「一度はグローバル企業で働いてみたい」という人や「グローバル企業ってそもそも定義はなんなの?」という人のために、グローバル企業のメリットやデメリットやグローバル企業の定義について説明します。
これから国際的に活躍したい人はぜひご活用ください。
グローバル企業の定義
グローバル企業(=Global Company)とは、その企業が設立された本国以外の複数の外国に拠点を持ちビジネスを展開している企業の総称となります。
グローバル企業ではそれぞれの国に支社があり、それぞれの国の会社が独立して成り立っています。そのため、重要な意思決定もある程度はローカル側に任されビジネスが管理・運営されます。
その国の意思決定にどの程度まで介在するかは企業によって違いますが、一般的に全世界で見たときに売り上げ高が高い地域は比較的ビジネスの方針も全体的に任される傾向です。
日系グローバル企業一例
・トヨタ自動車
・任天堂
・ファーストリテイリング
・楽天
・リクルートホールディングスなど
外資系グローバル企業一例
・Googleジャパン
・P&Gジャパン
・アマゾンジャパン
・ゴールドマン・サックスジャパン
・KPMGコンサルティングなど
グローバル企業と外資系企業との違い
外資系企業(=Foreign Owned Enterprise)とは日本以外の外国に本社があり、諸外国に拠点を置きビジネスを展開する企業のことです。日本でもトヨタのような企業は米国から見たら外資系企業です。
生産が伴う外資系企業では、コスト合理化のため工場機能だけ東南アジアに置くこともあります。
また、顧客対応のコールセンターも賃金が安くかつ英語が共通言語である国に構えることもあります。
グローバル企業と国際企業との違い
国際企業(=International Company) とは本社が設立された国以外の国でも販売を行うが、ビジネスの意思決定や開発などの基本的な機能などは本国にある企業のことを指します。他国に支社設立などの投資は行わないことが特徴です。
国際企業は、あくまで本国でビジネスの意思決定を行うため、全世界の部材費やコストなどを一括管理やスケールメリットを生かして合理化することができます。
また、ブランドイメージが統一される一方で、ローカルに適応した表現がされず、顧客が理解に苦しむ場面もあります。
グローバル企業と多国籍企業との違い
多国籍企業(=Multinational Company)はすべてのビジネス展開している国で商品開発、生産、流通などすべての機能を置き、その国で完結できるような展開をしている企業のことを指します。
国際企業とは違い基本的にはローカル側に意思決定を委ねていることも多く、ブランドという観点では統一感がなくなるので、グローバルでの認知といった部分では問題を抱えることもあります。
グローバル企業で働くデメリットとは?
異国文化に適応できない人には厳しい環境
グローバル企業では様々な国の出身者が働いています。
彼らと交わり、時に文化の違いを認めながらも仕事をしなければいけない側面もあります。異文化にアレルギーがある人はストレスを感じることになるでしょう。
実力主義の一面がある(特に外資系)
特に外資系などの企業では、個人個人に課せられたKPIがあり、その達成具合によって個人の評価が明確にされます。
厳しいコンサルティング業界ではUP or OUT (昇進さもなくば退場)という言葉もあるくらいなので、KPIに対する意識は必要となってきます。
この辺は本国の文化やビジネスの状況によっても変わります。
専門性によって仕事が分かれている
日本のように一人の人が多くの業務領域を兼任するというより一つの専門性に基づいた仕事の仕方が多いのがグローバル企業の特徴です。
グローバルでは会社の看板で仕事をするのではなく、個人の専門性の高さで仕事をすることが一般的です。よって、専門分野に分かれた組織形態となっていることが通常です。
グローバル企業で働くメリットとは?
海外の人と仕事をして身に付くスキル
様々な国の人と仕事をするスキルが身に付きます。他のグローバル企業でも働くことができるようになることは大きなメリットでしょう。
ビジネスレベルの語学力が身に付く
グローバル企業などの英語が主要言語の企業では、英語を使わなければ業務が成り立ちません。ビジネスで通用するレベルの英語は使えるようになることは、どの国でどんな人とも仕事ができる語学力習得はあなたのキャリアの幅を広げてくれます。語学力を生かしたい人にとっては、グローバル企業ならではのメリットです。
国際社会の中で自分自身を理解することができる
グローバル企業で多国籍出身の人々と働くことにより、日本人としての自分の強みを理解することができます。一般的に日本人は真面目で仕事が丁寧ですが、そういった側面を外国の人との比較により改めて知ることができるのも、グローバル企業のメリットです。
給与条件が良い
グローバル企業は、多国籍にビジネスを展開しているので、利益も1カ国でやっている企業にくらべるとスケールも大きくビジネスの総利益も大きいです。そのため、一般的に外資系企業やグローバル企業は給与も高くなります。これも、グローバル企業で働くメリットです。
外資系企業の給与が良いのは、こういった理由でグローバルが定める給与水準があるということや、福利厚生や退職金がないことなどの理由もあります。
専門性が身に付く
グローバル企業で働くには、明確な専門性を持ち、その専門性をユニークなものにしていかなければいけません。社内でも〇〇の専門家として知られるようになります。
このような働き方は日本企業にはない、グローバル企業ならではのメリットです。
グローバル企業で働くことで身に付くスキル
グローバル企業は文化や求められるスキルなど、日系企業と異なる部分が多く、グローバル企業で働くことで身につく事は多くあるはずです。これこそが、グローバル企業で働くメリットです。
コミュニケーション能力
グローバル企業では様々な国の人とコミュニケーションを取る必要がありますので、単に英語が喋れるというだけではなく、きちんと業務が円滑に進むようなコミュニケションを取る必要があります。
また、会議でのプレゼンテーションやTeamsなどのオンラインでのミーティングなど全般的なコミュニケーションスキルが求められます。
柔軟性(適応能力)
グローバル企業では、日本とは違う慣習に従わなければいけないことも多々あります。本国の慣習や、周りで一緒に働く従業員の文化が日本とは違います。
異文化にも馴染んで、自分自身の業務をきちんと英語を使って柔軟に推進できる人が求められますし、グローバルで活躍できる人材といえるでしょう。
数字や売り上げに対する意識
グローバル企業では、様々な文化や言語を話す人が働いていますが、数字はビジネス上の共通言語といっても過言ではありません。数字をベースに会話をすることが一般的です。
特に外資系企業は日本の売り上げに非常にシビアな企業も多く、ビジネスの最終的な売り上げに紐づく各部署のKPIを数字で管理しているところも少なくありません。よって、数字に強くなることは必然です。
個人の責任感
上述したとおり、グローバル企業では基本的には専門家の集まりです。
一人一人の役割やKPIが明確に設定されているケースも多く、そのため個人の責任範囲が分かりやすいので個人レベルで生産性を上げ、責任感もって任務を遂行しなければいけません。
また、典型的なジョブローテーションを行うような大手日系企業とは違う働き方なので、専門性を高めることができます。
主体性が身に付く
自分の専門性に基づいて主体性持って動いている人が多いです。キャリアにおける目的が明確な人も多いです。
年功序列・終身雇用制度が主だった日本ではこういったマインドはなかなか醸成しにくい現実がありましたが、グローバル企業では、自分自身で仕事を切り開いていけるような人が活躍できる人です。
自分をアピールする能力
多国籍のメンバーが多い企業では、自分がやった仕事や成果を自分でアピールしなければいけません。どうやってアピールするかもコミュニケーションスキルの一つです。
他の人が率先してあなたを見に来てくれるわけではありませんので、自分からアピールしていく能力は重要でしょう。
グローバル企業は増えている
グローバル企業は増え続けています。その代表的な理由としてはインターネットの普及により市場が大きくなったり、クラウド化やEC展開により、他国への進出が容易になったことが挙げられます。
また、かつては国内で成長した大企業が海外にもビジネスを展開する、といった状況が一般的でしたが、昨今では、立ち上げたばかりのスタートアップやベンチャー企業でもデジタル技術で進出が可能になり、そのような例も増え続けています。
今後もこのような状況を利用してグローバル企業は増えていくでしょう。グローバル化する市場の中で自分の専門分野を明確にし、スキルを磨いていくことが次世代のビジネスパーソンのスキルとして必須要件となっていきます。
まとめ ~グローバルに働く人材が求めれる~
グローバル企業で働くメリットはたくさんあります。何より様々な文化の人々と関わることで様々な価値観や文化を知ることができ視野が広がります。
そういった環境の中では、日本人としての自分の強みや能力を意識することになるので、より自分自身のアイデンティティに基づいた個性を発揮することが出来るようになるでしょう。
グローバル企業はメリットがたくさんあります。今後語学を生かしたり、グローバルに活躍したい人にとっては、グローバル企業で働くことはその先のキャリアにも影響するメリットとなるでしょう。
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