転職を多く繰り返すと、中にはクズのような人間と捉えられることもあります、クズになる人とならない人の分岐点はどこなのでしょうか?
私が見てきたキャリア志向のひとでさえ、転職をむやみに繰り返して市場価値が低くなってしまった人は多くいます。
今回はその分岐点とそうならないための対処法について解説します。
転職を繰り返してクズになるとはどんな状態?
ジョブホッパーと見なされつぎの転職がしにくくなる
まず第一の特徴として、転職を繰り返しすぎて転職そのものが困難になってしまいます。そして最終的には、条件を妥協して転職していくことになります。
また、転職を繰り返せば繰り返すほど条件が悪くなっていくのがジョブホッパーの末路です。狭い業界では業界内や転職エージェント内でも噂になってしまうこともあります。
逆に良い転職を繰り返す人は転職するたびに条件が良くなり仕事も良い経験を積んでいきます。
成果を出す前に転職を繰り返す
成果を出す前に短期間での転職を繰り返すジョブホッパーは、経験値がたまりません。よって市場価値も上がりません。表面的なスキルは行動面接などで見抜かれてしまうので注意が必要です。
給料アップのためのみに転職する
給与アップのために転職を繰り返す人は、仕事の経験がついてこないので限界があります。どこかの段階でぼろが出て結果を出せずまた転職に追いやられてしまうでしょう。
逆に良い転職を繰り返す人は、目先の給与は気にせず、自分にとって良い経験を取りにいく転職をします。結果的に目先で給与がついてこなかったとしても次やその次の転職で給与は適正化されます。
転職を繰り返してクズになる人ならない人の分岐点
転職を繰り返して市場価値がどんどん低くなる人がいる一方で、どんどん価値を上げていく人もいます。どこでその差が出るのかは以下のような点が挙げられます。
①キャリアパスに沿って転職をする ⇔ 目的なしで転職
転職を繰り返して価値を下げる人がいる一方で、転職をしても価値が上がり続ける人がいます。
その分岐は、次の目標に向かって転職しているかどうかです。キャリアパスを決めて転職する人は、習得したいスキルや目指しているポジションを決めて転職しますし、その目標を達成するまでそうそうのことがない限り転職しません。
②仕事軸で主体的に転職 ⇔ 誘いにつられて転職
転職エージェントから誘いがあっておいしい話だから転職するという人がいますが、目先の条件につられているだけです。
価値を上げ続けるキャリアの人は頑なに目標を達成するまでその場にい続けます。よほどのことがない限り計画外の転職はしません。意志の弱い人は少し良い話があったりすると口説かれてついつい転職してしまいます。
転職を繰り返してクズになる人の6つの特徴
給与目当てで転職する
転職すると給与が上がるからという理由だけで一定間隔で転職する人がなぜ良くないかというと、スキルが身に付かなかったり、経験がついてこないからです。
転職市場ではいつか給与が適正化されるという話をしましたが、スキルがないのに割高で採用されている場合は、どこかのタイミングが給与が下がるということもあり得るのです。
キャリア志向の人できちんとキャリアパスを定めて進む人はこういったことがありません。
優柔不断(他の会社が良く見えてしまう)
飽き性の人は他のリクルーターや採用関係者から声をかけられたときに、その会社を魅力的に感じてしまいます。
「次の職場でもっと楽しい人生が待っているのではないか」「新しい環境で充実した仕事ができるんじゃないか」などと期待値を高くもってしまい結果的に転職してしまいまうのです。
ここでの問題は、外部環境が自分の仕事の充実を決めると考えていることです。
実際には、どういった会社に行っても主体性がない限りは仕事の充実度は変わりません。事実ではなく、妄想に近いか拡大解釈をしてしまう場合は、事実を知るための情報収集が必要です。
繰り返すことが癖になっている
一度転職を繰り返すと、また転職する事に対しての心理的なハードルはより低くなります。「次はもっと良い職場なのではないか」といった思考が延々に続くような人もいます。そもそも今何をキャリアパスの中で欲しているのかを明確にしていないため、あてもなく彷徨う状態が続いてしまうのです。
計画性がない
計画がない、あるいは計画があるのに優柔不断な人は、突発的に転職をしてしまいます。一時的に良く思えた会社など、本来の目的とはずれた会社に転職してしまい結果的に遠回りをすることになってしまいます。
明確な目的がない
高いスキルを保有していると、多くのリクルーターがから声がかかります。条件が良かったり、良さそうな会社だなと思い転職をしてしまいますが、目的がないので「なんか違うな」となりまた転職を繰り返します。
転職の覚悟が決まっていない
無目的や、無計画な転職が失敗に終わることがあるのは、転職というイベントの困難を乗り越える覚悟ができていないからです。
転職するということは、人間関係はリセット、仕事も1からまた覚えなければいけないという困難を伴います。やりたいことがそのリスクを上回るから転職するわけですが、その覚悟ができていないと失望することになります。
転職を繰り返してクズになってしまった人の挽回策
職務経歴書を戦略的に作る
会社を転々としてしまった人も、職務経歴書を工夫して一貫してスキルをもっていることをアピールできます。できれば1つの領域に特化したスキルとして見せれるようにすると良いでしょう。(参考:【2024年最新版】転職が多い場合の職務経歴書の書き方~採用視点で必要な7つのポイント~)
また、小刻みに転職していたとしても、仕事内容を明確に目的としていた転職だったと見せることで主体性をアピールすることもできます。忍耐力を問われることもありますが、どうしてもやりたかった仕事だったからそれを実現するまでに繰り返してしまった、というとそれは逆に諦めなかったとも言えます。
つまり、職務経歴書での見せ方によって、印象を180度変えることができます。
外資系企業を検討する
外資系やグローバル企業では、転職は一般的で生涯転職回数が10回、20回という人はざらにいます。日本でも外資系企業を渡り歩く人は回数を重ねていても珍しくありません。よって、近年までは終身雇用が当たり前であった日本企業よりも抵抗なく受け入れてくれます
外資系企業についての関連記事はこちら:
【2024年最新版】外資系企業の中途採用まとめ(採用プロセス、内定の取り方、条件交渉の仕方)
外資系企業への転職における20の注意点と適性の見極め方外資系転職未経験の人が知っておくべきことと転職で抑えておく3つの方法【年代別】
【2024年最新版】 外資系転職エージェント・転職サイトおすすめ一覧(業界別)
正社員ではない働き方を模索する
今はオンラインで仕事を受注できるので、経験を積めば独立やフリーランスという次の選択肢も出てくるでしょう。
また、契約社員や派遣社員という選択肢を取ることも一つの手段です。いろいろな企業が経験できますしその中で専門性を磨くこともできます。
昨今ではある仕事に特化したプロフェッショナル派遣などもありそこでスキルを尖らせて独立する人もいます。
転職を繰り返してクズになることを未然に防ぐ方法
①キャリア初期で専門性の確立を最優先する
まずは前提としてキャリア初期で専門性の確立をしておきたいところです。できれば自分の適性が高い分野だったり、自然と高いパフォーマンスを出せる分野を見つけその領域の習熟度を高めます。
大企業であれば1社で様々な経験をさせてもらえるところがありますが、必ずしもそうでない場合のほうが多いので、場合によっては転職してでも身に着けたい専門性が経験できる企業に身を置きます。
②キャリアゴールを定める
身に着けた専門性をベースにどういったキャリアゴールを目指すのかを考えます。会社員として高い地位を目指すのかあるいは独立するのか、またはシングルコントリビューターやエキスパートと呼ばれえる人材を目指すのか、を決めます。
その際に最後にたどり着く企業の業界や企業規模まで考えたり、できる限り解像度高いゴールの絵を描いておきます。
③キャリアゴールを達成するための道筋を計画する
最終ゴールに向けてどういったパスを歩むべきかを決めます。営業の責任者になりたい人はこんなキャリアパスを考えることができるでしょう。
- 大企業で仕組化された営業活動を経験
- マネージャー経験をするための転職
- 責任者として営業組織を立ち上げる部長になる
このように経験軸で転職を考えると、目的が明確になります。必ずしも転職が必要でない場合もあります。
④キャリアパスを何度も見直す
大事なのはキャリアパスを何度も見直し軌道修正することです。あてもなく転職してしまったり、甘い誘惑に誘われて転職してしまうのは、そもそものキャリアパスを忘れてしまっていることも理由の一つです。何度も見直して今の自分の立ち位置を確認してきましょう。
まとめ~転職を繰り返すのは必ずしもクズではない~
転職を繰り返すこと自体は決して悪いことではありません。
それよりも目的や目標がないのに転職してしまうことが、結果的に自分の価値を下げてしまうのです。目的が明確でない転職は、長い目で見た時に先々転職することが困難になってしまう可能性があります。
まずは専門性を確立し、その専門性に付加価値をつけていくような転職をしていけるとベストです。
また、転職ではたくさん目的を持つのは得策ではありません。この転職では〇〇というスキルを習得する、あるいは〇〇という経験を得るといいった具体的な目標をベースに転職を計画的にするべきでしょう。
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