ここ最近の転職活動で一般的になってきた「リファレンスチェック」、昨今ではかなり一般的になってきましたが「在籍中に行うと転職活動をしていることが周りに分かってしまうのではないか?」と心配する人もいると思います。
また「そもそも誰に依頼するの?」「採用活動の選考にどの程度影があるの?」この辺についても私自身がリファレンスチェックを採用側で実施していた経験から解説していきたいと思います。
リファレンスチェックとは?
リファレンスチェックの目的は、内定を出そうとしている応募者に対しての経歴やスキル、社風がミスマッチではないかの最終確認をするためのものです。また、前職での勤務態度や評価を確認するためのものでもあります。
内容としては主に応募者と一緒に働いたことのある人にヒアリングを行い募集しているポジションとの親和性や人柄などのチェックを行います。
日系企業ですと代替半分くらいの割合で実施されていて、外資系企業やグローバル企業大手ですと8割がた実施しているイメージです。
バックグラウンドチェックとの違い
バックグラウンドチェックは応募者が履歴書上、虚偽の申告をしていないかのため、在籍していたとされる企業への在籍確認がメインとなります。通常は現職や前職企業に行うものです。こちらも応募者の承諾なくして行うことはできません。
リファレンスチェックは断ることはできるの?
断ることはできます。しかし、通常リファレンスチェックは内定直前の採用プロセスの一貫として組み込まれています。よってこのステップなくしては内定をもらえません。
リファレンスチェックには、応募者には拒否権があるので、内定を出してからでは遅いということになります。よって内定前に依頼をして、その結果込みで内定を出すということが一般的な流れになっています。
リファレンスチェックでどの程度が選考から落とされるのか
さて、この「リファレンスチェック」によって選考から落とされる人はどの程度いるのでしょうか?
こちらのデータによると、全体として26%が採用の判断に大きく影響していると答えています。(外資系企業23%日系企業33%)
しかしながら、実際にリファレンスチェックによって、選考から落とされる人は私自身の採用側の経験から言うとかなり少ないと思います。実際には10%以下ではないでしょうか。
というのも、基本的にリファレンスチェックはコストや労力もかかるため内定を出す前提でお願いするものです。頼んだ人からよほど辛辣なコメントをもらわない限りはほぼないと思います。
また、受ける側としては調査の相手を選ぶことができるので、友好的な人を選ぶことで極力変なコメントはもらわない相手を選ぶ配慮もできます。
リファレンスチェックを実施する方法について
直接電話などによるヒアリング
この方法はリファレンスチェックツールが出てきてからは少なくなってきている方法かもしれませんが一番一般的な方法です。
内容は、採用担当者が電話で前職の上司などから応募者の職務内容や勤務態度などについて聞くものです。基本的には応募者の同意がなければ実施できません。
そのうえで、協力してもらう現職や前職の上司にヒアリングに同意してもらってから実施します。
私は個人的にこの手法が、直接応募者を良く知っていた上司から生の声が聞けるので一番信ぴょう性がある方法だと思っています。
ツールによる調査
リファレンスチェックツールはツールの請負会社によって運営され、最終的に採用企業側に共有されます。事前にリファレンスチェックに協力してもらう人の連絡先を登録します。
調査の流れ
- ツールに事前情報登録
- 確認連絡が依頼する人に行く(同意確認)
- 連絡内のリンクから回答
- 回答が回収されて企業に共有される
転職エージェント経由での依頼
このケースは稀なケースですが転職エージェントに採用企業が権威委譲して行うケースとなります。転職エージェントが採用企業の依頼内容に基づき実施します。
また、企業によっては、転職エージェントに登録している時点でリファレンスチェック済みという認識でリファレンスチェックを省略する企業もいます。
リファレンスチェックで聞かれる項目
質問項目については、使うツールや調査する人によって質問項目が違いますが、一般的な内容は以下となります。
- 在籍期間
- 対象者と一緒に働いていた期間
- 一緒に仕事をしていた内容
- 応募者は周囲から見てどういった人物だったか
- 勤務態度や仕事のやり方
- 応募者の性格・強み
- 改善の余地がある点
私が聞く場合で特に自分のチームのメンバーとなる場合は「勤務態度」や「応募者の性格・強み」を詳しく聞くようにしています。特に今いるチームと協力して仕事を進めれそうな人かどうかは大きなポイントだからです。
リファレンスチェックはいつ実施されるのか?
最終面接前か最終面接後で内定を前提とした応募者に内定前に実施するケースが多いです。
リファレンスチェックにはコストもかかるので、企業としては内定受諾後に確実な応募者にのみやりたいところです。
しかしながら、内定後に行う場合は応募者にはリファレンスチェックの拒否権があります。そのため確実に実施して内定を出すためには内定前のタイミングの実施となります。
リファレンスチェックは誰に頼めば良いの?
これは企業によってリファレンスチェックの対象が違いますが、一般的にはこの辺の人が対象となります。
- 前職やこれまで働いた職場の上司
- 前職やこれまで働いた職場の同僚
- 前職やこれまで働いた職場の部下
当然、企業に自分の事を良く話してもらいたいので、友好的な人を選ぶべきです。前職で高圧的だった上司や関係が良好でなかった人を選ぶと選考に影響が出る可能性があるのでできるだけ避けたいところです。
何人くらいに頼めば良いの?
リファレンスチェックの場合は、2~3人に依頼を頼まれるケースが多いと思います。
前職調査のような在籍確認する場合は、前職の人事や直属の上司に確認することが多いです。
どうやって依頼すれば良いの?
これまで一緒に働いた同僚や部下などに事前にリファレンスチェックのお願いをします。電話やメールなどで調査が実施されることを伝えておきます。もちろん拒否権はありますので断られることもあります。
在職中に行うと現職の人に転職活動がバレるのか?
結論から言うと現職の上司などに分かる可能性は完全には防ぎきれません。依頼された人が周りに話すことは可能性としてゼロとは言い切れないからです。
ただし、最近は企業もその辺を察して、現職ではなく、前職の同僚にしても良いなど柔軟に選べるようになっています。
また、私の応募者側の経験から言うと、現職には知られたくないので前職にしてくださいと伝えれば、特に問題なく応じてくれるケースが多かったです。
まとめ
リファレンスチェックについてのポイントは以下のとおりです。
- 目的は内定を出すにあたりマッチングに問題ないかの最終確認
- 現職の人に知られたくない場合前職の人に依頼する
- リファレンスチェックによって先行を落とされる人は少ない
- 同意がないと実施することはできない
- 回答者は指名することもできるので友好的な人を選ぶ
- 調査機関、採用企業以外に共有されることはない
日ごろよりリファレンスチェックでも良いコメントをもらえるような就業態度でいることが重要だと思います。
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