「転職後に急に仕事ができなくなってしまったけど、これって私だけなの?」「転職後に仕事ができなくなる人の特徴ってあるのだろうか?」「どうやったら対処できるの?」など気になるところだと思います。
ここでは、筆者の転職経験と採用側として転職者の受け入れをしてきた経験から、転職後に仕事ができなくなる人の特徴や象徴的なことと対処法について解説していきます。
転職後に仕事ができないのは考え方が間違っているから
じつは転職後に仕事ができい理由は、そもそも間違った順序で成果を出そうとしているからです。転職後新しいの境で仕事の成果を出したり、活躍するにはプロセスを踏んでからでないと大きな成果は出せません。
逆に、順序を間違ってがむしゃらに仕事をやろうとしたり、その会社のルールを覚える前に独断で仕事を進めてしまうとなかなか成果は出ません。
転職初期には多くの人が「早く結果を出そう」「周りに良い所を見せよう」などといった考えから、焦ってしまい仕事で支離滅裂なことをやってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
転職後に仕事ができない人の特徴的な考え方
今までの仕事のやり方で結果を出せると思っている
これが転職後に仕事ができない人に一番ありがちな間違った考え方でしょう。
たとえ職種が同じだとしても、新しい職場では関わる人や仕事を進める仕組み、予算などが違います。特に、重要なことは、組織に既にあるルールに則って仕事を進めることです。
よって、まずはそのプロセスを学ぶ必要があります。
転職後は、はりきって今までの経験からこういう風にやればいいと思い込みどんどん進めるのではなく、まずはプロセスに則っているかを上司や同じ部署の人に確認しながら進めるべきでしょう。
すぐに仕事で結果を出そうとしている
「即戦力を期待されているから早く結果をださないといけない」そう思えば思うほど焦りが出て、仕事もうまくできず結果悪循環に陥りがちなものです。特に営業など数字を任されるポジションにある人にありがちです。
しかし実際のところ転職してすぐに仕事をこなし結果が出せる人はいません。その会社について学ぶ期間や仕事を覚える期間が誰にでも必要なことを理解しましょう。
もどかしい期間かもしれませんが、まずは学ぶ期間馴染む期間を作ることで、中長期できちんと仕事の成果を出せるようになります。
自分一人の力で成果が出せると思っている
まずそもそも仕事というのは、組織である以上周りの人との連携プレーで成り立っているものです。自分一人ががむしゃらにやって結果を出せることもあるかもしれませんが、基本的には成果というものは組織である以上チームワークで成り立っているはずです。
私が従事しているマーケティングという仕事も、最初に公に告知するPRのコミュニケーションがあり、商品を知った人が買いに来る導線を作るデジタルマーケティングがあり、最後にECサイトがあります。そういったビジネスの上流~下流や組織を横断して関連してくる部門との調整、さらには外部ベンダーとの連携が不可欠です。
自分一人でできる仕事は範囲も限られてきますし、他部署との連携なしには大きな成果を出すことは難しいでしょう。
転職後に仕事ができないときに起こる特徴的な出来事
自分だけ孤立する
必要なプロセスを踏んでいなかったり、周りに相談せず独断で進めてしまうことで、大きな会議でいざこれから始めるプロジェクトの概要を発表する、などといった際に参加する他部門のステークホルダーから猛反対を受けてしまったりします。
これは、自分一人で仕事で成果を出そうとしてしまい、一人だけで色々なことを進めた結果他の部署から見て不都合なことも理解せず進めていたりすることで起きる例です。
先述した通り、関連部署への影響も理解し合意をとったうえで進めないとこういうことになります。また、いわゆる日本でいう「根回し」をしておくことも日系企業外資系企業関係なく重要だったりします。
仕事をして成果を出したつもりが悪評が立つ
大企業では特にそうですが、一人で仕事をして関係部署の合意を取らないままに仕事をしてしまうと噂が立ちます。それが独り歩きして結果的にその人の評判になってしまうということを、様々な会社を経験する中でたくさん見てきました。
特に、長く働いている人が多い会社では、古くからやっている仕事を新しくやってきた人が、急に断りもなく実施したことにより支障が出てしまうというのは、気分を悪くする人もいるでしょう。こういったことを防ぐために、コミュニケーションを都度取りながら仕事を進めていく必要があります。
仕事の意欲がなくなる/集中できない
このケースは、新しい会社のカルチャーに合っていない場合起こることがあります。かなり前職のカルチャーと違っていたり、あなた自身に文化があっていない場合に起こることがあり、適応している間に起こります。
私もかつて転職した職場でカルチャーが合わない会社があり、適応するのにとても長く時間がかかったことがあります。その時は自分の「力が抜けたような感覚」に陥り、仕事がはかどりませんでした。
そもそもカルチャーが合っていないと、組織からの疎外感や孤立感を感じやすくなり仕事に集中することが難しくなることもあります。まずはその会社の文化を理解して自分から溶け込もうとしてみましょう。
しかしあまりに合っていない場合は大きなストレスを伴うため、転職を検討することも必要かもしれません。どういった面が自分に合っていないのかを見極め、転職の目的と比べてそこが我慢できるのかどうかを考えましょう。
転職後に仕事ができないときの対処方法
まずは自分の仕事を俯瞰してみる
自分の部署、チームを会社全体の組織図を見ながら俯瞰して、この部門の仕事内容がこの会社においてどの程度重要で、その役割がどの部署と関係しているのかを見ていきます。
想像で構いません。まずはこれが第一段階です。
自分の仕事が誰に影響しているかを理解する
次に自分の仕事は社内のどの部署にどういう影響を与えているかを理解します。
例えば私の従事するマーケティングという仕事は広告を出すことにより、集客を行いますが、その影響は販売現場にも大きな影響があり、広告を出稿する量などで現場の売上レベルが変わってきます。広告を出しすぎても現場が対応できない、品切れになることもありますし、逆に広告をしなくなくなると客が減り売上減少につながります。
また、ファイナンス部門から見ても広告がどういった売り上げに影響を与えているかを定点的に観察しておくことは、会社の経費が効率的に運営されているかどうかを知るためには大事なことです。
このように、関係する部門や外部部署にとって自分の仕事がどう影響しているかを理解することが重要です。そして影響先の部門の視点も持つことで、多面的な視点からより良い仕事にしていくことが可能となります。
その会社の文化を理解する
まずはその文化を理解して新しい風土に馴染むようにしていきましょう。自分から周りの人に声をかけたり、リモートワークでも出社してできる限りフェーストゥフェースで会ってランチに行ったりすると良いでしょう。
転職後しばらくは自然にランチなどに誘いやすいと思いますので、できるだけいろいろな人と交わってみましょう。いろんな人と話してみると中からその会社の文化が見えてきます。
また、まず自分の見方になってくれる人を周りで作っておくことで、仕事でもサポートしてくれるようになります。
転職後に仕事ができない理由が文化の不一致の場合
私の採用側での経験から、会社の文化があっていないと、転職後に本来の能力を発揮することすら難しく、自分自身大きなストレスを抱えてしまう場合があります。
よって、文化があっていないことは、とても重要かつ致命的な問題といっても良いでしょう。
一般に、異文化に触れると人はハネムーン期を超えたあとに、カルチャーショック期を迎えるとも言われています(参考:Obergの異文化適応曲線)
回復期、適応期を超えても疎外感やフィットしていないと感じるのであれば問題かもしれません。
また、過去(転職後やってくるストレスのピークは4段階に分かれてやってくる!原因と対処する方)に書きましたが、入社後には、ストレスのピークが4段階に分かれてやってきます。
転職後6カ月経っても文化に馴染めなかったり強いストレスを感じる場合は、社風がそもそもあっていない可能性があります。
以下ステップでどう対処するべきか考えてみましょう。
- ・何があっていないかを理解する
- ・文化によるストレスが今回の転職の目的を達成するために犠牲にするべきことかを考える
- ・転職するべきと判断した場合は準備を始める
まとめ
転職後に仕事ができなくなるというのは、これまで仕事を精力的にやっていた人にとっては、入社後のインプット期間に感じるもどかしさでもあります。
また、今までのやり方をその会社に当てはめて勝手に仕事を進めてしまった結果、関連部署などに見えない影響を与えてしまって、また仕事をやり直すことになったりということもあります。
自分の仕事を取り巻く環境の理解が必要で、特に関連部署への影響と、それらの人との円滑なコミュニケーションを取ることを意識して最初の数カ月は過ごすようにしましょう。
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