「転職してまだ1カ月しかたってないのにもう辞めたい」転職直後は環境の変化により、ストレスを感じることは不思議ではありません。転職後1カ月で退職したい、と思う人もいることでしょう。私自身も経験者ですが、大切なことはその居心地の悪さが一時的なものなのか、その会社にいる限りは続くものなのか、どちらかを見極めることです。
この記事では、退職したいという原因を紐解き、退職するべきか退職しなくても良い前向きな苦しみなのかを明らかにします。そのうえで、転職するしないの判断ができるように記事を書きました。ご参考いただければと思います。
転職1カ月で辞めたいと感じる原因
そもそも1カ月で辞めたいと思う原因にはどういったものがあるかを挙げてみます。
- 環境や社風が合わない
- 社内でパワハラが行われている
- 残業が常態化している
- 職務記述書と仕事内容が違う
- 転職前にもらっていて情報と組織の情報が違う
- 仕事自体が自分に合わない
ここからは、それぞれの原因に対して対処法を見ていきたいと思います。
社風が合わない場合の対処方法
カルチャーフィットは、あなたが実務でのパフォーマンスを出すうえで一番重要な部分となります。社風が合わないと疎外感を感じてしまい、モチベーションが上がりません。
人によってはストレスで体調を崩してしまう人もいます。もしあなたが転職後一カ月で社風が合わないから辞めたいと思っているのであれば、次のいずれかに当てはまっているか考えてみましょう。
1.社風自体が自分に合わないか考える
「社風」と言われるものは、会社のビジョン、社内にいる人のタイプ、仕事の降ろされ方(トップダウンかボトムアップか)、社員の扱い方、多様性、組織の在り方など、があります。それらの多くが自分に合わないと思うのであれば、中長期でそこで働き続けるのは困難になるでしょう。しかしこの辺は事前の企業研究で大枠は理解できるものなので、本来であれば事前に調べてある程度クリアにしておくべきことです。
それでもどうしても情報収集をしきれず入社後に合わないという場合は退職の判断をした方がよいでしょう。
2.社風や環境に適応している最中
自分自身に合っていてもおかしくない社風なのにストレスを感じている場合、新しい会社の環境に適応している最中で一時的なものである可能性もあります。この場合は、試用期間3カ月間くらいは様子を見てみるくらいで良いかと思います。
3カ月経ってやはり一時的なものではなく馴染めそうにないと感じた場合は転職の判断もありでしょう。
パワハラが常態化している/パワハラを受けた場合
自分がパワハラをされる、あるいはパワハラカルチャーが横行している会社で、辞めたいと考えている場合も退職の判断をして良いでしょう。
もし特定の一人の人がパワハラをしているような状況である場合は、人事異動など回避できる可能性があるのかどうか、その旨相談してもよいでしょう。そのうえで、対処方法がない場合は退職の判断で良いと思いますが基本的にはなるべく早く退職の判断をして良いケースです。
パワハラをするような人に時間を使って消耗してしまう前に次のアクションを取りましょう。
残業が常態化している
残業が常態化している会社の場合、それが理由で辞めるというよりは、あなたが転職した目的を考えましょう。目的の達成と、残業の回避、どちらが優先かを考えてみましょう。
企業文化として明らかに人員不足、過度な負荷があなたにかかっているような状況でプライベートにも影響が出ていてかつ解決できない場合は退職の判断を取るという流れで良いでしょう。
職務記述書と仕事内容の事実が違う
これは、想定していた職務内容と乖離があり、自分が目的としていたスキル習得ができないような場合です。社内で事情を話し、想定通りの職務内容に戻してもらえない場合は、退職の検討もあるでしょう。
きちんと目的を達成できる職場を早く探すことが優先だと考えます。
難しいのは、本来の職務記述書と比べて職務内容が増えていた場合です。この場合は、目的自体は果たせるということであればすぐに退職をするという判断でなくとも良いかと思います。あまりに増えた部分の負荷が高く、本来の目的である仕事ができない場合は上司などしかるべき人に話してみるべきでしょう。
転職前の情報と乖離がある場合
これは、人材の回転が速い会社や外資系企業ではよくあるケースです。「転職の際の面接者が入社したら退職している。」「組織が一変している。」などあります。
このような場合、自分にとってその状況になったことにより、そもそもの転職の目的が達成できるかどうかを考えてみましょう。組織が変わったことにより、自分が思っていた仕事をやらせてもらえない場合などは、まずは人事に相談してみることをお勧めします。
そのうえでしばらく本来目的としていたことができそうにない場合は、退職の判断を取るべきでしょう。
仕事内容が自分に合わない場合
もし新しい職種や業種に転職をしてすぐにこの仕事は自分に合ってないと思う方は、総合力として採用されたのか専門職として採用されたのかで対処法が違ってきます。
専門職採用の場合は基本的にはその職種で仕事をすることになるので仕事そのものが合わないのでは遅かれ早かれ辞めることになるでしょうから退職の判断をするべきでしょう。
総合職採用の場合は、一時的な可能性があるので異動になるタイミングがいつごろ来るのか、周りの人に聞いてみたり傾向を調べてみましょう。転職の目的にもよりますが、会社の社風自体には満足している場合は退職の決断を急ぐよりも慎重に社内での選択肢も検討するのも一つの手段です。
転職1カ月で辞める場合のメリットデメリット
転職1カ月で辞める場合のメリットデメリットを見ていきましょう。
デメリット
- 辞め癖がついてしまう可能性がある
- 転職活動でブランクが空く
- 次の職場を決めるまでに無収入の状態が続く ※→次の職場が決まる前に退職した場合の対処法はこちらの記事もご参考ください「転職はなんとかなる!?退職してから転職に成功するポイント」
メリット
- 今のストレスから抜け出せる
- 失敗をもとに新しい職場を探すことができる
- 3カ月以上いるよりも履歴が傷つかない
使用期間中の3カ月という期間をうまく使う
試用期間というのは、ネガティブにとらえている方も多いですが、お互いにとってお見合い期間のようなものです。自分が本当に合わないと思った環境や仕事の見極めをする期間ととらえてよいでしょう。そのうえで、使用期間が終わる、あるいは終わる前に退職の判断をすればよいです。
また、一般的に3カ月以内に辞めた場合は、職務履歴として経歴に記述する義務はありませんので、必要以上に傷がつくことを恐れて辞めれない方は、3カ月という期間を一つの区切りにする。なお、試用期間が6カ月の会社もありますが、その場合も3カ月で辞める辞めないの判断はした方が良いでしょう。
転職エージェントを使う
退職するべきかとどまるべきか冷静に判断できず、退職に踏み切れない人は転職エージェントなどのプロに事情を相談してみましょう。相談して他人に話をしていく中で頭の中がクリアになり、次にとるべきアクションが見えてくることもあります。
また、転職エージェントは様々な状況の転職希望者を見てきているので適切なアドバイスやサポートをしてくれるでしょう。使用期間をすぎて中途半端な期間いた人よりも3カ月以内で見切りをつけて転職するほうがエージェントにとっても扱いやすいこともあります。
※転職エージェントの利用に関してはこちらの記事もご参考ください→
「転職エージェントとは?利用するメリットデメリットも解説」「転職活動で複数の転職エージェントを使う際のメリット・デメリット、注意点など」
まとめ
結論としては転職後辞める辞めないの判断は、辞めたいのレベルによります。
職場環境がそもそものイメージと全く違い、自分が長く働くことはまずそもそも難しいだろう、と感じた場合はすぐに転職することをお勧めします。しかし、それ以外の環境への適応や仕事を身に着けるプロセス自体の苦しさが原因である場合は、どの職場にいっても経験するフェーズですので次の職場でも同じような経験をしてまた転職したいとなる可能性もあるでしょう。
まずは辞めたいと思って居心地の悪い理由を明らかにして、その理由がこの職場特有なものなのか、どの職場でも起こりうることなのかをプロにも相談しはっきりさせて冷静に転職の判断をしましょう。