外資系への転職は未経験だけど、グローバルな環境で働きたいと思っている方や、日系企業以外で実力を試してみたいと考えている方もいると思います。
ここでは外資系企業転職未経験の方に、外資系企業の実情と年代別に転職の際に気を付けなければいけない点についてまとめました。
自分の状況に当てはめて考えていただくことができると思います。未経験の方が転職に成功する方法についてもまとめていますので、ご参考いただけると幸いです。
外資系転職未経験者は知っておこう:日系企業との違い
外資系企業は日系企業とは明らかに違う側面があります。
外資系転職未経験者の人は、それらについて事前に認識したうえで転職を考えないと、ミスマッチを起こす可能性があります。
成果主義
外資系企業は、よくも悪くも成果主義です。自分の目標も非常に明確です。成果をあげていれば残業をする必要はありません。
Work hard. Play hard.という考えのもと、『思いっきり仕事をして思いっきり遊ぶ』といった文化がある企業も多いです。
また、基本的に家族やパートナーを大切にしますので、そこを犠牲にして仕事をしている人はあまりいません。
休日もしっかり休み、その後また一生懸命仕事をして成果を上げるというメリハリのある働き方をするのが特徴的です。
利益を上げることが目的
外資系企業の日本支社は、あくまで本社から見ると1支社です。本社にとっての1支社の存在は、利益を上げることを目的としています。
利益を上げていなければRestructure(組織改編)などが頻繁に行われることも可能性としてはありますし、利益を上げるために合理的な形に組織やビジネス方針を変えていくのが外資系企業の特徴です。
そのための支社側の意思決定は早く柔軟な対応が求められます。
本国側の意向で方向性が決まる
進めていた方針が、本社都合で急に変わるというのはよくある話です。予算が急になくなったり、プロジェクトがとん挫するということも起こりうることです。
本社がリストラを行え、と言えば行いますし、日本支社が利益を死守するために人を削るという判断をすることもあります。
そのようなことを含め、理不尽なことも起こりうるのが外資系企業だということを認識しておかなければいけません。
クビにはならないがリストラはある
一方的にクビになるということはありませんが、ある一定条件に同意するという形で会社を退職してもらうということは起こりうることです。
入社半年でリストラや会社都合でクビになる人もいますが、Retirement Packageという対価を受け取ったうえで退職してもらうことが一般的です。
日本では雇用に関する法律で個人が守られているので、一方的にクビにするということは本人の合意がない限りはできません。
福利厚生は期待できない
福利厚生は、日系大手企業のような手厚いものは、外資系企業には期待しない方が良いでしょう。
一部、日本に長く根付いた外資系企業の中には、住宅手当などの福利厚生を提供するところがないわけではありませんが、基本的にはほとんどの会社が提供しません。
ですので、大手日系企業で生活費に関わってくるような手当てを受けていた人は、外資系企業への転職を考える際はその点を加味しての待遇が妥当かどうか判断する必要があります。
外資系転職未経験者は知っておこう:必要スキルや語学力
年代別に必要とされるスキルについては以下のようになります。
あくまで一般的に、という内容ですので例外もありますが、年代が上がるにつれて期待される専門性や英語力、マネジメント経験などが増えていく傾向となります。
また、これに加え、MBAなどのビジネスの資格や他専門性と関係性のある大学院の資格などはどの年代においてもプラス評価となります。
年代 | 職務の専門性 | マネージ力 | 英語力 |
20代 | 薄い専門性でも可(ジュニアレベル) | 必要なし | 読み書きレベルも可 |
30代 | 特定分野の専門性が必要 | あれば尚可 | ビジネスレベル |
40代 | 特定分野の高い専門性が必要(業界特化なども) | 必要 | ビジネス以上 |
50代 | 特定分野の高い専門性が必要(業界特化や人脈も) | 必要 | ビジネス以上 |
英語力についてはこちらの記事もご参考ください→
外資系の転職で必要なTOEIC点数と実務で必要な英語力について
【年代別】外資系転職未経験者が気を付けるべき点
外資系転職未経験:20代
外資系転職未経験の20代が、まず認識しなければいけない点は、日系企業のようにチームで仕事を進めるというスタイルではなく、個人に明確な職務領域が定められている点です。
つまり、決められた仕事に人がアサインされるような感じですので、あなたは入社した時点で、その職務をこなせる「スペシャリスト(専門家)」としてみなされます。評価はその専門家としてやるべきことを、どのレベルでできているかどうかで決まります。KPIが明確に決まっているポジションも多いです。
語学力に関しては、20代は読み書きレベルでも入社できる外資系企業もありますが、当然ビジネスレベルを習得していればプラス評価に値します。
日本企業のように研修制度は充実していない企業の方が多いので、分からない点などは自分から積極的に周りの人に声をかけ教えてもらう必要があるので、その点を理解しておきましょう。
また、職務を遂行するうえで、日系企業にはない部分として、スピード感や意思決定のスピード、定時内に仕事を終わらせる生産性の高さなども評価のポイントとなることを覚えておきましょう。
外資系転職未経験:30代
30年代は外資系企業では、ある程度習熟された専門性を持っている必要があります。英語力はビジネスレベルが必要になってきます。
また、マネージャーとして迎え入れられる場合はマネージ経験があるとプラスポイントになりますが、特殊なのは、外資系企業においては、マネージするだけでなく、ある程度ハンズオンで自分も業務推進することも期待されますのでその点考慮しておくべきでしょう。
他にも資格ではMBAを取得しているとさらに評価は上がります。
その他注意点として、住宅手当などの福利厚生が充実している外資系企業は少ないので、転職を考える際にはその点注意が必要です。その分基本給(ベースサラリー)が上がる可能性が高いので、そこと比較して妥当性があるかを確認しましょう。
外資系転職未経験:40代
40代で外資系企業へ転職する場合は、ヘッドハントや企業からのオファーがあってのことも多い事でしょう。基本的に40代では「高い専門性×英語力×マネージ力」の3点が必要です。
専門性に関しては、職務の専門性に加え、業界特化の専門性も求められてきます。英語力に関してはビジネスレベルあるいはそれ以上でないと厳しくなります。
また、マネージ経験があり、大きなチームのマネージ経験やチームビルディングを行い業務を推進した経験があるとさらに評価のポイントとなります。
気を付けないといけないのは、日系企業で手厚い福利厚生を受けていた場合は、外資系企業ではその辺がなくなります。
その分給与が高くなることもありますが、もし譲れない点がある場合は、エージェント経由か直接企業の採用担当者に交渉してみて、その点をなんらかの形で補完してもらえるかを聞いてみましょう。こういった交渉は外資系企業においては珍しい事ではありません。
外資系転職未経験:50代
50代は、英語力、職務、業界特化の専門性が高く大きなチームをマネージしていた経験が必要です。
この年代ではじめて外資系企業への就職を検討していること自体、ヘッドハントなど声がかかったということが想像されますが、この年代に期待されるのは、高い専門性とどういった顧客との関係性を持っているかです。業界内でどういったコネクションを持っているかが期待されます。
また、エグゼクティブレベルの人もこの年代で多くなりますが、これまでのエグゼクティブ経験で会社がどのような成長を遂げたかといった成果も求められます。
外資系転職未経験:女性の場合
欧米のような先進国においては、男女の雇用機会均等の意識が高く、基本的には日本の外資系企業においては男女による雇用の差はあまりありません。実力主義というところは変わりませんし、むしろ女性には語学力の高い方も多いため、外資系企業で活躍している人も多く見かけます。
また、外資系企業では福利厚生が日系企業に比べて充実していないと書きましたが、マタニティリーブ/パタニティリーブなど女性にとってうれしい福利厚生や休暇制度は外資系企業でも取り入れているところが多くあります。
専門性が必要という部分は男女で変わりませんが、語学というアドバンテージを持っている女性であれば外資系企業で活躍できる可能性は十分にあります。
外資系転職未経験者がスムーズに転職する3つの方法
1.外資系企業が選択肢として正しいことを確認する
まず、そもそも自分が外資系企業に行きたいという動機付けが、明確かどうかを自己分析をして確認してみましょう。
単純に外資系企業が給料が良いと聞いたから、たまたま登録した会社からヘッドハンターに誘われた、などという動機では不十分です。
キャリアの目標から逆算して、今とるべき選択肢が外資系企業だというくらいしっかりした動機があることが望ましいです。
2.しっかり情報収集する
グローバルに働いている人は日ごろから転職市場の情報にも敏感です。
LinkedinなどのSNSだったり、転職エージェントと定期的に連絡を取り、情報交換をしています。そこで良い機会があれば動く、といった中長期で転職を考えています。
常に、自分にとって必要なキャリアの情報が入ってくるような状態を作っておきましょう。
→Linkedinについての詳細はこちらの記事もご参考ください「Linkedinが転職に欠かせない4つの理由と活用術」
また、知人や友人で外資系企業に勤めている人が周りにいれば、会社の文化や実情について聞いてみましょう。一番リアルな声を聴くことが一番参考になると思います。
3.外資系に強い転職パートナーを選ぶ
ただでさえ外資系企業についての情報はあまり出回っていません。
外資系企業への転職を考えるなら、次の転職先や外資系企業の実情について知っている人に聞いたりして情報を集める必要があります。
一番手っ取り早い手段として、外資系企業に強い転職エージェントに登録するという方法があります。
日系の転職エージェントにも外資系企業の情報もありますが、非常に限られた数しかありません。日本支社でも、本国側で使っている転職エージェントが、ローカルでも使っていエージェントをメインで使っているというケースもありますので、一度は外資系案件の多い外資系の転職エージェントに登録して損はありません。
おすすめ外資系転職エージェント
日本で外資系企業に強い転職エージェントで、実績のある企業を紹介します。小さなブティックファームと呼ばれるエージェントで業界特化でやっているような企業もあり、対応が良い所もあります。色々なエージェントに登録して話を聞いてみましょう。
自分に合ったコンサルタントに出会えばキャリアが180度変わるくらいのチャンスをもたらしてくれることもあります。
【2024年版】 外資系転職エージェント・転職サイトおすすめ一覧(業界別)も参考にしてください。
JACリクルートメント
イギリスで日本人が創業した会社です。
扱っている求人は外資系企業と日系グローバル企業に強くコンサルタントはきめ細かな対応が特徴。フットワーク軽く柔軟に対応してくれます。外資系企業への転職を考えたらまず一度登録してみるべき総合転職エージェントと言えます。
Robert Walters(ロバートウォルターズ)
ロバートウォルターズのコンサルタントはコミュニケーション能力の高い外国人が多く、採用企業に対しての提案力や推薦力が高い外資系転職エージェントです。
グローバルの人材エージェントに贈られる「ベストリクルートメントオブザイヤー」を2年連続受賞。また、人気大手外資系企業案件に強みをもち、外資系の人材企業が対象となる「リクルートメントアワードオフザイヤー大手企業部門」も受賞しています。
Robert Walters(ロバートウォルターズ)の公式サイトを見る
Michael Page(マイケルペイジ)
イギリスでは老舗の大手転職エージェント。
その信頼も厚く日本でも外資系企業から厚い信頼を誇るため非公開で求人を依頼されることが多く独占案件も多い。転職希望者には丁寧な面接対策が実施され、決定率も非常に高い外資系の転職エージェントです。
Michael Page(マイケルペイジ)の公式サイトを見る
外資系の転職エージェントについては、こちらも参考にしてください
【2024年版】 外資系転職エージェント・転職サイトおすすめ一覧(業界別)
まとめ
外資系企業未経験から、外資系へ転職をする際には、外資系企業がどういった企業なのかを理解しておく必要があります。人によってはリスクが大きいと思う方もいるでしょうし、グローバルに働きたいという方にとっては、その程度のリスクは取って問題ないと考える人もいるでしょう。
その辺は価値観次第なので、自己分析をしっかり行っておくことをおすすめします。
また、基本的に外資系企業では専門性があり、語学力がある人が前提で採用されます。この辺のスキルは一朝一夕で手に入るものではありませんので、日ごろから習得していくように継続的な学習が必要です。
外資系企業で生き残っていくにはどれも必要なスキルですので、外資系に転職し、長く働きたいという人は中長期的で時間をかけてでも習得していくようにしましょう。
外資系企業で生き残っていくにはどれも必要なスキルですので、外資系に転職し、長く働きたいという人は中長期的で時間をかけてでも習得していくようにしましょう。
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