のポジションであれば、キーとなるようなプログラミング言語名だったり、システム呼称かもしれませんし、営業であればキークライアントの業界や特徴かもしれません。
とにかく応募要件とマッチするキーワードを入れ込んでいきます。
数字で実績を書く
実績を書く際には、その一連の業務やプロジェクトで着目していた数字についての変化を書くようにしましょう。
数字は誰にとっても一番客観的なものです。たとえ業種が違えど改善率などは一目見てわかります。
例)営業企画の場合
「まず一人当たり生産性が〇〇(数字)と低かったことに着目した。そして営業に向けて顧客管理システムを導入することにより、3年後の数字を150%改善することに貢献した。」
この後、数字を改善したプロセスを書いておくとベストです。
転職面接に受からない時の対策3:職務経歴説明のコツ
自己PR
自分の経歴を、カバーレターを作った際のものをベースに口頭で説明しましょう。ここでは採用側としては、あなたのコミュニケーションスキルや人柄を見る意図もあります。
分かりやすい経歴の塊にまとめ、それぞれの経歴のどの時点でどういった経験をしたかを採用要件にあったキーワードを交え経験してきたことを伝えましょう。
志望動機
①スキルのプロセスをSTAR面接方式で説明
STAR面接は行動面接と呼ばれる面接で使われる方式ですが、かなり細かく一つの成果を掘り下げて見れる方式で、私もよく採用面接で使います。
これは面接側だけでなく、応募者が分かりやすく実績を伝えるにも効果的な手法なので簡単に紹介します。
S (Situation:状況)
→プロジェクト発足前など、改善が必要だと思われた状況を伝える
T (Task: 課題)
→その状況の中で課題として捉えたことを説明する
A (Action: 行動)
→アクションをとった内容を説明する
R (Result: 結果)
→結果的にその数字がどう改善したかを説明する
②最初と最後を数字で説明する
最初にこれは課題だと着目した数字があり、それが最終的にどう改善したかを数字で説明しましょう。
つまり最初の数字がIssue(課題)を捉えている必要があります。そして、その課題を解決するプロセスを説明し、最終的に数字が改善したことを説明するのです。STARに数字を交えるとより分かりやすくなるでしょう。
転職面接に受からない時の対策4:人事面接でのコツ
職務経歴の説明
経歴を話しましょう。ここでのポイントは、まずあなたが何の専門家であるかを端的に話し、志望動機と目標としているキャリアパスがマッチしていることを伝えることです。(スキル面接の時の経歴とは少し差別化しておきましょう。)
退職理由および志望動機
退職理由と志望動機はつながっていることが信憑性を帯びます。一貫性があり、面接官を納得させることができます。できれば現職で新たなチャレンジが見えてきて次の目標に向かうために転職する必要がある、というのが理想的な退職理由と志望動機です。
例)担当営業として成果を上げてきた。もっとチームで大きな成果を上げることがしたくマネージャーポジションの可能性がある会社に転職したい。
キャリアビジョン
1年後、3年後、5年後の自分のキャリアの展望を用意しておきましょう。「その目標を実現するために、今、御社に入社する必要がある」というところまで説明できるとベストです。
転職で面接に受からない時の対策5:役員面接(最終)でのコツ
最終面接は多くの場合、最終確認という役員との顔合わせであることが多いですが、最後の候補者二人で迷っているということも十分あり得ますので、あなたのモチベーションや熱意を惜しみなく伝える必要があります。
そのために採用側からのアドバイスは3つです。
- 退職理由と志望動機を一致させる
- できる限り御社で実現したいことがあると伝える
- 理念などに共感している旨伝える
必要に応じて、過去の成果を達成したプロセスなど、苦労して達成したような話を盛り込むと効果的です。
面接設定時間ごとの面接内容と対策に関してはこちらをご覧ください→「面接時間90分/60分/30分」ステージごとに内容紹介!予定より長いと通過率が上がるのかも解説
転職で面接に受からない時の対策6:マインドセット
応募数を多くする必要があることを理解する
データを見て、そもそも1社2社受けたくらいで転職に成功することはないと理解できたと思います。多く応募しなければいけないのは、「採用企業とあなたのタイミング」が大きいからです。
他の応募者が、よりフィットする年齢や性別だったりしたり、様々な要因があります。あなたが他者より劣っているというよりも、タイミングだという理解をしましょう。
面接数をこなし慣れる必要があると理解する
そもそもはタイミングに左右されますが、転職活動初期のころは、面接でうまく回答できず失敗することもあります。そして、答えられなかったところを復習して、次第に面接もうまくなっていきます。
あなたの面接レベルが上がったころと適切な企業に出会うタイミングも一つのタイミングです。このタイミングは必ずどこかでやってきます。
転職面接に受からない場合におすすめの転職エージェント
転職でなかなか面接に受からない場合は、そもそも応募数を増やすことが要です。日々忙しい人はエージェントが代行してくれるので、複数エージェントに登録して応募を増やしましょう。
ビズリーチ
一つ一つのエージェントに登録することもなかなか難しいので、まずはヘッドハンターのいるビズリーチに登録すると複数のヘッドハンターや採用担当者が声をかけてきます。
ビズリーチでは、一度職務経歴書を登録すればそれを使って他の企業に応募できるので効率的です。マッチングしたヘッドハンターや採用関係者しか声をかけてこないので、効率重視しつつも数をこなしたい人には最もおすすめです。
一方で伴奏してくれるようなパートナーが欲しいと思っている人には、個別におすすめエージェントに登録する方法もあります。
転職サイトの【BIZREACH(ビズリーチ)】の公式サイトを見る
JACリクルートメント
JACリクルートメントは転職希望者に対してのマンツーマンのフォローが手厚く以下のようなサービスを無料で提供しています。
- 職務経歴書添削
- 模擬面接
- 推薦
特に採用側から見て、JACの企業への推薦力が強いことは大きな強みだと思っています。
チームワーク制なので、各個人がガツガツしていないので強引に応募させようと言った圧力もありません。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、転職が初めての方にとっても分かりやすく、プロセスから丁寧に説明してくれます。特に20代30代で次のキャリアの方向性に迷っている人などにとっては、相談に乗ってくれる頼もしいエージェントです。採用企業からの信頼も高く、非公開求人を多く保有している印象です。
マイナビエージェント
マイナビエージェントはCMでもおなじみですが、ヒアリング力に定評があります。
エージェントの提案力やマッチング力はコンサルタントのヒアリング力次第で決まります。親身になって聞いてくれるコンサルタントを希望している場合は一度マイナビエージェントに登録して初回の面談で色々と相談してみましょう。
その他、おすすめ外資系転職エージェントはこちらをご参考ください→外資系転職エージェント・転職サイトおすすめ一覧(業界別)
まとめ
転職転職で受からない場合の対策を改めて以下にまとめました。
- まず応募数の事実を知る
- どこを改善するかを知る
- 行動しながら改善していく
じつは応募数の事実を知らなかったり、どこを改善するべきかそもそも分かっていないケースが多いのです。
改善点のポイントについては採用側の目線で解説しました。採用面接官はあなたが実際に働くまでは本当の実力や人柄は分かりません。しかし、職務経歴や面接を通してどれくらい成果を上げてくれるか、会社に溶けこんでくれるか、できる限りのリアリティを見せれば良いのです。
そのリアリティは数字で表現したり、第三者とどのようにコミュニケーションそ取って成果を出してきたか解像度高くイメージできるような情景を描き、伝えることは十分可能なのです。