転職2回目になる人にとって、1回目と比べてどういう転職が理想的なのでしょうか?
結論から言うと、年代ごとに2回目の目的や転職に成功する秘訣は異なります。20代、30代40代、それぞれに次のステップが異なるため、目的に応じた転職にしなければいけません。
この記事では、20代前半後半、30代、40代それぞれに向け、2回目の転職で気をつける点を書きました。ご参考になれば幸いです。
転職2回目の人って採用側から見るとどうなの?
こちらのデータは、採用関係者から見た「候補者の転職回数を何回から気にするか」のデータになります。2回の転職が影響していると思われる割合は、20代が一番多く22.3%となっています。
また、2回目の転職活動の際には、まだ過去1回しか転職していないので、転職1回を気にする採用側を見ると、20代が10.7%、30代6.8%、40代3.9%となっています。
20代前半で2回目の転職に成功する方法
在籍期間が1、2年未満で3社目になるという人もいるでしょう。そのような人はまずそもそもの自己分析ができていない可能性があります。
まずは、以下のように自分自身について理解を深めることを強くおすすめします。
自分の強みや適性を改めて理解する
短い期間で転職している人は特に、自分が何に向いているのか、強みや適性について考え直してみると良いです。
私の知り合いで、内向的な人で分析や観察力に長けている人がいたのですが、新卒で入った会社で新規開拓営業をやっていました。客観的に先述した彼の強みに対してすごく違和感を感じました。すると、ほどなくして彼は分析系を主とするリサーチ会社にリサーチャーとして転職しました。この時は違和感はまったく感じませんでした。
このように、自分では認識していない、あるいは重要ではないと思っていることが強みであるケースもあり間違った職能を選んでしまうケースもあります。
家族や身近な知り合いに自分が得意なことが何か聞いてみましょう。意外な答えが返ってきます。
何人かに聞いて共通点などあればそれは間違いなくあなたの強みですので、そこを生かしていく選択肢を考えるべきでしょう。
また、強みというと突出した部分を考えがちですが、「人よりも自然にできてしまうこと」「ストレスを感じないこと」を考えるほうがじつは見つけやすいこともあります。気づいていない強みを顕在化するようなアプローチもとってみましょう。
仕事を選ぶ基準を考えなおす
強みや適性も重要ですが、それ以上に大切なのが「価値観」です。自分は人生で仕事にどれくらい重きを置いているのか、どういう将来像が理想的なのか、など考えてみましょう。
場合によっては、仕事は生活の手段以上のものではない、という人もいるでしょうし、仕事をステップアップしていって、あるいは将来独立したいといった目標を持つ人もいるでしょう。
それぞれの場合に、「今、会社でつとめる目的は何か?」を考えなおし、給料が重要なのか、ワークライフバランスが重要なのか、あるいは職場の人が重要なのかリストアップして優先順位を考えてみましょう。正解はあなたにしか分かりません。このプロセスを怠ると選択基準を誤ってしまうので、ぜひ実行していただきたい部分です。
うまく働ける環境を考えてみる
上記で自分の強みや適性を考えることの重要性について話しましたが、自分の職能だけでなく自分にとって「どういった人が得意なのか」「どんな環境が働きやすいのか」を考えることも重要です。
特に人のタイプには(男性女性、年齢、内向的、外交的など)など様々あります。これを考えるには、自分がどういった環境で育ったかまでさかのぼって考える必要があります。
このような質問で自分の歴史を振り返ることもヒントになるでしょう。「どんな人とよく遊んでいましたか?」「一番輝いていた時期に誰に向かって、周りに誰がいましたか?」
一緒に働く人が苦手なタイプの場合、非常にストレスの多い毎日になってしまいます。また、自分を取り巻くチーム環境についても同じことが言えます。大人数のチームワークが得意なのか、少数精鋭で結果を出したいのか。
そこも自分にはどちらに適性があるかないかで考えてみましょう。
20代後半で2回目の転職に成功する方法
20代後半で転職が2回目となる人は、キャリアアップやキャリアチェンジの目的さえ明確にしていれば転職も問題なくできます。
注意しなければいけないのは、20代後半は社会人としての経験も持っていて、ポテンシャルもまだまだある年齢であることから市場ニーズが非常に高いことです。
様々な企業から声がかかることもあるので、誘惑に流されないよう転職においての明確な目的意識を持つ必要があります。
そのためにも転職活動に臨む前に目的分析をしっかりしておきましょう。
前職での経験が生かせているか
これまで行ってきた専門性をそのまま伸ばしていくと決めた人は、これまでの経験の専門性を高めるような転職の方向性が良いです。専門性を深掘りするのか、あるいは業界を変えてどんな商材でも通用するように専門性を広げていきたいのか、軸となる専門性は変えないようにしましょう。
給料アップだけを目的としない
20代後半の人は特に、給与を上げたくて転職する人が比較的多い世代です。しかし、市場価値というのは最終的には、適正化されます。それだけを目的とするのではなく、あくまでキャリアで実現したいことを目的とした転職をするべきでしょう。を記事→「」
職種を変える場合
やっぱりこの仕事も違ったなと考え、職種を変える転職をする場合、3度目の未経験分野へのチャレンジとなります。この場合は、2回未経験分野の仕事が続かなかったという印象を与えないためにも、分野は違えどそれぞれの経験ありきで今回のチャレンジに結び付いたことを伝えるようにしましょう。
30代が2回目の転職に成功する方法
20代で培った専門性にプラスとなる経験やスキルを身につける
20代で一つの職種で専門性を高めてきた人は、その専門性の軸は変えずに、「マネジメント(管理職)」という経験やスキルは市場価値を高めてくれるでしょう。あるいは市場価値を高めるようなリーダーシップが経験できる転職は理想的です。
例えば同じ専門性の範囲で新規で何かを生み出すような機会や、チームを作り直すといった多くの意思決定が必要となる経験などです。
さらに30代では、マネジメントを目指すのかスペシャリストとしての道を歩むのかの分岐点とも言えます。チームで大きなことを達成したいのか、個人でエキスパートになりたいのか、方向性を考えた転職をするべきでしょう。
次のキャリアへ向けて必要な転職か
30代転職で失敗しがちな転職は、今の仕事に慣れてしまって変化や刺激を求めて転職してしまうことです。転職する時は明確な目的ができてはじめて転職を検討しましょう。
また、家庭ができて家計にゆとりがもちたいという場合も、給与アップだけを目的とするのではなく、キャリア構築に必要な経験ができるということを目的とするべきです。
今、給料を上げるのではなく、将来給料が上がるであろう「経験」を優先しましょう。
40代を見据えた経験を目的にする
目先の利益に捉われた転職は長続きしません。できるかぎり中長期的な視野を持ち転職を行うべきです。
40代で部長になりたい人は30代でチームマネージの経験が必要でしょうし、40代でグローバルに働きたいという人は、英語力を習得してビジネスレベルの英語力を業務で培う必要があります。
このように、40代で目標とすることを達成できるような経験を転職の目的としましょう。
40代が2回目の転職に成功する方法
独自性の高いポジションを選ぶ
40代で転職回数が少ない人にとって、環境がガラッと変わることは大きなリスクとなります。特に家庭のある方や、周りに犠牲になりうる人がいるケースも多い事でしょう。
また、マネジメントの役割を期待され、スライドで入る上司というのは、よほどのフィット感がないと何かと入社後にチームメンバーとのハレーションも起こる可能性があります。そこで、そのリスクに見合うほど、自分が求められている人間かを考える必要があります。
自分が入社して期待されることが「社運が変わるくらいのインパクトがある」あるいは「会社全体がやることを支援してくれる」くらいのものであれば検討の価値があるでしょう。
例を挙げると、新部署の立ち上げ、新規事業の立ち上げなどです。どれくらい会社に望まれているかがそのリスクに見合っているかを判断する材料として良いでしょう。
それくらいのニーズがある程度ある会社から誘いを受けるためには、スカウトサイトなどに登録しておき、豊富な機会を見ることが大切です。
ビズリーチなどのスカウトサイトでは、ヘッドハンターが候補者を日々探していますから、ある程度スキル的に要件を満たしている方にしか声はかかりません。よって、あなたが求められている会社である確率は一定上がります。
おすすめスカウトサイト
ビズリーチ
ビズリーチは多くのヘッドハンターや採用企業関係者が集まる日本最大級のスカウトサイトです。あなたに声をかけてくるヘッドハンターや採用企業は、ニーズとマッチしているから声をかけてきますので就業確率が高いです。
外資系企業が希望であればその旨書いておきましょう。英文で経歴を載せておくこともできます。効率よく、そして、自分にあった案件に出会いたいのであればまずはビズリーチへの登録はおすすめします。
転職サイトの【BIZREACH(ビズリーチ)】の公式サイトを見る
リクルートダイレクトスカウト
リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)も基本的には、ビズリーチと同じスカウトサイトとなります。
私の感覚ですと、ビズリーチよりも日系案件が多いですが、ここでも外資系企業希望だと記載しておけばマッチした案件を持ったヘッドハンターから声がかかります。
まだ、ビズリーチに比べて転職希望者が少ないので競合度は低いかもしれません。
人とのつながりで転職
40代では転職におけるリスクを最小限にとどめたいです。そのためには、知り合いの紹介で転職する(リファーラル採用)というのも選択肢に入れておきましょう。
リファーラル採用は、採用側にとって高いコストもかかりませんし、すでにいる社員からの紹介なので、一定の信用がすでにあるため採用側、候補者にとってWin-winと言えます。
またあなたの知人や友人からの紹介であれば、その会社についての疑問点があれば色々と納得するまで質問もできます。比較的余裕をもった転職活動を行えることもメリットでしょう。
環境変化の場合は優先順位を考える
40代では家族を優先する中で転職しなければいけないケースも出てくるでしょう。例えば、子供の学校教育のために引っ越しが必要といった場合です。
この場合に気を付けなければいけないのは、子供のために引っ越しさえできればどんな職場でもよいのではなく、最低限次の職場にゆずれない部分を言語化しておくことです。
家族を優先とするばかりに、本来の自分にあった環境を考えることを怠り自分自身にストレスの多い日々になり、結果的に家庭にも影響が出てしまうというのは本末転倒です。
最低限の自分に合った条件や譲れる部分、譲れない部分は言語化しておくべきでしょう。
転職2回目でやってはいけないこと
1回目と2回目の転職理由が同じネガティブ理由
1回目に人間関係で退職、2回目でも同じ人間関係で辞める人は自分に何か問題がある可能性があります。高確率で3回目の職場でも同じことを繰り返してしまうでしょう。
ネガティブな退職理由の場合、次の転職の際の面接では言わないにしても自分で認識しておくべきです。そして、何が原因で、どうやったら同じことを繰り返さないかを認識しておきましょう。
目的が1社目2社目の経験とつながっていない
理想的なのは、たとえ方向転換するとしても、1社目2社目の経験から学んだことをベースに3社目を選ぶような流れを見せるべきです。。
それが、たとえ職種変更する場合だとしても、新しい職種に行きたい理由は、何かしら1社目2社目の経験とつながっているはずです。
例えば、私の場合、営業からマーケティングという職種に変更しました。
その理由は、「クライアントのビジネスがマーケティング戦略によって成長したことを知りマーケティングのインパクトを学びました。企画が好きだった営業職の私はマーケティング側で企画をすればもっとインパクトが出せると思ったからマーケティング職を志願しました。」といった具合です。
180度違う方向へ転換したとしても、そこにたどり着くまでの自分自身の転機となる経験や思考の流れがあると思います。その流れをきちんと説明できるようにしておきましょう。
目的がキャリアと関係ない
これは何も2回目に限ったことではありませんが、目的がない転職は先を見据えたときにプラスになりません。転職の基本的な理由は、よほどの事情でない限りはキャリア構築のためのものであるべきです。
キャリアの目的には「新しいスキルを身につける」「市場価値の上がる経験をする」などがあります。人間は、一時的なネガティブ要因から逃げるため、目先の利益に捉われることが多く長い目で見たときの目的を見失いがちです。
しっかりと自分のキャリアを長期的視野でとらえ、今とるべき選択を取りましょう。
転職2回目で成功する秘訣とは?まとめ
転職2回目にかぎらず、目的に沿っていない転職や、目的が明確ではない一時的な誘惑やネガティブ要因から逃げるように転職してしまう、ということは起こりうることです。
こういった良くない形での転職を未然に防ぐため、しっかりキャリアパスを描き、次の年代を見据えたうえで転職の目的を明確にしましょう。
そして、自分が描くキャリアパスが一本の線となり、過去の経験が今の自分の価値を上げ、今の経験が未来の自分の価値を上げるような転職こそが良い転職と言えます。
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