転職では面接で聞かれるであろう質問がある程度決まっているので準備をすることが大切です。どのタイミングでどういった質問を聞かれるかを想定しておくことで、自信がつき落ち着いて回答をすることができます。
逆に準備をしないと、自信がない印象を与えてしまったり、想定外のことを聞かれてしまうと焦っていしまうような事態に陥り、そもそも自分自身のことを正確に伝える事すらできなくなってしまいます。
ここでは、私自身の面接官の経験からの視点で、どういった質問をどういった段階や目的で聞くかを解説します。
転職面接でよく聞かれるカテゴリー別質問一覧
よく聞かれる面接のカテゴリーは以下です。
- 冒頭(自己紹介)(全面接)
- 志望動機について(全面接)
- 職務経歴&スキルチェック(1次面接)
- 将来の目標(主に人事面談)
- あなたについて(主に人事面談)
①面接の冒頭(自己紹介など)についての質問
冒頭の自己紹介では主に提出した職務経歴書と履歴書の内容確認、あなた自身のコミュニケーション能力を見られています。端的にあなたの経歴、コアスキル、経験をサマリーで話せるようにしておきましょう。
- 自己紹介とこれまでの職務経歴について教えてください。
- 自己紹介をご自身の強みを踏まえてお話ください。
- 職務経歴と今回のご応募のきっかけについて教えてください。
②志望動機など転職の動機に関する質問
- 今回のポジションに応募した理由を教えてください。
- 今回の職務は現職とずいぶん変わりますが変えたいと思った背景について教えてください。
- 新しいチャレンジに関してどういった姿勢で取り組みますか?
- 全く違う業界への応募になりますがその背景について教えてください。
- 全く違う業界への応募ですがどのような面で貢献できると思っていますか?
ここで面接官としてはあなたの応募に対する意欲や熱意がどの程度あるのかを見る部分です。これまでのキャリアと今回のポジションで仕事をすることがつながるようにストーリーを作っておきましょう。
③職務経歴やスキルに関する質問
- どんな経緯でこの職務に決めたのですか?
- 職務経歴の中での成功体験について教えてください。
- 職務経歴の中での失敗体験について教えてください。
- 仕事を進めるうえで障壁や困難があったと思いますがそれらを乗り越えた経験がありますか?どうやって乗り越えましたか?
- 仕事を円滑に進めるうえでの進行プロセスについて教えてください。
- 仕事を円滑に進めるうえでのコミュニケーションについて気を使っている点などあれば教えてください。
- 上司への報告や相談について普段どのようにされていますか?
- 部下をマネージする際に一番気を付けている点などありますか?
- チームが円滑に仕事ができるように心がけていることがあれば教えてください。
ここは冒頭紹介したあなたの職務経歴の深堀りをする部分です。
さまざまな角度で質問がありますが、多くは経験や成果をもとにどんなプロセスでどんな仕事をやってきたのか「スキルマッチ」を見る部分です。できれば成果を数字で表現できるようにしておきましょう。
またプロセスについて見られることもありますので、この後説明するSTAR面接/コンピテンシー面接形式を想定して準備しておくとどんな質問にも対応できるので準備しておきましょう。
④将来の目標に関する質問
- キャリアでどのようなゴールを見据えていますか?
- 3年後、5年後にどのようになっていたいかといったキャリアの目標について教えてください。
- このポジションで何を成し遂げたいですか?
人事としては、一方的に候補者に入ってほしいというだけでなく、候補者の人が持つ目標と企業で期待する部分が重なり合うWin-winの関係になるようなポジションを提供したいと思っています。目先の目標だけでなく、中長期の目標についても共有しましょう。
⑤あなたについての質問
あなたが人物として文化マッチする人かどうかを見る部分で主に人事面談で聞かれることが多い質問内容です。
- 〇〇さんは親しい人や職場の人からどんな人に例えられますか?
- どんな性格でその性格をどのように仕事に生かしていますか?
- 仕事をする際は、どういったスタンスで仕事をしますか?
- 社内外の人とどういったコミュニケーションの取り方をしますか?
- 失敗体験について教えてください。
- 学生時代で部活動やサークル活動で達成したことについて教えてください。
STAR面接/コンピテンシー面接形式時の質問内容
STAR面接/コンピテンシー面接とは、構造化面接と呼ばれるもので、時系列に沿って一つの仕事やプロジェクトなどの経過を深掘りして聞く方法です。
その候補者が仕事で成果を出せる人かどうかを仕事のプロセスを一気通貫で見て内容に矛盾がないかという点を見られます。
具体的には、以下STARの順番で聞かれることが多いです。
- Situation(その時の状況)
- Task(何が課題であったか)
- Action(取った行動)
- Result(結果どうなったか)
Amazonの面接などでは最初に課題としていた着目していた数字について聞かれます。例えば営業の場合、それが成約率だったり、経営企画であれば生産性の低さに着目したなど具体的な数字を話せばさらに説得力が増すのでできるだけ数値化しておきましょう。
また成果部分で、当初から着目していた数字がどう改善したか。成約率20%→40%に上昇した。などと締めくくることができますので、数字を交えて話すことで成果を客観的に伝えることができます。
STAR面接/コンピテンシー面接の質問例
冒頭
成果を挙げた大きなプロジェクトについて1つ教えてください。
成果を出した仕事がいくつかあると思いますがその中から一つ例を挙げてください
Sisutation(状況)
どういった状況でしたか?
プロジェクト化するまでの状況について教えてください。
Task(課題)
改善しようと思った課題を具体的に教えてください。
何が課題でしたか?
なぜその課題に着目しようとしましたか?
課題だと思った具体的な根拠について教えてください。
Action(取った行動)
どのように意思決定したか教えてください。
その行動を上司や社内でどのように提案したか教えてください。
特定した課題に対してどのような行動をとりましたか?
選択肢があったと思いますがどのようにそれぞれの選択肢を評価しましたか?
行動したときの障壁をどう乗り越えたか教えてください。
プロジェクトが円滑に進むように気を付けていたコミュニケーションについて教えてください。
ミスしたことがあったり、もっと改善していればよりよく進めることができたと思うことがあれば教えてください。
Result(結果)
改善施策を行った結果について教えてください。
どれくらいの改善インパクトがありましたか?
関連部署にとってどういった影響がありましたか?
数字でインパクトがどのくらいあったか教えてください。
転職面接の際に使えるPrep法
PREP法とは、結論から先に話、相手に物事をわかりやすく伝えるためのテンプレートですが、面接でも応用することができます。
具体的には以下の順番で回答します。
- Point(結論・要点)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(結論・要点)
ポイントは先に結論を話し、最後にも結論で締めくくることです。
これをすることで常に伝えたい要点からそれることなく会話を続け、間にその具体例を挟むことにより会話自体の質や信ぴょう性を上げることができます。
PREP法を使うことで完結に相手に伝えることができ、相手に伝わりやすくなります。
Prep法による質問に対する回答例
質問「プロジェクトで生産性を上げたことがあれば1つ例を挙げてください。」
Point(結論・要点):
営業の チームメンバーのスキルの平準化および営業活動の構造化を行い、営業部の生産性を上げることに貢献しました。
Reason(理由):
チームメンバー一人一人の受注率がある人は5%、ある人は20%以上とばらつきがあり、これを平準化することで全体のパフォーマンス向上につながり、営業部門の総合的な生産性向上に繋がると考えたからです。
Example(具体例):
インタラクティブなトレーニングセッションや個別指導を通じて、営業チームのスキル向上を促進しました。一方で一番優秀な営業マンの行動を構造化し、営業活動のテンプレートを作りました。
これにより、各メンバーの成績が向上し、生産性が前年比で12%増加しました。
Point(結論・要点):
まずは個々のメンバーのスキルの平準化をすることで生産性を上げました。さらにそれを構造化した営業活動のテンプレートを営業研修に導入し持続可能なものにしました。
転職面接で面接官はどんな視点で質問しているか?
面接での質問には目的があります。どのような目的をもってその質問をしているかまでは面接官は教えてくれるケースは少ないので、ここでは私の面接官側の意図をご紹介します。
①スキルマッチが問題ないか
この部分は職歴や経験職務について聞かれる中で求めている経験のある候補者かどうか見極めます。場合によっては行動面接で掘り下げて質問することもあります。
②社風マッチが問題ないか
社内のカルチャーやチームの人員と打ち解けることができるかを見ています。「どういった仕事の仕方をする人か」「コミュニケーションの取り方」「志向性」などから判断されます。
③お互いの方向性がマッチしているか
面接官は、候補者に中長期で働く前提で採用活動を行います。よって、一方的にこちらのお願いする仕事をしてもらえばよいだけでなく、入社することによって、候補者のキャリア目標をかなえることができるかどうかという視点でも見ています。
転職面接対策には転職エージェントを利用しよう
転職エージェントは無料で面接対策やレジュメの添削をしてくれます。これによって書類選考時点~面接までの合格率が上がります。
転職を考え始めたら情報収集をするべくおすすめの転職エージェント(URL)に登録してみましょう。
転職エージェントでは、登録すると担当キャリアコンサルタントがつきます。きちんとあなたの業界や職種に知見のあるコンサルタントを選べば心強いパートナーになってくれるでしょう。
私自身の経験でいってもこれまでの関係の中から話をもらい転職したケースのほうが多く、自分一人で転職を経験したことはほとんどありません。情報面やスケジュール管理面両面で頼りになる存在が転職エージェントです。
転職面接対策におすすめの転職エージェント
JAC(ジェイエイシー)
伴奏力が高いエージェントです。
エージェントのマッチング力は最初の面談時のヒアリング力が鍵となりますが、ヒアリング力が高くそれが結果的に求人紹介のマッチング力、スピードが高いエージェントです。
採用側から見ても候補者の提案力が他のエージェントに比べ非常に高いのが特徴です。面接対策も充実していますので初めて使うエージェントとしてもお勧めします。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、私が初めて使った転職エージェントでしたが、特に30代前後の転職希望者にとってはお勧めのエージェントです。
担当者が親身になってキャリアパスの設計方法など教えてくれたり面接前のアドバイスや面接後の反省点などを一緒に考えてくれます。
古くからある大手エージェントなのでシステム化されていてフォローアップもまめに行われます。
転職面接での質問一覧まとめ
転職面接での面接官の視点には大きく分けて3つあります。
- スキルマッチしているか
- 文化マッチしているか
- お互いの方向性としてWin-winなのか
面接の中での質問は、基本的にはこの3つを見極めるための質問です。それぞれの質問の意図を理解したうえで適切な回答を準備しましょう。
スキルマッチや社風マッチがマッチしている前提で、大切なことはあなたのそのポジションへの熱意です。熱意は、あなたがこの会社でなければいけないという理由を説明する部分です。企業研究をしっかりしたうえで、自分がそのポジションで仕事がしたいという思いを経歴とつなげて話しましょう。
また、面接官がこの応募者は良さそうだ、と思ったときに心を開くタイミングがあります。それは自分の趣味の話や苦労話などをするときです。これは良いサインなので出来る限り趣味の話などが出たときにはその話題を広げれるような会話をしましょう。