就職活動において、面接は最も重要な部分の一つです。面接では、企業が応募者の能力や適性を判断するため、様々な質問をします。
中には、一見すると奇抜で答えにくい「キラー質問」と呼ばれるものもあります。本記事ではキラー質問のように答えにくいけど、ちゃんと答えたら通過率が上がる質問への対策について詳しく解説しています。
面接でのキラー質問について
キラー質問とは何か?
キラー質問とは、面接の場で企業が応募者に対して行う鋭い質問のことを指します。
この手の質問は、回答が難しく回答内容によっては見送りとなる可能性があるため、特に注意が必要です。
逆に言うと、こういった質問に答えることで合格率が上がるともいえます。
企業は、応募者の人間性、過去の経験、そして職務に対する態度を探ることを目的として、こういった質問を用いることがあります。
キラー質問をする採用企業の狙いとは?
面接を行う企業は、応募者の適性を見定めるために、時には想定外の質問を聞くことで選考に関わるクリティカルなポイント部分で、本質的な回答を引き出そうとしているのです。
また、答えにくい質問をすることで切り返しの柔軟性を見ることで自頭の良さをはかる企業もあります。
面接のキラー質問で会社が知りたいこと
キラー質問は、企業が応募者について深く理解するための重要な手段となっています。具体的に、企業がこの質問を通じて何を知りたいと考えているのか、以下に整理して説明します。
問題解決能力や意思決定プロセス
候補者の問題解決能力や意思決定プロセスはビジネスにおいてどんなポジションであっても重要になってくる能力です。
過去の経験においてどんな失敗や成功体験があるかや、困難を乗り越えた時のプロセスを通して候補者の能力を見極めようとします。
例として「最も困難だったプロジェクトについて教えてください」というような質問は候補者の困難を乗り越える姿勢や思考のプロセスを見る代表的な質問と言えるでしょう。
人間性や価値観の把握
企業は、応募者の人間性や価値観を理解することも重視しています。
チームでの協力や倫理観は企業文化とのフィットにおいて重要な要素です。
「チームとはどんなコミュニケーションを取っていますか?」「一緒に働きたくない人はどんな人ですか?」といった質問により、応募者の社会性やコミュニケーション能力を見極めようとします。
また、特に大企業では、候補者の倫理観を問うような質問がされることもあります。たとえば、「上司が不正を働いていた場合、あなたはどうするか?」という質問を通して、倫理的な判断ができる人かを見極めます。
志望動機についての確認
採用側として候補者選定の一つの基準となるのが「志望動機」です。
志望動機をもっているかどうかは、自社についてどれほど理解し、その理念にどのように感じているかなどを聞いて確認することもあります。
このように、キラー質問は企業が応募者を多角的に評価し、選考過程で重要な役割を果たします。面接対策を行う際には、これらの点をしっかりと理解し、準備を整えることが重要です。
面接で聞かれるキラー質問の分類について
キラー質問は主に、次の3つのカテゴリーに分類されます:
- 過去の経験について→問題解決能力や意思決定のプロセスを確認
- 人間性に関する質問→人物評価
- 志望動機に関しての質問→モチベーションの高さ確認
特に準備が必要なのは①過去の経験についてで、可能であればSTAR面接のような回答方法を使って状況を事細かに説明できる準備をしておくと、意思決定や問題解決のプロセスを話すことができます。
一つの問題解決のプロセスを事細かに話すことができれば、面接官としては、候補者が同じことが違う環境でもできる再現性をもっているだろうと判断できます。
①過去の経験に関する質問について
過去の経験に関する質問では上述したように経験自体を見るだけでなく「問題解決能力」や「意思決定能力」を見るケースが中心です。
経験に関してはSTAR方式で回答できるようにしておくことが望ましいです。さらに言うと、行動面接などで深堀質問されたときに備えて、課題~課題解決までを根拠となる数値をベースに応えれるようにしておくと良いでしょう。
質問例
「これまでにかかわってきた一番大きなプロジェクトとあなたの役割について教えてください。」
「これまでに一番大きな成果を挙げた仕事について教えてください。」
「これまでに、何かを課題として捉え、最終的に課題を改善して成果を挙げた例を教えてください。」(行動面接)
「過去に仕事で失敗をした経験はありますか?」
「仕事で失敗したけど今に生かせていることは何ですか?」
「失敗した経験とどうやって挽回したかについて教えてください。」
「苦労したプロジェクトと注力した点について教えてください。」
②人間性に関する質問
人間性に関する質問はあなたが周りからどういう人に見られているか、どういったキャラクターなのかを見られます。
意外と客観的にとらえることができていない人も多いので、近しい友人や職場の同僚などに自分のことを聞いておくと良いでしょう。
質問例
「あなたは人に何と例えられることが多いですか?」
「〇〇くらい困難な状況であなたならどうやって対処しますか?」
「あなたにとって〇〇という数字を達成することは重要ですが、上司にそれに反する指示を受けました。あなたならどうやって対処しますか?」
③志望動機に関する質問
採用企業としては似たような職務経歴を持つ候補者がいた場合、優先するのは志望動機の高さです。
これは、私が採用した中でも強く感じることで、時には、志望動機が高い人をポテンシャルの高い人材ととらえて、経験者よりも優遇することすることさえあります。
大変重要なポイントなので自分自身の志望動機を明確にして、この企業に応募することが、これまでの経験、と将来の目標を線でつなげるような志望動機にしましょう。
質問例
「当社に来て実現したいことは何ですか?」
「当社のビジョンや最近の取り組みで、特にどの点に惹かれましたか?」
「このポジションで3年後、どのような成果を出していたいですか?」
「当社の企業理念の中で一番印象に残ったことは何ですか?」
「○○さんに就任いただいたら当社にどのようなメリットが得られますか?」
ベンチャー企業の面接でのキラー質問について
ベンチャー企業の特徴と求められる人材像
ベンチャー企業は急成長を目指すため、変化に柔軟に対応できる人材が求められます。これらの企業では、迅速な意思決定能力、創造的な思考、さらに自己主張とチーム協力の両立が重要です。
このため、面接での質問は応募者の能力や資質を理解するためのものが中心となります。
ベンチャー企業での一般的なキラー質問例
企業が重視する「グリッド力」とは、予期せぬ困難に直面しても屈せず達成できるまで挑戦を続ける力を指します。この能力を評価するため、面接では次のような具体的な質問が多く聞かれます。
- 「これまでの経験で最も困難だった出来事について教えてください。」
- 「失敗からどのように学び、それを今にどう活かしていますか?」
- 「自身の独自のアイデアを提案した際のエピソードを教えてください。」
応募者に求められる行動力やマインドセットの高さ
ベンチャー企業での面接では、応募者の過去の経験のみならず、その思考過程や行動様式についても焦点が当てられます。
以下は質問一例です。
- 「いままでの経歴の中で、あなたのアイデアが発端となり実現した革新的なビジネスアイデアと実現したプロセスについて教えてください?」
- 「新しいビジネスチャンスを見出し社内提案をし、社内でそれを実現した際に困難だったこととそれを乗り越えた方法について教えてください?」
- 「あなたがイニシアチブを取り新しいプロジェクトを推進した事例について教えてください」
これらの質問を通じて、面接官は応募者のプロジェクトなどの推進力や問題解決能力、チームの統率力などを評価しようとしています。
面接時の心構え
ベンチャー企業の面接では、誠実さと具体的な経験が特に重視されます。自分の経験や考えを具体的に整理し、効果的に伝えられるよう事前に準備することが成功への近道です。
また、自分の意見や価値を的確に表現する力が求められるため、積極的に自己PRを行うことが重要です。
STAR方式でキラー質問に回答する
過去の経験に関わる質問は、上述した通り、候補者の問題解決能力や意思決定プロセスを理解するために最も準備が必要な部分です。
これらの質問は、応募者が過去の困難な状況をどのように乗り越え、どのように成長を遂げたのかを評価するための手段でもあります。
ここでは、どんな質問にも対応できるSTAR方式での回答をおすすめします。
STAR方式(Situation, Task, Action, Result)は以下の順で一つのプロジェクトやタスクについて説明します。
- Situation(状況): 背景やその時の状況を説明する
- Task(課題): その時直面した課題や課題をどうとらえたかを説明する
- Action(行動): 課題に対して具体的にどのような行動を取ったのか
- Result(結果): 行動の結果、得られた成果や学びについて
また、STAR方式でのコツとして、できる限り数字で課題を捉えておき、その数字が取った行動によりどう変わったかを説明できると成果が明確になります。
関連記事:転職面接で聞かれる5つのカテゴリー別質問一覧と通過率を上げる回答テンプレート
面接でのキラー質問への対策方法
面接において、キラー質問にどう対策するかは非常に重要です。ここでは、キラー質問に対する効果的な対策をいくつか紹介します。
事前情報収集を徹底する
まずは、企業研究をしっかり行うことが基本です。企業の理念や文化、求める人材像を理解することで、予測できる質問に対して自分の考えを整理できます。また、業界のトレンドや競合他社の情報も知識として持っておくと良いでしょう。
- Web上での情報収集(企業サイト、口コミサイト、SNSなど)
- 転職エージェントに登録して情報収集する
模擬面接を実施してもらう
緊張してしまうと、思っていることをうまく伝えられず、本来の自分を出せないので非常にもったいないです。当日リラックスするためには回答を準備しておいたり、転職エージェントなどで模擬面接を実施してもらいましょう。
質問が分からないときは躊躇せず質問する
キラー質問や質問内容が明確でないときは面接官にどういった回答を求めているかを質問してみましょう。
意図を理解しようとする姿勢がマイナスになることはありませんので、求められていない回答をするくらいなら確認するようにしましょう。
まとめ
キラー質問への対策には、事前の徹底的な準備が重要です。特に聞かれるカテゴリーは、
①過去の経験 ②人間性 ③志望動機 などがあります。その中でも①に関しては問題解決能力や意思決定プロセスを見られますので、対応できるようにしておくには、STAR方式で回答できるように準備しておくと良いでしょう。
また、志望動機の高さを伝えることは他の候補者に対してアドバンテージとなるので重要です。ここも事前にまとめておき、過去の経験と将来の目標がつながるようなものを準備しておくと良いでしょう。
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