転職とキャリア構築

転職の難易度を状況別に解説(大手、中小、未経験領域など)

ランク付け

どういった人にも転職する際には一定のハードルがあります。一人ひとり状況によって転職の難易度は変わりますが、ハードルを乗り越えて次の職場で輝かしいキャリアを送ったり、一変して活躍するようになる人もいます。

今回は、様々な状況別に転職の難易度をまとめてみました。これは私自身が転職を重ねてきたキャリアの経験やエージェントとの会話、採用面接官として多くの候補者を見てきた経験から書いたものです。ぜひご自分の状況と照らし合わせてご参考にしていただければ幸いです。

企業の特徴別難易度ランキング

ここでは、企業の特徴別に難易度をまとめました。この難易度は、同じ条件の候補者が応募した場合、どの程度の難易度になるかを最大5つの★マークでランキングしています。

大手上場企業 難易度:★★★


大手上場企業は有名企業であればあるほど人気です。候補者からの応募件数も多いため一定の採用条件でふるいにかけているパターンも多いです。

採用プロセスも書類選考などは採用代行にお願いしているケースもあるくらいです。大手上場企業でも比較的伝統的な製造業などは、一定の必要とされているIT系の技術などがあれば難易度は低くなります。

特にデジタル化やDXといった世の中のトレンド分野のスキルを持っている人は入りやすいでしょう。

給与が良い企業 難易度:★★★★


キーエンスなど給与が高いと言われる企業は人気が高く難易度も高いです。競争倍率も高いですし、綿密な採用プロセスが想定されるので、チャンスがあった場合は十分に企業研究を行っておきましょう。

人気ブランド 難易度:★★★★★

NIKEなどのスポーツブランドなどに代表されるコアなファンが多いブランド企業は応募が殺到します。買い手市場の企業は常に競争が激しく、狭き門です。

特に良い関係性を持っているエージェントを探したりして糸口を見つけることや、知り合いのつてなどでリファーラル(社員紹介)から入ることが手掛かりとなるかもしれません。

少数精鋭企業 難易度:★★★★

チーム

少数精鋭企業は例えば某メーカーの専属クリエイティブエージェンシーは非常に高いクリエイティブで有名ですが、デザイナーだったりクリエイティブディレクター一人一人の能力が非常に高いことが特徴です。

厳格な選考プロセスを経て実力を見定められるため難易度は高くなります。

パターン別転職難易度ランキング(企業間)

大手企業→大手企業 難易度★★

大手企業間の転職は比較的難易度は高くありません。じつは大手企業で働いていたという実績は、候補者の信用になりますので、今まで中小企業でしか働いたことのない人よりも入りやすくなるでしょう。また、組織が大きいと仕事のやり方が変わります。周辺部署との協業、業務プロセスなど、中小企業よりも手間はありますが関わる人や承認する人も多いのでプロセスが多くなります。そのようなプロセスを理解しているということ自体が一つのソフトスキルとして見なされることもあります。

中小企業→大手企業 難易度★★★★

中小企業から大手に行くことは、上述した「大手→大手」よりも難しくなります。特に外資系企業においては顕著です。大手有名企業で働いていたという信頼に加え、大手企業の仕事のやり方を知っていることもポイントでしょう。

しかし中小企業から入る方法がないというわけではありません。必要とされる高度な専門性や特殊なスキルがあれば入りやすくなります。

日系企業→外資系企業 難易度★★★

グローバル企業

外資系企業やグローバル企業は実力主義なので基本的にはある分野でそれなりに実績がある人を採用します。また、語学力はある程度必須です。大手日系企業で働いたというのはあまり実績にはなりません。あくまで世界的に見て有名な企業で働いたことのある人の経験を優遇します。

「語学力がある」「将来その会社にとっての利益を生むような日系の競合他社で働いていた」などに当てはまる人は比較的難易度は低くなると言えるでしょう。

業界No.1企業→業界2位以下の企業 難易度:★★


同じ業界内で、1位の企業から2位以下の企業にいくことは比較的容易です。というのは業界2位以下の企業は、ベンチマークしている1位の企業がやっていることを知りたい、学びたいからです。

既存の事業を強化する意図で内部にいた人を採用するケースは多くあります。

業界2位以下の企業→業界No.1企業 難易度:★★★★

このケースは、同業界と言え難易度は高くなります。よほどの理由がないと2位以下の企業の人を1位の企業が欲しいと思うことはないでしょう。

しかし、もしNo1企業にはない事業に関する突出したスキルを持っていたり、優れた分野を持つ企業に勤めていた人は、タイミングがあえば可能性はあると言えます。

スキルや職位など状況別に見た転職難易度

個人の状況

未経験分野へ転職 難易度:★★★★

未経験分野への転職は職種にもよりますがそもそも難易度は高く、30歳くらいからは急激にハードルが上がります。

もちろん積極的に未経験を受け入れている企業もありますので、まず経験値を蓄えるという意味ではそういった入り方は手段として良いでしょう。また、社内で異動が可能な場合にはそれも検討したいところでうす。

また、比較的未経験でも受け入れられやすい分野としては、営業職や販売職など、ヘッドカウント(数)が必要なポジションが挙げられます。これらの職種は、コミュニケーション能力が高ければ比較的未経験でも入りやすくなります。

また、事務職など特殊なスキルの必要ではない分野は、未経験でも間口は広いでしょう。また、語学力のある方は外資系企業やグローバル企業では優遇されたりします。

職位が高い人(部長以上) 難易度:★★★★

マネージャーレベルくらいまでは自分で応募して転職することは可能ですが、部長職以上になると自分で応募して探す場合は難易度が高くなります。
部長職以上はいわゆるハイクラスと呼ばれるレベル、このレベルの人はそのクラスの人を探しているヘッドハンターに見つけてもらいましょう。ビズリーチやハイクラスに特化したエージェントなどに登録しておくと良いでしょう。

チームマネージャー経験がない40代以上 難易度:★★★

40代での転職でチームマネジメントの経験がない人はある人より市場価値としては低くなります。

しかしながら特殊なスキルを持ったIT人材や研究職のような人など、そもそもあまり大きなチームをマネージすることがないような職種は特に問題ありません。

専門スキルを持たない総合職の人 難易度:★★★

ジョブ型雇用」が政府から推奨されている昨今では、専門の職能がないいわゆる総合職の人は転職の難易度は上がります。20代ではまだしも、30代、40代と年齢を重ねれば重ねるほどその傾向は強くなります。今後この傾向は益々強まっていくでしょう。

転職市場ではなんでもできる総合職のような人は一見多才に見えますが、市場価値は非常に低いというのが現実です。

有期雇用社員→正社員 難易度:★★★★

契約社員などの有期雇用契約で現状働いている人が正社員で働くのは一定職種以外は難易度が高くなります。大手企業から中小企業へ行くような場合は、いきなり正社員雇用ということもありますが、一般的には難易度は高めです。

有期雇用契約で働いてきた人が正社員になりたい場合は、まずは将来的に正社員登用ありの求人を見つけると良いでしょう。

例外として、ニーズの高いITエンジニア系の人は好んで契約社員として働いているケースもあります。企業としてはウェルカムな場合も多いので正社員になることはさほど難易度は高くないでしょう。

他にもフリーランスや個人事業主も同じくかそれ以上に正社員として採用されるハードルは高くなります。

難易度が高い企業に受かるためには

特定分野での専門性を高める

基本的に中途採用においては即戦力が求められます。あなたが持つ専門スキルを磨くことは転職市場において武器になります。

日本の教育方針は平均点教育で色んなことが平均的にできる人を教育する方針でしたが、転職市場でそれは通用しません。いろんなスキルを平均的にこなすよりも、専門性を誰にも負けないくらい磨けば難易度が高いと言われているような人気企業にも入ることができるようになるでしょう。

更にコアスキルと業界を掛け合わせるとオンリーワンになることもできます。

人気企業や大手企業の通年採用ポジションを見る

「なんとかしてこの企業に入りたい」というところがある人は、その企業が何らかの理由で通年募集しているようなポジションをウォッチしておき、応募してみましょう。

そのようなポジションは、組織が出来上がっていなかったり、退職者が多い理由があるような部署かもしれませんが、モチベーションが人より高い人であればそういったことを乗り越え、まずは企業に入り込むという目的を達成することは可能です。


また、あなたが入りたい業界に特化した転職エージェントに登録するというのは一つの手段です。他のエージェントよりも、業界の情報を持っていたり、特定の企業との関係性が良いため様々な情報を提供してくれます。

ヘッドハンターからのスカウトを受ける

ヘッドハント

ビズリーチに代表されるようなスカウト型のサイトを使うとヘッドハンターや採用企業が直接声をかけてきます。スキルセットがマッチしていると、通常手の届かないと思われるような有名企業が直接声をかけてくることがあります。

特に特殊なスキルを保有している人や職位の高い人は、ヘッドハンターが一本釣りを狙っていることもあります。

また、スカウトからの就職率というのは一般応募よりも高いので、登録しておいて損はないでしょう。

スカウトサイトやビズリーチについてはこちらの記事もご参考ください→「転職で成功するにはスカウトサイトを使い倒す!」「ビズリーチのプラチナスカウト完全攻略!スカウトをもらう4つのコツと返信例

まとめ

キャリアを中長期的に見たときに必要な活動は「転職市場での価値を上げ」→「その価値が採用関係者に見えるようにしておく」ことが重要です。

自分の専門分野を磨いて価値を高めておき、その価値が見る人の目に止まりきちんと表現できれば人気企業に行くことも十分可能になります。

いきなり思い立ってある企業にいくことはできませんので、中長期で意識して自分自身のキャリアを建設的なものにしていきましょう。