はじめて転職する方やしばらく転職していないという方にとって、ネット時代のベストな転職の進め方が知りたい、という方もいるでしょう。また、昨今のリモート環境で転職活動自体も変わってきている中、どのように活動を進めればよいかと疑問に思っている方もいると思います。
この記事では、あなたが転職活動をはじめるにあたって状況に応じて効率よく進める方法について解説します。
まずは応募〜内定までの時間軸の理解、実際の活動プロセス、退職の方法まで説明しています。また、実際に使うべきサイトや転職パートナーについても記載していきますので、手さぐりで一人孤独にやる転職活動より効率よく転職活動を進めることができるようになります。
応募準備~入社までの流れについて
まずは転職活動でかかるスケジュールですが、以下の図のようなイメージとなります。
企業規模などにもよりますが、一般的に応募準備から入社までは3カ月見ておくとよいでしょう。中小企業など社内プロセスがフレキシブルな企業だと、全体で1.5カ月くらいで入社までというところもあります。
(※あくまで目安の期間になります)
1. 応募準備
応募準備の期間は主に自己分析を通して、自分のキャリアゴールや、転職の目的を明確にします。この準備期間が最も重要と言っても過言ではありません。
この部分がはっきりしていないと、応募企業のミスマッチや入社後の離職につながるので十分に時間をとって自己分析をすることをおすすめします。
流れとしては①自己分析→②職務経歴書作成→③情報収集 という流れになります。
①転職の目的の再確認(自己分析)
ここでは自分のキャリアゴールを時間軸含め再確認し、そのゴールにたどり着くために必要な転職であることを確認します。また、今回の転職の目的(例えばマネージャー経験を身に着ける)を明らかにし、その目的に沿った企業に応募していきます。
②職務経歴書作成
職務経歴書は自分が何者かを明確にアピールするための書類となります。まず採用担当者が一番最初に見るのは、この人は「何が出来る人でなぜ当社で働きたいのか?」です。その内容が端的に分かるよう、概要を表にした表紙となるカバーレターを作成しましょう。また、転職が初めての方は転職エージェントに相談してみると添削してくれたり、アドバイスをくれたりしますので一人で自信のない方は登録してみるとよいでしょう。
③情報収集
自分が転職市場においてどの程度価値があるのか、市場平均を知ることや、市場でどのような人材が求められているのかといった、情報収集を積極的に行いましょう。自分の価値を上げるという意味では、あなたのスキルが求められる業界に行くと重宝され、価値も上がりやすいです。幅広くあなたの業界や職種に関しての情報収集を以下のようなサイトに登録して行います。
転職エージェント登録
登録すると、担当のキャリアコンサルタントから連絡がきますので、まずはカウンセリングをすることになります。自分の希望条件を伝えたり、業界の動向について聞いてみましょう。カウンセリング後にあなたの希望に沿った求人があれば紹介されますので、まずはどのような求人があるかをチェックしましょう。
転職エージェントに関してはこちらの記事にも詳しく解説しています→「転職エージェントとは?利用するメリットデメリットも解説」
転職サイト登録
転職サイトは主に、求人が登録してあり、応募することができるサイトです。最近では業界別や職種別に様々なサイトがありますので、登録してみましょう。その際に自分の希望条件を登録し、アラート登録しておけば、希望の新着求人が届いた際に告知メールがきますので活用するとよいでしょう。
スカウトサイト登録
スカウトサイトはあなた自身の職務経歴と一緒に登録をしておけば、企業や転職エージェントから声がかかる仕組みになっています。
様々な企業が登録しているので、一括情報収集ができる大変便利なサイトです。別記事で詳細を書いていますのでこちらもご参考ください
Linkedin登録
最近ではLinkedinというビジネス専用のSNSがあります。そこに登録しておけば世界中のヘッドハンターや企業がキャリアにまつわる情報を発信しています。
スカウトサイト同様、企業や転職エージェントから声がかかることも多いので、非常にグローバルに盛り上がりを見せています。日本でも最近登録者が増えてきていますが、グローバルのビジネストレンドやグローバル視点を勉強できるので、登録しておいて損はありません。掲載されているグローバル求人に直接応募することもできます。
→Linkedinに関してはこちらでも詳しく解説しています「Linkedinが転職に欠かせない4つの理由と活用術」
④資格取得
資格を予めとっておくことは、キャリアチェンジのように違う職種や業界に行く際に有効な場合があります。資格を取得することが直接採用に影響するわけではありませんが、意欲を見せることができます。
また、書類選考の時点で「専門分野の基礎がある人」という印象を与えることができるので、状況によっては取得を検討してもよいでしょう。
2. 応募期
①応募企業選定
上述して転職エージェントや転職関係サイトに登録して、応募企業の求人を探します。不明な点は転職エージェントに質問してみると教えてくれます。
また、直接応募の場合は、職務記述書に記載されている担当者に連絡して質問してみましょう。場合によっては、カジュアルミーティングで会社概要含め教えてくれるはずです。
②レジュメを応募企業に合わせてカスタマイズする
特にカバーレターの「志望動機」部分は企業によって変わってきますので、応募毎に変更することをおすすめします。
繰り返しになりますがこの部分こそ、企業の採用担当者が一番に見る部分になりますので、重要な部分となります。
3. 面接期
応募して書類選考が通ったら実際の面接に進みます。
面接は一般的に以下のようなステップで進みますが、会社によって違うのであくまで標準的なステップとなります。
- カジュアル面談 (人事/リクルーター)
- 1次面接 (直属上司)
- 2次面接 (人事面談)
- 最終面接 (役員や社長)
- 2次面接 (人事面談)
- 1次面接 (直属上司)
(※カジュアル面談は主に会社紹介の目的ですので、直接1次面談後、最終となる場合もあります。)
一般的に進むほど職位の高い人が出てきますが、その段階にあわせて言葉の抽象度を上げていく必要があります。特に最終面接で職位が役員レベルの人が出てくる場合は、どういった業務で成果を上げてきたか細かい話をするのではなく「その成果が会社にどのようなインパクトを与えたか」「それらの業務があなたにとってなぜ大切なのか」といった誰でもわかるように話すことが大事です。
また、その企業を志望する熱意を見せることも有効となるでしょう。
①面接シミュレーション
面接シミュレーションは転職エージェントが行ってくれるところが多いですが、直接応募などの場合は質問を想定して回答を準備しておきましょう。
基本的に聞かれることは3種類しかないと覚えておくとよいです。
- 「あなたに何ができるか(過去の経験)」
- 「あなたがどこを目指しているか(モチベーション)」
- 「あなたがどういう人物か(カルチャーフィット)」
実務的な内容に関しては、過去の経験を聞かれますが、ここでは過去に経験した業務の中で成功した内容をSTARメソッドなどで分かりやすく伝えられるよう準備しましょう。
モチベーション部分では準備段階で明確にしたあなたのキャリアゴールを明確に話し、そこにたどりつくために、その企業を選ぶ必要があることをアピールします。
カルチャーフィット部分ではあなたの性格を実務の経験談の中から見ています。その会社が求めている人物像と自分の過去の業務経験などのエピソードがその人物像とマッチするとベストな部分となります。
意外と答えにくい「失敗談」
私も面接官として多くの候補者と話す機会がありますが、意外と答えにつまるのが失敗談です。成功した業務についてはスラスラ答えることができるのですが、失敗談を聞かれることについては想定できていない人が多いです。
失敗談を聞く面接官の意図は、
- 「業務で主体的にチャレンジしているか」
- 「失敗から何を学んでいるか です」
成功談を考えるには、その前の失敗体験など可能な限り連続的なストーリーで話せるようにしておきましょう。
②実際の面接
実際に面接を行います。各面接ともに、1時間が一般的です。
まれに違う部署の二人が出てくる場合がありますが、その際は1.5時間かかる場合もあります。
昨今は最終面接まではリモート環境で面接を行うケースがほとんどです。背景や身だしなみはあらかじめチェックしたうえで面接に臨むようにしましょう。
4. 内定~入社期
①内定・オファーレター確認/比較
面談が一通り終わり、ぜひ入社してほしいということで内定となります。
内定をもらう際にはオファーレターという雇用条件について記載された労働条件確認書をもらいます。その後、その労働条件確認書をベースにオファー面談が実施されます。
オファーレターには、給与や賞与などの報酬条件、労働時間など雇用契約書のベースとなる内容が記載されています。複数社からオファーをもらっている場合は他社と見比べてみるとよいでしょう。その際、もう少し待遇が良ければ迷わずA社に行くのに、という場合はオファーミーティングの際やその後交渉してみるとよいです。
エージェント経由の人は、担当のキャリアコンサルタントに相談してみましょう。また、直接応募の際には、人事の担当者にかけあってみるとよいです。他社からより良いオファーが出ていて同条件であれば入社したいという旨を添えて伝えてみましょう。
昨今では、交渉も随分一般的になってきていますし、交渉したからオファーが取り下げられるということはありません。
②内定承諾
オファーレターの内容で問題ないということを確認したら内定をもらった企業に承諾の旨伝えます。その後雇用契約書などが送られてきて入社前準備に入ります。
③退職意向伝える
内定をもらってからは、現職に退職意向を伝え、退職日の交渉などを行います。
退職時にやってはいけないこと
内定をもらい退職意図を伝える時から退職までは非常にデリケートな期間になります。
現職の企業や人々とは、今後もビジネス上で関わることもあるかもしれませんので、退職後も良好な関係を保てるよう円満退職を心がけるべきです。
ここでは退職時にやってはいけないことについて取り上げてみます。
一方的な都合を押し付ける
次の会社に行きたいはやる気持ちもあるかもしれませんが、現職には無理なスケジュールではなく、業務に支障がでないようなスケジュールで調整するようにしましょう。
引継ぎを行わない
引継ぎを行わないことは、これまでお世話になった会社に恩を仇で返すようなものです。きちんと後任の人があなたの業務を引き継ぎ、業務が問題なく回るようにして退職しましょう。
顧客のデータや機密情報などの資料を持っていく
競合や同じ競合に転職する場合は、現職の顧客データがあれば最短で成果が出せることもあるかもしれませんが、機密情報を持ち出すことは違法なことです。現職の企業との関係が悪くなるというレベルでは済まされないことです。
退職後~入社時にやるべきこと
リフレッシュする
有給休暇の消化で少し休みが取れる人は、一度仕事から離れて心身ともにリフレッシュする機会をもつこともよいでしょう。また、まとまった休みが取れるのはあまりないことなので、普段そこまで持てない家族との時間を多く持つこともよいかもしれません。
次の会社や競合研究
会社研究や競合について理解しておくことは、次の会社に入ってからの立ち上がりのスピードに影響してくることです。初速を上げていくためにもインプットをしておくとよいでしょう。
自分の職務領域についての予習
これも一刻も早く即戦力になるという意味では、自分の職務領域についてのイメージをしておくとよいです。
外部関係者へメディア上で挨拶
入社したら日頃から業務でよくお世話になっている(あるいは今後もお世話になるであろう)方々にeight(名刺登録サイト)やLinkedinなどのSNSで着任のご挨拶をするとよいでしょう。Linkedinでよくみかける光景ですが、そこから会話が生まれ、良い関係が保てたりします。
まとめ
転職を決めたらまず大切なことは自己分析期間に転職の目的をはっきりさせることです。そして、できるだけ多くの情報が入ってくるように環境を整え準備をしましょう。
また、実際の応募プロセスでは、一人だけでは善し悪しが判断つかないこともあるので、転職エージェントのようなパートナーを持てば、あなたの転職活動を良い方向に導いてくれるでしょう。また、現職との円満な関係を保つためにも退職を伝え、その後のフォローもきちんとすることも非常に重要です。
このように転職には多くのプロセスが含まれます。これらを理解したうえで、どのステップも重要なプロセスです。一つ一つ着実に進めていけるよう事前準備して臨みましょう。