外資系企業の採用は、基本的に中途採用で即戦力採用が基本です。では選考において候補者のどのような点を見られるのでしょうか?また、どうやったら選考に進みやすく、内定を取りやすいのでしょうか?
このあたりを外資系の中途採用に関わってきた筆者が経験に基づき、採用プロセスや応募時のコツについて解説していきます。
外資系企業の中途採用について
外資系企業の採用は基本的に即戦力採用となります。
新卒採用を実施している外資系企業はある程度日本に根付いている大手企業になります。ポジションごとに明確に職務要件が決まっていて、採用がオープン者になるときには、Job Description(職務記述書)が決められ、その要件に沿った候補者探しが始まります。
職務記述書は通常そのポジションをマネージする立場にあるマネージャーが作成します。
外資系企業の中途採用の採用枠について
通常部署には、ヘッドカウントがあり、そのポジションの人が抜けると補充される流れになります。新設ポジションなどは新規ヘッドカウントが足され、その都度新たにそのポジションの役割について記載された職務記述書が作成されます。
外資系企業の中途採用の採用プロセスについて
外資系企業での採用プロセスは一般的には以下のようなものになります。
1次面接 採用責任者(ハイアリングマネージャー)直属の上司
2次面接 人事担当者 応募者のキャリア方向性確認や人物について確認
3次面接 所属部署の責任者(職位が高い場合はカントリーマネージャー)
最終面接(本国のその職務のヘッド 経理ならCFOなど)
内定(オファーミーティング)
内定承諾(内定後~2週間くらい)
英語チェックは通常1次か2次で入ります。
企業によっては、1次面接に人事の人が入る場合もあります、この場合は2次面接の内容も兼ねているので通れば次は3次面接となります。
外資系企業の中途採用での条件交渉について
条件交渉は比較的外資系企業は日系企業よりも柔軟に対応してくれる場合もあります。
例えば、どうしても採用したい応募者の場合は、今の給与の条件や希望条件に見合った条件を提示してくるでしょう。また、働き方などについても、柔軟にしてくれたり交渉が可能なのが一般的です。
その際、自分自身が交渉するよりも、代理人(一般的には転職エージェントやヘッドハンター)が中に入って交渉してくれることが理想的です。特に外資系に強く、その企業と強いリレーションシップを持った人がいるとなお良いでしょう。外資系に強い転職エージェントはこちらでも紹介しています。
【2025年最新版】 外資系転職エージェント・転職サイトおすすめ一覧(業界別)
外資系企業の中途採用で見られるポイント
即戦力採用の外資系ではまずはスキルセットがあっているかを見られます。
コアスキル
コアスキルは、業務で主となる専門職能部分のことで以下のような内容になります。
・経験領域
・業務プロセス
・問題解決能力
・成果(数字)
これらをすべて網羅的に話すには、STAR方式で説明ができるようにしておくと良いでしょう。
なぜSTAR方式が良いかというと、面接でよく使われる方式であり、業務プロセスの説明を通して問題解決能力を伝えることができるからです。STAR方式は以下のような流れで説明します。
S(Situation):現状説明
T(Task):課題が何か*
A(Action):取ったアクション
R(Result):結果どうなったか
*ポイントとしては、課題が何かを定量で示し、最終的にResultでその課題としてとらえた数値がどのように改善したかを説明することができるとベストでしょう。
ソフトスキル
コアスキルとは別の部分でソフトスキルと呼ばれるものがあります。ソフトスキルは、円滑に業務を進めるために必要となるスキルで一例として、コミュニケーション能力、問題解決能力、タスク管理能力などがあります。
面接官はこれら一連の能力を面接の最中の話し方や職務経歴について話すなかで総合的に見てます。
よって、上述したSTAR方式にあてはめていくつかの経験業務を話せるように準備しておくと良いでしょう。
特にコミュニケーション能力は、外資系企業の中途採用面接で特にみられるポイントです。
英語力
外資系企業の中途採用では、英語力がどの程度のレベルかを面接中にチェックされることがほとんどです。1次面接の場合もありますし、2次面接で人事がチェックする場合もあるでしょう。大事なことは、流暢に話そうとすることではなく、質問されたことに対して、的確にこたえることができるかどうかです。
以下のように、わかりやすい構成で回答すると良いでしょう。
1.結論
2.理由付け
3.具体例
4.結論
先に結論から話す流れを日ごろのコミュニケーションでも意識していると良いでしょう。
外資系企業の中途採用で必要な準備(書類選考時)
- カバーレター(あるいは転職エージェントからの推薦状)
- 職務経歴書(CVやレジュメとも呼ばれる)※英語版、日本語ともに用意
- 履歴書
職務履歴書は英語版と日本語版を用意しておくと良いでしょう。場合によっては、日本語版だけで良い場合もありますが両方用意しておくと間違いないでしょう。
関連記事:【2025年最新版】転職が多い場合の職務経歴書の書き方~採用視点で必要な7つのポイント~
外資系企業の中途採用で必要な準備(面接時)
転職の目的の整理
転職の目的はクリアに整理しておきたいところです。そのうえで、応募する企業を絞り込むのが最低限やらなければならないことです。
また、日系企業から外資系企業に転職する人は十分違いについて理解したうえで転職を考えましょう。違いについてはこちらで説明しています。そのリスクを理解してリターンが大きいことを理解したうえで応募するのが良いでしょう。
志望動機
志望動機は、その企業で経験できる、あるいは、上述した転職の目的を達成できるから応募するというように、しておきましょう。
外資系企業での転職は特にポジティブなマインドセットの応募者が好まれます。可能な限り、転職の目的はキャリアアップなどの職務経験に関わることにしておくと良いでしょう。目的と志望動機がつながっていることを意識しましょう。
外資系企業の中途採用におすすめの転職エージェント
Robert Walters(ロバートウォルターズ)
ロバートウォルターズのコンサルタントはコミュニケーション能力の高い外国人が多く、採用企業に対しての提案力や推薦力が高い外資系転職エージェントです。グローバルの人材エージェントに贈られる「ベストリクルートメントオブザイヤー」を2年連続受賞。
また、人気大手外資系企業案件に強みをもち、外資系の人材企業が対象となる「リクルートメントアワードオフザイヤー大手企業部門」も受賞しています。
Robert Walters(ロバートウォルターズ)の公式サイトを見る
JACリクルートメント
イギリスで日本人が創業した会社です。扱っている求人は外資系企業と日系グローバル企業に強くコンサルタントはきめ細かな対応が特徴。フットワーク軽く柔軟に対応してくれます。
外資系企業への転職を考えたらまず一度登録してみるべき総合転職エージェントと言えます。
en world(エンワールド)
エンワールドは業界ごとに特化した部門があり、非常に優秀なコンサルタントがそろっています。最初の面談でまず細かくヒアリング、そこからのフォローアップも非常にきめ細やかです。入社後のフォローもあるのが特徴です。
Michael Page(マイケルペイジ)
イギリスでは老舗の大手転職エージェント。その信頼も厚く日本でも外資系企業から厚い信頼を誇るため非公開で求人を依頼されることが多く独占案件も多い。
転職希望者には丁寧な面接対策が実施され、決定率も非常に高い外資系の転職エージェントです。
Michael Page(マイケルペイジ)の公式サイトを見る
まとめ
外資系企業の中途採用の特徴としては、即戦力採用があげられます。ポジションの職務領域が明確に決まっているので、そのポジションに見合ったスキルセットを保有する人が候補者となります。
面接の際には、コアスキルの経験だけでなくソフトスキルも見られることになります。プロセスを明確に順序だてて説明できるように準備しておきましょう。
また、採用条件の交渉は遠慮する必要はなく、給与条件が原因でオファーをためらっているのであれば率直に伝えて交渉してみましょう。外資系企業ではそれが原因で応募者の印象が悪くなることはありませんし一般的なことです。交渉には、外資系企業に強い転職エージェントを使うことをお勧めします。
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