忙しい中、転職活動を円滑に進めてくれるパートナーがいたらどれほど助かることか、と私も自分で応募活動していたころはそう思っていました。今は信頼できるキャリアコンサルタントとの出会いで毎回効率の良い転職活動ができています。
この記事では実際の転職エージェントとはどんなビジネスで実際の転職の際に何をどうサポートしてくれるのか、利用するコツなど自身の転職経験と採用側の経験をもとに解説しています。
転職エージェントとは
転職エージェントの仕事
転職エージェントのビジネスは、企業と転職希望者をマッチングし、企業に紹介することです。最終的に就業した時点で仲介手数料として成果報酬型のフィーが入る仕組みとなっています。
転職希望者は基本的に無料でサービス利用をすることができます。
転職希望者は、担当のキャリアアドバイザーやキャリアコンサルタントと呼ばれる人に求人の紹介や、企業とのやり取りを任せることになります。
担当が企業や業界で分かれているところもあれば、職種領域で分かれているエージェントもあります。前者の場合は複数のコンサルタントと接点を持つことになります。
転職エージェントの費用とお金が入る仕組み
転職エージェントの仕事は端的に言うと仲介ビジネスです。
支払いは成果報酬型が多く、内定が決まったら採用条件である給与に対しての歩合で決まります。
仲介手数料は35%が相場で、IT系などの希少人材においては紹介の難易度も高いため40%、50%と相場が高くなるケースもあります。
この仲介手数料は決して安くはありませんが日本においては売り手市場で働き手が少ないため手数料相場が下がることは当分ないでしょう。
おすすめ転職エージェント
【2024年版】 外資系転職エージェント・転職サイトおすすめ一覧(業界別)はこちら
JAC(ジェイエイシー)
伴奏力が高いエージェントです。
エージェントのマッチング力は最初の面談時のヒアリング力が鍵となりますが、ヒアリング力が高くそれが結果的に求人紹介のマッチング力、スピードが高いエージェントです。
採用側から見ても候補者の提案力が他のエージェントに比べ非常に高いのが特徴です。面接対策も充実していますので初めて使うエージェントとしてもお勧めします。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、私が初めて使った転職エージェントでしたが、特に30代前後の転職希望者にとってはお勧めのエージェントです。
担当者が親身になってキャリアパスの設計方法など教えてくれたり面接前のアドバイスや面接後の反省点などを一緒に考えてくれます。
古くからある大手エージェントなのでシステム化されていてフォローアップもまめに行われます。
dodaエージェントサービス
dodaエージェントサービスは、日本全国での取引実績があります。
また、登録するとあなたの専任キャリアアドバイザーが付いて、転職活動を最後までサポートしてくれますので、エージェント活用が初めての方にも安心です。
転職市場や、業界、職種の知見が豊富な転職のプロが、キャリアプランの相談や、職務経歴書や履歴書の添削、模擬面接や面接の答え方のアドバイスなど、選考通過のへ向け手厚いサポートをしてくれます。
転職エージェントのサービス内容
ここでは転職エージェントのサービス内容を転職希望者が登録するところから内定をもらうまでの流れで見ていきます。
- 登録
- キャリアアドバイザーとの面談
- 職務経歴書のアドバイス
- マッチング案件紹介
- 企業への推薦(応募
- 面接シミュレーション
- 内定条件の交渉
各プロセスの内容について一つ一つ解説していきます。
1.登録
企業のホームページなどからあなたの情報を登録します。
一般的にはあなたの略歴を簡易的に入力するので数分で登録できます。最初から職務経歴書があると次のキャリアアドバイザーとの面談でより具体的な話ができます。
2.キャリアアドバイザーとの面談
キャリアアドバイザーと面談を行い、あなたの現状のステータス(年収や就業状況、経歴)と年収や次の企業の希望条件についての確認する面談が行われます。
事前に職務経歴書を送っている場合は、この段階ですぐに案件紹介が行われることもあります。その時点でマッチングする案件がない場合は、後日メールや電話で案件紹介が行われます。
3.職務経歴書アドバイス
ここに関しては面談時にアドバイスをもらうこともありますが、希望を伝えると添削してくれます。職務経歴書の見栄えは書類選考の通過率に影響してきます。
忙しい採用担当者の目に留まるにはどのように職務経歴書を作れば良いかぜひアドバイスをもらいましょう。
4.マッチング案件紹介
面談時に伝えた希望条件をもとに順次案件紹介があります。
メールで案件のジョブディスクリプション(職務記述書)が送られてくることが一般的です。職務記述書を見て応募したいと思ったら担当のキャリアアドバイザーに連絡し応募したい旨伝えます。
5.企業への推薦(応募)
紹介してもらったポジションに応募する旨伝えたらエージェント側から企業へ推薦状とともに応募が行われます。
そこから企業側が書類選考に入ります。書類選考には〜1週間程度見ておくとよいでしょう。書類選考が通れば1次面接へ進みます。
6.面接シミュレーション
書類選考が通ったら面接の手配をエージェント側が採用企業と日程調整をしてくれます。最終面接まで日程調整など企業とのやり取りをすべて行ってくれます。また、実際の面接までに面接シミュレーションが行われます。
エージェントによって実際の面接を想定した内容でシミュレーションを行うところもあれば、どういったことが聞かれるか、どのような回答が適切か、などのインプットをエージェントもあります。(後者の方が一般的になってきています。)
7.内定条件の交渉
最終面接まで終わり、内定が出るとエージェントが内定条件の交渉を行ってくれます。
また、実際にオファー承諾の前に聞きたいことや追加の依頼などがあればエージェントが企業側に確認してくれます。
転職エージェントとは:転職サイトとの違い
転職サイトについて
採用企業やオープンの案件を掲載しているサイトです。幅広い業種や職位のポジションが掲載されている一方、誰でも応募できるため人気のポジションは競争率が高いです。
また、企業への直接応募の際にはサポートを受けることはできないため面接の日程調整などはすべて自分で行う必要があります。
転職エージェントについて
一方転職エージェントは、エージェントが採用企業から預かって募集をしている求人がメインです。マッチングした候補者を探していて非公開求人なども扱っています。
採用担当が優先的に探している候補者のタイプをよく理解していますので、マッチングの精度が自分で応募するよりも高いことがあげられます。
採用担当はチームの状況などに応じて候補者を探しますから、性別や年齢などの細かい希望も信頼するエージェントに伝えている場合もあります。
転職エージェントとは:利用する際のデメリット
1.希望とは違う案件を紹介されることがある
これは当然ながらエージェントの得意分野やそのコンサルタントが決めたい案件などあるのでそのような案件を優先的に紹介されることがあります。
しかし、そのような場合は今一度伝えてあった希望条件を伝えてみましょう。
2.案件を多数紹介されることがある
特に市場ニーズの高い転職希望者は、案件を多く紹介されることがあります。
これは単純に可能性のあるポジションが多くあるということなので良いことですが、あまりにも多い場合はできるだけ希望条件で絞り込みをかけてもらうように伝えてみましょう。
3.内定をもらった際にクロージングされる
これは当然彼らのビジネスが成果報酬型なので内定を承諾してもらいたいというのがあります。
しかし、断りたい場合は面接を受けていく中でイメージしていた会社とは違ったということを伝えればエージェント側も理解してくれるでしょう。
押しの強いコンサルタントもいるので流されないよう意思表示をはっきりしておきましょう。
転職エージェントとは:転職エージェント利用のメリット
1.企業側とのコミュニケーションはすべて代行してくれる
企業側との面談調整から疑問に思っていることなどはコンサルタントが調整や確認をしてくれますので、自分が採用企業側の人事とコミュニケーションを取ることはほとんどありません。
内定条件が出て、オファーミーティングを行い、承諾のサインを返送した後からは、直接のやり取りとなることが多いですが、それまでは直接のコミュニケーションはないと考えてよいでしょう。
そのため、就業中での転職も効率的に行うことができます。
2.内定条件の交渉をしてくれる
言い出しにくい給与などの労働条件交渉も代行してくれます。この際に、市場の給与情報などを参考に交渉してくれるため、客観性があります。エージェントがもらえるフィーも内定条件の給与額の35%になるので、その分交渉も頑張ってくれます。
3.非公開求人の紹介をしてくれる
企業と良好な関係を築いているキャリアコンサルタントは非公開案件と呼ばれる、企業が表には出したくない案件を保有していることがあります。このような案件はそのエージェントの独占案件となっているような案件もあり、比較的競争率が低いため選考に通りやすくなります。
また、信頼おけるコンサルタントからの推薦はさらに選考が通りやすくなるというメリットがあります。
転職エージェントとは:利用に向いている人向いていない人
向いていない人
・自分で応募してすべての採用企業側とのコミュニケーションを自分でとりたい
・交渉など大事な部分を他人に任せたくない
・個人情報を応募する企業ではない第三者に預けたくない
向いている人
・就業しながら転職活動をするので時間がない人
・転職活動に慣れていないため、進め方などが分からない
・自分で条件交渉したくない
転職エージェントとは:最大限活用する5つのポイント
ポイント1:自分にあったコンサルタントを探す
できればなるべく多くの転職エージェントに登録し、多くのキャリアコンサルタントと話してみることをお勧めします。
私自身もそうでしたが良いキャリアコンサルタントは自分のニーズを察知し、マッチング精度の高い案件を紹介してくれます。また、企業側の信頼度も高いのでスムーズに面接が進みます。
このようなコンサルタントに会うと、あなたにとってかけがえのない転職パートナーとなることでしょう。
ポイント2:希望条件ははっきりと伝える
希望条件はできるだけ早い段階でクリアに伝えておきましょう。
マッチングの精度に影響してくるのと、あいまいな条件だと当てはまりそうな案件を無数に送ってくるコンサルタントもいます。
ポイント3:最新の職務経歴書を面談前に提出しておく
職務経歴書は常に最新の状態にしておきましょう。
コンサルタントは経歴の中の経験でマッチングを考えますので、特に直近の経験がマッチしていることは重要となります。
ポイント4:紹介された案件についてのフィードバックを伝える
これをやるやらないで次に紹介される案件のマッチング精度が変わってきます。
また、希望を細かく伝えることで紹介してもらえる案件の数も変わってくるでしょう。
ポイント5:彼らも営業マンだということを理解したうえで付き合う
キャリアコンサルタントもあくまで営業マンですから、入社してもらいたいという思いは少なからずあります。
入社が成果報酬ポイントとなるため、選考が進み内定承諾の際にはクロージングしてくることもありますが、そういった背景を理解して付き合うことが大切です。
転職では人生が左右されるくらいのイベントですので、流されずきちんと自分の意思表示をする必要があります。
転職エージェントについては、こちらの記事もご参考ください。
【2023年版】 外資系転職エージェント・転職サイトおすすめ一覧(業界別)
転職エージェントとは?よくある質問(FAQ)
質問:転職エージェントに登録すると費用はかかりますか?
回答:基本的に転職希望者側に利用料がかかることはありません。採用企業側で採用した場合に成果報酬で費用が支払われます。
質問:転職エージェントで受けれるサービスはどういったものがありますか?
回答:転職エージェントに登録すると、キャリアコンサルタントやキャリアアドバイザーといった人があなたの担当となります。サービス内容には、レジュメの添削、キャリアパスについてのアドバイス、企業の紹介、日程調整、給与交渉などが含まれます。登録時に業界の転職事例、平均転職給与、など情報をくれますのでまずは登録して情報収集から始めてみることをおすすめします。
質問:転職エージェントを利用するメリットは何ですか?
回答:登録すると内定をもらうまでの一連のステップで無料でサポートを受けることができます。また、職務経歴書などの提出書類に関しても書き方のアドバイスをしてくれます。さらには採用企業へ紹介してくれるさいに推薦をしてくれます。個人で応募するよりも書類選考率が上がるので大きなメリットと言えます。
質問:転職エージェントに登録した情報はどのように利用されるのですか?
回答:採用企業への紹介時に職務経歴書と履歴書が提出されます。また、その後も情報はデータベース上に残りますのでマッチした案件が出てきた際には連絡がくることがあります。転職活動をしていなかったり、連絡が欲しくない場合には連絡を止めてもらうように言えば大丈夫です。
質問:複数の転職エージェントを使っても問題ありませんか?
回答:問題ありません。複数の転職エージェントを使ったほうが、応募企業の選択肢が増え、複数内定をもらうこともできます。その場合は転職エージェントが給与交渉などしてくれるので優位に転職活動を進めることができます。気を付ける点としては同じ企業に複数エージェントから応募してしまうことです。
質問:転職エージェントからたくさん紹介が来て困っています。どうすればいいでしょうか?
回答:転職エージェントから必要以上に多くの案件が来ることを防ぐには、希望条件を明確に伝えておくことです。あまり狭めすぎてもいけませんが、希望給与、職種領域やその他の希望を最初の面談で伝えておきましょう。連絡が必要ない場合はメールや電話で今後連絡しないよう伝えましょう。
質問:担当のキャリアコンサルタントと相性がよくありません。変えてもらうことはできるのでしょうか?
回答:そのキャリアコンサルタントのマネージャーに違う担当をつけてもらうよう掛け合ってみましょう。難しい場合は登録を抹消してもらい違う転職エージェントに登録することもできます。コンサルタントも人間なので相性は当然ありますのでいろいろなコンサルタントと話してみましょう。
まとめ
転職エージェントは、あまり干渉されず自分一人の力で転職活動を進めたいという方には必要ないと思いますが、大半の方にとって、日程調整や内定条件の交渉をコンサルタントが代行してやってくれることで非常に効率的に転職活動を行えるようになります。
また、キャリアコンサルタントとの相性もありますので、複数の転職エージェントに登録したりして自分と相性の良いコンサルタントを見つけると良いでしょう。
私は何人か相性の良いコンサルタントに長年お世話になっていますが、自分のことや方向性を理解して動いてくれるので頼もしく感じています。このようなコンサルタントとの出会いはあなたのキャリアのチャンスを広げてくれるので様々な転職エージェントと面談してみて探してみることをお勧めします。
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