転職とキャリア構築

30歳の転職事例と転職パターン別成功のポイント|転職ゲートウェイ

困難を飛び越える

今の会社では頼られるようになったけども、その分タスク量が増えて残業時間も増えてきた人、あるいは転職して業界を思い切って変えたいと思っている人もいるのではないでしょうか。30歳という年代はキャリアにおいてはスペシャリストからさらに経験を深掘りしたり拡張したり、あるいはまだまだ業界や職種を変えて異業界にチャレンジする可能性も残されている年齢です。

一方で、転職市場においては、若手でスキルもありポテンシャルもあるという年齢なのでニーズも高く、多くの声がかかりますが転職の際には慎重にならなければいけません。

この記事では30歳が実際に転職した後の変化や、成功のポイントを見て30代後半につながる転職の参考にしていただければ幸いです。

30歳で実際に転職した人の転職理由

30歳の転職理由

30~34歳で実際に転職した人の転職理由としての1位は「労働条件がよくなかったから(賃金以外」36.7%、次に多いのが「賃金が低かったから」25.5%、3番目に多いのが「会社の将来に不安を感じたから」25.1%となっています。

1位の「労働条件がよくなかったから(賃金以外)」は前後の世代である20代後半世代や30代後半世代と比べても圧倒的に多い理由となっています。

この背景として30代前半という年代は専門性もそれなりに高くなりつつあり、かつ若くて仕事をどんどん任せられる立場であるということが、多くのタスクを抱えてしまい労働時間や残業が非常に多くなってしまっていることが見え隠れします。

30歳で転職した人の転職後の給与変化

30歳の転職後の給与増減

厚生労働省のデータによると30〜34歳層で給与が増加した層は全体で48.6%、変わらなかった層が18.4%減少した層が全体で32.8%となっています。

その中で最も多いのが「1割以上3割未満の給与増加があった」層で27.3%となっており、前後の25〜29歳世代や35〜39歳世代よりも一番高い水準です。その次に高いのが「変わらない」18.4%、3番目に多いのが「1割以上3割未満減少」15.6%という結果となっています。

給与に関しては増加した層が減少した層や変わらなかった層よりも多く約半分を占める結果となっています。30歳は1社〜2社経験という人も多い年代で、ポテンシャルがある世代なので、その辺を買われて給与アップが多いことが反映されていると言えるのではないでしょうか。

30歳で転職した人の転職後の労働条件変化

30歳の転職後の労働条件変化

厚生労働省のデータによると30~34歳層で労働時間の変化が増加した層は全体で32.5%、変わらなかった層が28.1%、減少した層が全体で39.1%となり、全体としては減少した層が増えた層より若干多い状況となりました。

その中で最も多かったのは「変わらない」と答えた28.1%、次に多いのが「1割以上3割未満増加」16.6%、3番目に多かったのが「1割以上3割未満減少」16.1%となっています。

労働時間に関しては、減少した層が増加した層に対して若干多い結果となりました。

30歳という年齢はキャリア的にどういう年齢か

チャレンジ

30歳はキャリアでいうと、社会人としての経験値はそれなりに積みあがってきている年齢です。人によっては、総合職的にいろいろな職種を1社で経験してこれからスペシャリストになりたい、という人もいるでしょうし、すでに1つの専門領域で十分な経験を積んだ人が違う職種あるいは業界にチャレンジしたいという人もいるでしょう。

次に、パターン別に転職に成功するポイントを見ていきたいと思います。

30歳での転職に成功するポイント(パターン別)

30歳で転職する人をよくあるパターンに分けて、それぞれのパターンで成功に必要なポイントを挙げてみました。

30代で専門領域を作りたい人

今まで総合職などの仕事をしてきた人で、30代で特化した専門領域を作りたい人が転職をきっかけにスペシャリストのキャリアを歩むというパターンです。

(転職の成功ポイント)

スペシャリストをさらに深堀したい人

今まで1つの専門領域で仕事をしてきた人が、さらにその専門領域を拡張して経験値を上げ市場価値を上げるようにします。

(転職の成功ポイント)

  • これまでのキャリアから新しい領域を経験したくなったという動機付けをはっきりする
  • LinkedInや転職サイトでどの業界で自分のニーズがあるかの情報収集を行う
  • 専門領域に特化した転職エージェントや転職サイトを利用する

未経験分野にチャレンジしたい

これまでやってきたけども、30代では違う職種に専門性を持ちたい、あるいは業界を変えて経験を積みたいといった未経験領域にチャレンジしたい人のケースです。

30歳で社会人としての経験値があれば職種を変更することも不可能ではありません。それでも未経験領域のため選択肢は限られますがその辺を理解したうえで転職に臨みます。

ベンチャー企業などタスクは多岐に渡る可能性もありますが、入り口として経験したい職種に従事できる会社を中心に選ぶことはできるでしょう。

(転職の成功ポイント)

  • 未経験領域でも入りやすい企業をリサーチする
  • ベンチャーなどの比較的入りやすい企業特化のエージェントに登録する
  • 新しい領域に行く熱意の証明となるものを準備する(資格や個人での実績があれば)

転職自体が未経験の人

チャレンジ

これまで新卒から1社に勤めてきたという人もいるのではないでしょうか。転職に至る目的を明確にして、大体の要件を固めておきましょう。

(転職成功のポイント)

  • 転職での目的の明確にし、希望条件を考える
  • 信頼できる転職エージェントに登録する 

※特に転職が初めての方にとっては、職務経歴書の作りこみ方〜面接の想定質問のシミュレーションなど、とても勉強になるので、何社か登録してみて相性の合うコンサルタントに相談してみましょう。

→転職エージェントについての詳細は以下の記事もご参考ください

30歳で転職回数が多い人が注意するポイント

30歳でなかなか良い会社に巡り合わず転職回数を3回4回と重ねてしまったという人もいるでしょう。

そのような方も次の職場では定着して長く働きたいと思っているに違いありません。そういう人に向けた転職のポイントをまとめてみました。

自分の強みを棚卸する

職場の環境にかかわる部分のあなたの強みについて考えてみましょう。一例を以下に挙げてみました。

  • 得意な人のタイプ
  • 職場の文化
  • 働き方

自分の強みというのはスキルだけでなくいろいろとあります。この辺を整理し自分にあった職場環境を改めて考えてみましょう。

強みにあった職場に巡り合うと、フィットしない職場に比べてパフォーマンスも大きく変わってきます。探す際には転職エージェントなど客観的にあなたに合う職場を見つけてくれる第三者にお願いすることも良いでしょう。

職務経歴書に一貫性を持たせる

転々としていたとしても、束で考えて一つのキャリアとして見えるようにします。例えば飲食店の立ち上げ、イベントのエージェンシーでの営業、ECサイトの運営など一見バラバラに見える経験に一貫性を持たせるには、「企画力」というキーワードでつなげることができるかもしれません。

あくまで自分の強みに基づき、キャリアを模索していたという点を線でつなげることを意識しましょう。

主体性をもって転職したことを強調する

あくまで経験を積みたくて自分の意思をもって転職してきたということを説明できるようにしておきましょう。Aの経験を積んだから次にBの経験を積みたかった、とストーリーにするとベストでしょう。

一番印象が悪くなってしまうのは、外部環境のせいや、周りの人間とうまくいかず転職を繰り返してきたと言うことです。

転職回数の多い方は、こちらの記事も詳細をまとめていますのでぜひ参考にしてください→「転職回数の多さを不利にしない4つの方法

困難を飛び越える

まとめ

30歳はいよいよこれからキャリアを本格的に形成するというまだまだ可能性に満ち溢れた年代です。スペシャリストとしてさらに深堀し幅を広げるか、あるいは業界や職種を変え思い切っていまのうちにリスクを取っておくことも中長期で考えると必要なことかもしれません。

条件の良いオファーも多くある中ですが、一時的な誘惑にかられるのではなく、あくまで30代後半〜40代までキャリアを見据えたうえで計画的に次のキャリアの選択をしましょう。