キャリアデザイン

20代での転職は難しい?転職にベストなタイミングについて

キャリア初期

20代は社会人になってからはじめて転職を考える人も多い世代。転職が難しくなるケースもありますが、多くの可能性を秘めている20代は企業に求められている世代です。未経験領域でのポテンシャル採用、キャリアアップ採用、いろんな可能性があります。

20代でのキャリア経験がその後40年以上のキャリアを決めるとも言えます。将来のキャリア形成のためにタイミングや転職を確実なものにする方法を書きました。ぜひご参考にしてください。

20代の転職が難しくなるケースは?

短期間で転職を繰り返している

1年前後や非常に短い期間で転職を繰り返してしまっている人はネガティブ要因での転職を繰り返していると見られ印象が悪くなり転職が難しくなります。目安として20代で3回までにとどめておいた方が良いでしょう。

基本的に1転職につき1目的ということをきちんと達成したうえで転職を繰り返していれば短くてもそこまで問題にはなりません。

やりたいことや価値観が分かっていない

やりたいことが分かっていないのは、自己分析ができていないからです。キャリア初期はやりたいことが分からない場合も多いですが、嫌いなことや苦手なことは最低限やらないという最低限の選択はできます。

そのように絞った選択肢の中で自分の心うごく仕事などにチャレンジしてみることが大事です。決してやりたいことが分からないからと言って世間的な評判や、他人の評価で働く先や仕事を決めてはいけません。それは自分自身の選択とは言えませんし、長い目で見て充実したキャリアとさせることは困難になるでしょう。

転職の目的がない

目標設定

周りが3年で辞めているから、とか、今の仕事に飽きたなどで辞めてしまうと志望動機に妥当性がないとみなされ当然次の転職先は見つかりにくくなります。

きちんと自己分析をしたうえで、どこを目指しているのか。そのためには今どういった仕事がしたいのか、といった目的を明確にして取り組むべきでしょう。

実績を出さずに辞めてしまっている

実績を出す前に辞めてしまうと辞め癖がついてしまいます。スキルも身につかないまま次の転職先を探すことは困難になります。

まずは今の職場で自分がまかせられた仕事上で実績を出すということを目標にしましょう。その目標が達成できてから辞めることを心掛けると次の目標が見つかり、転職へのモチベーションも高くなり良いサイクルができます。

情報がない中孤独に転職活動をしている

転職市場がどのような状況かを知るには、LinkedinのようなビジネスSNSやビジネス系メディアで情報収集をしたり、転職エージェントと関係性を作っていろいろと情報収集してみることです。何も分からない中で転職を進めても、自分の市場価値やどのような会社にニーズがあるかというのは分かりません。

20代転職でベストなタイミングは?

社会人としての基盤ができた時点

20代は社会人としてスタートして右も左も分からない中配属されます。そこで仕事の仕方や組織の在り方などとにかく何もかもがはじめてで社会人として様々なことを学ぶ時期です。

自分のスキルを磨くこともそうですが、まずはじっくりと腰を据えて社会人としての総合的なスキルや作法を学ぶことを目標にしましょう。その多くは周りとのコミュニケーションの取り方や仕事の進め方になります。スポーツでもそうですが、この基礎ができているかできていないかによって、後の社会人としてのスキルアップのスピードに大きく影響してきます。

人によってはそれが2年でできる人もいますし5年かかる人もいます。何か緊急な理由がない限りは一通りの仕事を自分がこなせるようになってということを目安として良いでしょう。

次の目標が見つかったタイミング

一通り社会人としてのスキルを身に着け、仕事をこなしていると、ほとんどの人が将来のキャリアについて考えると思います。

今の仕事の延長でこういうことがしたい、あるいは、他の部署のようなこんな仕事がしたい。このような目標が出てきて、今の職場で実現が難しい場合は、転職を検討するタイミングと言えます。

ただし、あくまでその目的がクリアになった場合に転職は検討しましょう。また、自分がやりたいと思っていることが転職によって実現可能なのか、市場にそのようなニーズはあるのかなどの事前調査は、転職エージェントや求人サイトを使い行っておきましょう。

やりたい仕事が分かった時

今の仕事をしている中でこのような仕事がやりたい、という仕事がみつかったら転職のタイミングかもしれません。一時的に隣の芝が青く見えるという効果のせいかもしれませんので、まずは興味を持っているその分野についての研究や可能であれば教育を受け、本当に興味を持てるかどうか検討しましょう。

無計画に退職してしまうのは次の転職を不利にしてしまうので、ある程度のめどが立ってから転職することが望ましいでしょう。

20代はどういう理由で転職してるの?

20代の人々の退職理由にはどういうものがあるのでしょうか。ここでは、厚生労働省の退職理由に関する調査データをもとに、20代前半と後半に分けて主な退職理由を比較してみました。

20代退職理由
出典:厚生労働省令和2年転職者実態調査の概況

20代前半の転職理由トップ3

20代前半の退職理由トップ3は以下の通りとなっています。

  1. 人間関係がうまくいかなかったから(38.4%)
  2. いろいろな会社で経験を積みたいから(27.6%)
  3. 満足のいく仕事内容でなかったから(25.2%)

「人間関係がうまくいかなかったから」という理由が最も多く、次にいろいろな会社で経験を積みたいや満足のいく仕事内容でなかったからというものが2位にきています。

20代後半の転職理由トップ3

続いて、20代後半の退職理由トップ3は以下の通りとなっています。

  1. 満足のいく仕事内容でなかったから(31.4%)
  2. 賃金低かったから(31.3%)
  3. 労働条件(賃金以外)が良くなかったから(25.5%)

20代後半では「満足のいく仕事内容ではなかったから」が1位ですがほぼ同率で「賃金が低かったから」が2位「労働条件(賃金以外)が良くなかったから」が3位にきています。

20代前半と20代後半の転職理由の違い

このデータから言えるのは、20代前半は社会に出て間もないため人間関係に馴染めない、自分にあった仕事や環境を探したいという傾向が見え隠れしています。

一方で20代後半は、満足のいく仕事内容でなかったからという理由や賃金低かったからという理由が上位を占めていることからキャリアアップのための転職を考える人が増えているのではないかと推察できるでしょう。

20代前半と後半で転職の仕方はどう違うのか?

キャリア初期

20代前半

 初めての社会人経験となる人も多く、会社という組織体のルールや、仕事の仕方が分からない時期です。

まずはじっくりと仕事に取り組む気持ちで1社で働いて、社会人としての標準スキルを身に着けるとともに、自分には何が向いている何が向いていない、などを見極める時期にすることが必要です。

よほど「この仕事は自分には間違いなく向いてない」という仕事でない限りは短期離職は避けた方が良いです。1年で辞めるのと3年で辞めるのとでは後の転職の際の印象が大きく変わります。

また、人間関係による離職が非常に高い年代です。自分が人間関係がうまくいかない場合は理由を考えてみましょう。それは複数人でしょうか、あるいはある特定の人との人間関係がうまくいかないのか、仕事を進めるうえで致命的なものでしょうか。

人間だれしも苦手なタイプの人間はいます。どの職場にいっても、一定の確率で自分に合わない人がいるのが社会です。自分の目的が達成できるのであれば割り切って仕事ができるかどうかも考えてみましょう。

20代後半

 20代後半となるとある分野で経験を積むと世間的にはビジネスパーソンとしてみられるようになります。転職市場でも20代後半はニーズも高く、専門分野でのキャリアアップはもちろんのこと未経験分野のポテンシャル採用もまだまだ可能な時期です。

この仕事をやり続けたいと思った人は現職の会社にいるのもよいでしょう。あるいは仕事を進めていく中で次の目標が出てきたら転職を選択肢にするのも良いでしょう。「もっと裁量権を持たせてもらえる仕事がやりたい。」「もう少し消費者に近い立場の仕事がしたい」など目標が出てきてさらにスキルが磨ける場所を探すのが、キャリアアップ転職のタイミングです。

目的が伴った転職は理想的な転職です。転職の際には市場ではどういったスキルが求められているか情報収集する癖をつけておきましょう。キャリア初期から良いエージェントに出会うと長期的なキャリアのパートナーとして力になってくれるでしょう。そのような人との出会いがチャンスをもたらしてくれます。

20代後半の転職がキャリアで重要な理由

20代後半での転職はとても重要な意味を持ってきます。転職先の内容がその次の転職で行く先をある程度決めるので、できる限りキャリアパスを描いたうえで、今転職するべき目的をクリアにしておきましょう。転職の目的には以下のような目的があります。

  • 専門性を深掘りする
  • ベンチャー企業で裁量権の大きい仕事をする
  • 大企業でスケールの大きな仕事をする

たとえばある程度営業スキルを1社目で培った人は、その会社では実現できなかった、さらに多くの人を動かし規模間の大きなことをする営業職を希望するかもしれません。

今転職するべき目的は、その次のステップで実現したいことにも関連してきます。中長期で見て今の目的を考えておきましょう。

20代後半で持っていたいスキルや資格

Skills

20代の転職の可能性を広げるためには、以下のようなスキルや資格があると様々な選択肢が生まれます。もちろん、自分が興味のある分野や目的によって習得するべきかどうか変わりますので、ご参考までに。

  • 専門分野となるコアスキル一つ
  • 語学力(英語、中国語など)
  • ソフトスキル-(コミュニケーション能力、プレゼンスキル、プロジェクトマネージメントスキル、チームマネージメントスキル)など
  • MBA

20代で今後のキャリアの準備をしておく

キャリアパスを描いておく

まだぼんやりとしているとしても、キャリアの全体像を考えておきましょう。最終的なゴールでどういった自分になりたいのか、そのためには、いつどのような経験が必要になるのかを考えておきましょう。もちろんキャリアを進めていく中で軌道修正などは必要ですが、全体的な道しるべとなるでしょう。

SNSや転職サイトなどに登録しておく

Linkedinや転職サイトに登録しておくと、様々な企業や仕事内容があることが分かります。転職市場はどのようなトレンドで、どういった人材のニーズがあるのか、そのような情報が登録するだけで集まってきます。

転職エージェントと関係を作っておく

キャリアにおいて一人孤独に転職活動を行うことはリスクです。一人で情報収集をし、提出物の準備をし、日程調整を行い、最終的な条件交渉をしなければいけません。

転職エージェントに登録すれば無料でアドバイスや採用企業との調整を行ってくれます。また、相性の良いコンサルタントに出会うと、長く付き合うことができます。

チャンスは人がもってきてくれるものですのでキャリアの早い段階から良いコンサルタントを吟味して、出会っておくと良いでしょう。

転職エージェントについてはこちらの記事もご参考ください→「転職エージェントとは?利用するメリットデメリットも解説

まとめ ~20代は市場から求められている~

20代は輝かしいポテンシャルを持つ世代で転職市場でも求められています。多くの企業からニーズもありますが、どの機会を取るべきかは慎重に選ぶべきです。

20代で選択したキャリアがその先数十年のキャリアに影響してきます。いろいろな企業から誘いがあるからといってあてもなく転職を繰り返してしまうとキャリアに影響が出てきます。

ぼんやりとでも良いのでキャリアの全体像を描きつつ、そのステップを一歩一歩進んでいくような目的にある転職を行い確実なキャリア形成を行っていきましょう。