専門性を高めることは、昨今のスキルベースの採用では非常に重要なことです。その専門性の高さによって、あなたの市場価値が決まると言っても過言ではありません。
スキルを身に付けたり深掘りしていく過程で転職が必要になることも当然あるでしょう。
では、専門性を高めたい場合、どういった転職理由が必要なのでしょうか?採用側の視点で専門性を高めたいという転職理由の伝え方について解説していきます。
転職理由「専門性を高めたい」を伝える3つのコツ
1.専門性を高めたい理由を自身の経歴からストーリーで話す
あなたが専門性を高めたいと思った理由があると思います。その理由をご自身の職務経験の中からストーリーで話しましょう。
例えば、営業職に従事している場合「営業職をやっている中で顧客の問題解決の提案をして、感謝されることが楽しいと感じた→もっと顧客の悩みを直接解決できるカスタマーサクセス領域の経験がしたくなった」
このように過去の経験が今回応募する理由に直接つながっていることを、わかりやすくストーリーで説明できると採用側として主体性を感じますし印象にも残ります。
2.専門性を高めたい理由を目指すところから逆算して説明する
専門性を高めたいと思った理由を、キャリアで目指しているところから逆算して転職理由として説明することで、あなたが計画的かつ主体性をもって転職をすることがうかがえます。
例えば将来、経営コンサルタントとしてクライアントの事業を改革できるような意思決定に関わりたい場合。
「経営コンサルタントのパートナーレベルになりたい→今はIT業界特化型のコンサルティングファームでの経験が積みたい」
といった具合です。
3.専門性を高めたいことと応募したポジションとのマッチングと合わせて話す
応募したポジションに自分がやりたいことがあるから、と一方的に話すのではなく、あくまで自分が貢献できる分野があり、そのうえで自分にとっても学びたい業務に従事できるWin-wininであることを伝えましょう。
未経験領域のみへのチャレンジでは、採用側からすると未経験者採用に近く、リスクも大きくなるだけなのですぐに貢献できるスキルをしっかりアピールしましょう。
転職理由「専門性を高めたい」3パターン別ヒント
1.今の経験領域の深掘りがしたい
同じことを繰り返すよりもよりテクニカルな仕事だったり、範囲を広げた経験ができる場合です。
例)ITシステムの営業をやっていた中で、システムアーキテクチャまで一緒にクライアントと深ぼって提案営業をすることで信頼を得てきた。テクニカルセールス領域の経験が積みたい。
2.周辺分野の経験がしたい
1つの工程を深堀する過程で、興味が派生し、違う工程の仕事がやりたくなるケースです。
例)これまではデータアナリストとして、顧客購買データ分析~洞察の提供までを主にやってきたが、より大規模な経営の意思決定のサポートに携わるビッグデータの解析をもっと経験したいと感じている。
など。こちらも主体性がある転職理由ですが、次の領域についてどのようなインプットを行っているかを見られる部分となるので学習してきた経緯があればアピールしましょう。
3.別業界に応用したい
基本的に職種としては変わらないけど別の業界で経験が積みたい場合には共通点を見出すことで転職理由に一貫性を出すことができます。
例)これまではコンシューマー向けサービスやソフトウェアの営業を行ってきました。今回は同じ無形商材であるSaasのPlatform領域の営業をBtoB領域で貢献したい。
このように一見全く別の業界のようにも見えますが、抽象化することで共通点を見出すことができます。
転職理由「専門性を高めたい」を伝えるときの基本テンプレート(三弾論法)
三段論法の基本形(テンプレート)
- Aというスキルを得た経験から、Bというスキルを身に着けたくなった
- 応募先の企業はAというスキルを必要としていて、Bというスキルを身につけれる機会がある
- 最終結論:Aの経験で貢献しつつ、Bを身に着けたい
3段論法による事例①(マーケティング職の場合):
- マーケティングでコミュニケーション領域に携わってきた。自分が打った施策がどれくらいのパフォーマンスとなったかを知ることが好きで、分析を外部のベンダーと協業して行ってきた。データドリブンの昨今、分析のスキルを身につけたい。
- 今回応募したポジションでは、コミュニケーション施策立案力が求められ、データドリブンのコミュニケーションが求められているため、分析について学べる機会がある。
- 今までの幅広いコミュニケーション領域の経験を活かし、データ分析も深掘りしてそのパフォーマンスをさらにつきつめていきたい。
3段論法による事例②(経理職の場合):
- 経理の実務を積んできた中で、業務合理化を提案し生産性アップに貢献してきた。経理の業務最適化を1から行い会社としての生産性を上げるような仕事に携わりたいと思うようになってきた。
- 御社の募集では、経理・財務の業務合理化が一つのキーとなっていて、新しいソフトウェア含め、導入時から携われる機会があり魅力を感じている。
- ポジションの大きな役割である他部門の予算管理は得意分野である、その分野で貢献しながら、経理全体としてソフトウェアの刷新などを行う大型プロジェクトで経験を積みたい。
転職理由「専門性を高めたい」を伝える際に避けた方が良いポイント3つ
1.経験と次のステップが具体的につながっていない
自身の経験と次に身に着けたいスキルに文脈的につながっていないと、いくら近い分野でも採用側としては「?」となってしまいます。
2.自分の経験ばかりを優先している
採用におけるマッチングとは、あくまで応募者と企業側の求める人物とのマッチングがあって成り立つものです。
自分が新しいスキルを身に着けたくて、応募先の企業でそれを実現できるというのはあくまで一方的な理由です。
「これまでの経験が生かせる」かつ「新しいスキルも身につけられる」この二つをセットで企業に提案しましょう。
Win-winで採用を考えることが重要になります。
3.現職で実現できなかったことの諦めが早い
採用側から「現職で実現できなかったのか?」という質問が来ることがあります。
その場合「新しい仕事領域を自分で創り出そうと提案した」「異動を希望した」などの事実があると良いです。
何もトライせずにとにかく転職しようというのは、諦めが早い人だと思われてしまい、また次のスキルを身に着けたいときにすぐに転職してしまう人だと思われるからです。
採用側としては、やはり中長期で一緒に働いてくれる人を探したいので諦めが早くですぐに辞めそうな人は印象が悪くなってしまいます。
専門性を高めることが今なぜ重要なのか?
昨今の日本ではスキルベースの採用が普及してきており、今では、採用側としては応募者を見極める際に専門性がまず重要になります。
これは日本でこそ始まったばかりですが、グローバルで見ると極めて一般的なことで、専門性のない人は基本的に市場価値は低くなってしまうのです。
よって、キャリアの初期はまず専門性を確立し、その後その専門性をベースに管理職経験を積んだり、最新のスキルを身に付けたりと幅を広げていく必要があります。
時にさらなるエキスパートになるには、転職というステップを挟むことが不可欠な場合もあります。
また、その自分の専門性を時代とともにアップデートして常にアンテナを張って起くことが専門家として求められるようになってきています。
専門性を高める過程で大切なこと
キャリアで専門性を高めていくには、その分野で自分がどこを目指していて、今何が必要かを理解しておく必要があります。
そうすることにより自分のポジションや市場価値が良くわかり、今何をするべきかとるべき選択肢が見えてきます。
基本的には「時代ニーズ×自分の行きたい方向性」が重なり合う部分でキャリアを作っていきます。
どの領域の経験があれば市場価値が上がるのかを理解する
やみくもに専門性を高めるのではなく、以下のように効率的に行う専門性を高めていく秘訣があります。
自分に情報が集まってくるような状況を作りましょう。
- 転職エージェントのキャリアコンサルタントと関係構築
- キャリア系のSNSやメディアを利用する
- 社外のコミュニティに属する(オンラインオフライン問わず)
目指すゴールに向かっていく中で各ステップをクリアしていく
まずそもそもキャリアでどこを目指しているかを明確にする必要があります。それによってキャリアで踏むステップが変ってくるからです。
将来、社長や経営陣になりたい人は経営について理解しておく必要がありますし、自分は多くの人を束ねるのは苦手だから何か一つの専門分野のエキスパートになりたいという人もいるでしょう。
このようにどこに向かっていて、その過程で踏むべきステップを明らかにしておき専門性を高めていったり新たなスキルを習得する必要があります。
自分の興味領域の専門性を高める
自分の興味領域や強みの領域で専門性を高めましょう。
「興味がないのだけどなにやら給料が良いらしいから」こういった理由では長続きしませんし、新しいスキルの仕事に就いたとしてもストレスも感じてしまうかもしれません。
あくまで自分の興味・関心軸か強み軸の中で専門性を高めることをおすすめします。
外資系企業やグローバル企業は専門領域に特化したキャリア構築ができる
外資系企業の働き方は一つの専門性に特化した働き方をすることが基本です。
よって専門性を高くするには選択肢として良い選択肢といえます。
おすすめの外資系転職エージェント
en world(エンワールド)
業界ごとに特化した部門があり、非常に優秀なコンサルタントがそろっています。
最初の面談でまず細かくヒアリング、そこからのフォローアップも非常にきめ細やかです。入社後のフォローもあるのが特徴です。
JAC(ジェイエイシー)
伴奏力が高いエージェントです。
エージェントのマッチング力は最初の面談時のヒアリング力が鍵となりますが、ヒアリング力が高くそれが結果的に求人紹介のマッチング力、スピードが高いエージェントです。
採用側から見ても候補者の提案力が他のエージェントに比べ非常に高いのが特徴です。面接対策も充実していますので初めて使うエージェントとしてもお勧めします。
外資系のエージェントのお勧めはこちら:【2023年版】 外資系転職エージェント・転職サイトおすすめ一覧(業界別)|転職ゲートウェイ
まとめ
専門性を高めたいという転職理由は基本的には主体性にキャリアを築いているということから、良い印象を与えることができます。
以下NGポイントは抑えておきましょう。
- これまでの経験と具体的につながっていない
- 自分の経験ばかりを優先している
- 現職で実現できないことに対しての諦めが早い
また、専門的な退職を伝えるときのテンプレートを知っておけば良いでしょう。
専門性特化で働きたい人は外資系も選択肢としておすすめです。転職エージェントに相談することで自分自身の退職理由をブラッシュアップすることができます。
専門性を確立して、常にキャリアゴールを見据えながら今の選択肢を考えましょう。
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