転職の3カ月の壁と言われるのは、転職後3カ月の間にストレスを感じる人が大半だからです。あなただけではありません。その多くは、入社後すぐに感じることはなく、入社後3カ月あたりのところで時間差でやってきます。
大事なのはそのストレスがあるということと、原因を知れば解決できるということを知ることです。中にはメンタルに影響を及ぼす致命的なものもあるので、そのようなストレスの見分け方もご紹介します。ぜひご参考ください。
大半の人が入社後3カ月以内にストレスを感じる
入社後どの程度の人がストレスを感じているか、を示しているデータです。このデータでは、80%以上の人が転職後3カ月以内にストレスを感じているという結果となっています。
3カ月の壁とは何か?
3カ月の壁とは入社後、新しい環境下で心機一転、張り切っていたのが徐々に現実に戻り、「ストレスを感じ始めたり、会社のネガティブな面も見え心身ともに負担がのしかかってくる時期」のことです。
入社直後は、新しい環境の中で、実際には気づかれなどでストレスにさらされているのですが、実感しにくくなっています。それが遅れてやってくるようなイメージです。一般的にその壁がくるのが入社後3カ月と言われています。
個人差や環境の違いもありますが、入社後1~2カ月あたりまでは、よほど会社に問題がない限り新しい環境への期待や希望でウキウキしていますが、いつまでも続かず3カ月目あたりから、急激に現実にもどってきます。
また、覚えた仕事もルーチンとしてこなし始めている時期であり、実務面での大変さも相まって疲弊しやすい時期でもあります。
入社後の緊張している中では、冷静な判断ができず少々の人間関係も気になりませんが、現実に引き戻されると、いつもの通り苦手な人は苦手、自分に合ってない環境なども感じるようになり、そのような面もストレスとなってきます。
具体的なストレスの原因は何か?
3カ月の壁を分解し、どのようなものがストレスの原因になっているか考えてみます。
入社後3カ月までに大半の人が80%以上がストレスを感じていますが、こちらのデータは、そのストレスが何かを示す具体的なデータとなります。
- 1位:入社前に聞いていた条件や仕事内容と違った(仕事内容・条件)
- 2位:上司とのコミュニケーションがとりにくかった(コミュニケーション)
- 3位:在籍したことのある会社と大きく異なっていた(社風・制度)
- 4位:入社前にイメージしていた仕事と違った(仕事内容・条件)
- 5位:就業時間や時間帯・通勤時間が変化したことによるライフスタイルの変化があった(ライフスタイル・その他)
データによると、条件や仕事内容が入社前に聞いていた内容と違ったというのが1位です。また、4位にも入社前にイメージしていた仕事と違ったという、仕事内容に関するギャップが2件上位に入っています。
多くの人は内定をもらうことに必死で、転職活動中は少々条件が違ってもあまり深掘りして確認しません。
私が面接官をやっていてもそれは感じます。転職しようと思う前は、どういった仕事をしたいかという目的があったはずですが、いざ転職活動が始まると自分を評価してもらうことに必死になり、二の次になってしまうのです。
これに関しては、慎重に直属の上司になる人や一緒に働くことになる人に少しでも疑問がある場合は疑問を払拭することでしか解決されません。
また、2位、3位となった「上司とのコミュニケーションが取りにくい」「以前の会社とは違う環境だった」ことは馴染むまでの過程を象徴しています。
3カ月の壁を乗り越える5つの方法
1. 入社後の悩みを相談できる人を見つける
①家族や知人に相談する
親しい間柄でなんでも話せる人に、新しい環境で困っていることや悩んでいることについて相談してみましょう。
第三者の違う視点でアドバイスをくれたり、あなたの性格をよく知っているからこそ適切なアドバイスをくれる人もいるでしょう。
また、話すだけでストレス解消にもなることもありますので、壁を乗り越えるには有効な手段と言えます。
②会社で信頼できる人
話し相手がいなくて自分の中で溜め込んでしまうことがストレスになっている人も多くいます。メンター制度がある職場であれば、メンターに色々と相談してみましょう。
そういった制度のないところでは自分で見つけるしかありません。人事の受け入れ担当、研修担当、身近な教育係、など話せる人を見つけましょう。
率直に困っていることを話すには信頼できる人に相談することが一番です。
可能であれば人事など入社後のサポートをきちんとしてくれる窓口の人を探しましょう。
2. 本来の目的に立ち返る
目先のストレスを乗り越えるためには、大きな視野で今の目的を考えることは有効です。あなたが中長期で何を達成したくて、今回転職した目的が何だったかのかを改めて考えてみましょう。
その目的意識が間違いないものであれば、ストレスを乗り越える手がかりになります。大きな視野を持てば、達成するために一時的な困難は避けられないものであることを理解することもできるようになります。
3. 忙しくてもストレス対策を行う
入社後3カ月までは仕事の引継ぎや、会社に馴染むことに必死です。ストレスを感じていることを忘れがちなので、きちんと息抜きを行いましょう。
また、普段ストレス解消のためにやっていることを、入社後忙しい中でも行うようにしましょう。ストレス解消方法の一例ご参考ください。
ストレス解消方法一例:
- 好きなことをやってストレス発散する
- 知人や家族に相談にのってもらう
- 運動をする
4. 入社の際に使ったエージェントに相談する
入社の際に使った転職エージェントにストレスを抱えていることを相談してみましょう。
じつは、転職エージェントと採用企業との契約には、候補者が入社後〇カ月以内に退職すると返金しなければいけないという規約があります。(通常は3カ月や6カ月)
そのため、転職エージェント側としてもサポートをしなければ、退職されてしまうとせっかくもらっているフィーを返金しなければならなくなってしまうのです。
また、そうでなくとも、最近では入社後の定着までサポートすることをポリシーとしている転職エージェントもありますので、相談してみましょう。
転職エージェントについてより詳しい記事はこちらから→「転職エージェントとは?利用するメリットデメリットも解説」
5. 転職活動をしてみる
実際に転職するしないは別として、転職活動をしてみるとストレスが解消されることがあります。これは、今の会社以外にも選択肢があるということを意識的に理解でき、心理的に逃げ道があるということが分かるからです。
転職活動をしてみてすごく良さそうな会社があったら検討すれば良いだけで、たいていの場合は一時的なストレスを乗り越えることができたりします。
ビズリーチなどのスカウトサイトを使うと、複数エージェントから面談の声がかかったり、マッチング度の高い案件を持ったヘッドハンターからのスカウトが来ますので、自分自身の価値を理解することができます。
転職サイトの【BIZREACH(ビズリーチ)】の公式サイトを見る
転職するかどうか3つの判断基準
1. 健康状態に支障をきたしている
疲弊して食欲がない、精神的に落ち込んで寝れないくらいの状態などといった場合は何かしらの病気を患っている可能性もあります。そのような場合は、試用期間中であっても休みを取って病院にいきましょう。
特にうつ病などの精神的な疾患は、一度かかると一生付き合うことになるやっかいな病気もあります。会社はそのような病気にかかっても自分の生涯を保証してくれるわけではありません。自分の健康状態は自分で管理しなければいけません。
求職や転職活動を再開するなど、手遅れになる前に動きましょう。
2. ハラスメントを受けている
上司や周りの人にハラスメントを受けている場合は、まずは人事に相談してみましょう。改善されない場合は退職することを検討するべきでしょう。
ハラスメントを受けて、将来にかかわる重大な精神疾患にかかってしまう人も少なくありません。人事など社内の信頼できる部署に相談しても真剣にとりあってくれない場合、それがその会社の体質です。長くいることは難しいと思った方がよいです。
無計画な退職は避けたいところですが、自分の健康第一で転職活動を再開するなどしましょう。
また、退職を申し出にくいような場合は、”退職代行サービス”など第三者機関を通して間接的に会にに退職を伝え手続きを行い、出社せず辞めることもできます。そういった選択肢も検討してもよいでしょう。
いまや退職代行サービスは多数存在します。弁護士法人や労働組合が運営している安心できるサービスもあり無料相談もあるので、自分に合ったサービスを選びましょう。
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3. 社風(文化)が合わない
社風が合わないと、根本的にあなたの性格とあっていないということです。何カ月、何年たっても馴染むことは難しいでしょう。疎外感を感じ、人間関係もうまくいかなくなってしまいます。
割り切って仕事ができるという人は良いかもしれませんが、難しい人の場合や長期的に就業を考えている場合は転職を検討してもよいでしょう。
転職3カ月の壁で悩んでいる事例
転職後1~2カ月は新しい会社への期待のほうが大きく、ストレスを感じていませんでしたが、業務が想像以上に多く必死になっていくうちに現実に引き戻されました。当然ですけど、最初持っていたイメージのような良い印象ばかりではないのだなと痛感。
(金融アシスタント 35歳 女性)
入社後当初はこちらも緊張しているし、周りの人たちも気をつかって声をかけてくれていましたが、3カ月目くらいからは、とにかく孤独に業務に取り組む毎日。お客さんからのコールは鳴りやむことはないけど、プロダクトについての理解が追い付かない。この時が一番つらかった。。。プライベートでできるだけ多くの人に話を聞いてもらうよう意識してました。
(IT商材カスタマーサクセス 42歳 男性)
セールスで営業のディレクターについてトレーニングを受けていましたが、とにかく気難しいタイプの50代上司。声をかけるタイミングとか、分からないし、常に機嫌が悪い感じの人です。同じく圧力を感じてる人がチームにいたので、味方にしてお互い不満などを共有できる人にしました。こういう人がいるってのはかなり大きい。
(IT系法人営業 29歳 男性)
大企業からスタートアップ企業に行ったので、それなりの変化を覚悟していたつもりだったのですが、入社直後から直感的に社風が合わない、と思いました。組織として出来上がっていない、ルールもない、そんな環境では声の大きい若者とかが評価されていたりして。これは長くはいれないな、と思いつつ転職活動をしながら今にいたります。
(外資クラウドサービス 財務マネージャー 38歳 女性)
まとめ
3カ月の壁はあなただけが感じることではありません。新天地では最初緊張していたり、希望に満ちていて、本来感じているはずのストレスを感じにくく、時間差でやってきます。
ストレスをゼロにするということは難しいかもしれませんが、何が原因かを認識しておけば軽減することもできます。
必要以上に頑張りすぎず、いつも通りストレス対策もしておきましょう。
3カ月の壁を乗り越える方法は前述したとおり複数ありますので自分にあったものを選んで実施しましょう。
その際、一人で抱え込まず、社内外に相談に乗ってもらう人を作ることは特に重要です。話すだけで解消することもあるので、ぜひ実践してみてください。
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