「会社の環境が悪くて辞めたいと思っているけど自分の忍耐力がないだけだろうか」「他の人も同じように感じているのだろうか」
転職した方がいい会社は、表面的には分かりにくい場合もありますが、はっきりと特徴があります。ここでは筆者の転職経験から、転職した方がいい会社の特徴と実際に転職に踏み切れるようになる思考法を解説していきます。
転職したほうがいい会社の特徴
人材の定着率が低い(退職率が高い)
退職する人が後を絶たないような会社はそれ自体がその企業の状況を象徴していると言えます。離職率の平均値ご参考ください。
業界によって離職率は違いますが、あなたが所属する業界の離職率の平均を大きく上回っているような会社は社内の状況が良くない証拠です。人間関係が悪かったり、社員がストレスを感じる環境になっている可能性が高いです。
以下は厚生労働省の調査による業界別の離職率データとなります。ご自身の所属する会社との比較の参考にしてみてください。
ジョブローテーションで専門性が身に付かない
私は個人的にこのような会社は若年期には様々な仕事を経験できるので良いと思いますが、キャリア中盤に差し掛かってきて部署を転々とさせられることは専門性が身に付かないので転職したほうがいい会社と言えるでしょう。
こういった会社は、若年期に仕事のお作法を覚えさせてもらうことや、自分に適性のある仕事の見極めるまでのフェーズに留めておきましょう。
パワハラやセクハラが横行している
パワハラやセクハラが社内で当たり前のように行われているのに、それに対する是正処置が社内でなされていないというのは危険な会社です。ストレスを感じている社員を見殺しにしている会社は今すぐ転職しましょう。従業員を将棋の駒だとしか思っていない、転職したほうがいい会社だと言えます。
特にそのような会社で、自分が被害にあっている場合、メンタル疾患を患う前に早めに転職を考えた方がよいでしょう。
ボーナスカットが当たり前の会社
典型的な日系企業の給与体系はベース給与が低く、ボーナスが4カ月分などという内訳になっていますが、これは会社の成果連動型でぼーナス額が毎年決まりますが、いざという時に給与を圧縮して利益を調整できるからです。
ボーナスが給与の多くを占める会社でボーナスが毎年のようにカットされているという状況の場合は企業自体の運営がうまくいってない証拠です。
従業員を大切にしない会社
馬車馬のように働くことを奨励し、馬車馬のように働かないと評価されない、そんな会社には今すぐ見切りをつけましょう。また、そのような会社では、会社員に対して還元することは考えられていないケースが多くあります。まさに、転職したほうがいい会社と言えるでしょう。
会社のために自分の健康や命まで犠牲にする必要は全くありません。心当たりがある企業で働いている場合は、今すぐ考え直しましょう。
長くいる人が偉い(年功序列型の企業)
特に主体性をもってキャリア構築していきたい人、新たな仕事にチャレンジしたい人にとってこの制度は致命的です。若者はどれだけ働いても昇格のチャンスはほぼありません。
一方で、ある程度の年齢までなればマネージャーなどに昇格できる可能性もあるので、キャリアが予測しやすいとも言えますが、その年齢まで待てるかといったところを慎重に検討しましょう。
給与が上がらない/上がる仕組みがない
給与が上がる仕組みがない、そもそも評価制度がなかったり明確でない、などといった会社では正当な評価がされていない可能性が高いです。
また、評価が必要以上に複雑で分かりくい制度にすることで、明確な昇格基準をあいまいにしているケースもあります。
昇格して管理職ポジションにつきたいという人は、評価制度が明確な会社の方が近道です。
福利厚生がないに等しい
福利厚生は会社にとってコストです。福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生がありますが、多く用意すればするほど従業員一人あたりに対してのコストが多くなります。
従業員への還元を考えない会社の場合、極点に福利厚生が少ない場合が多く中には交通費の支給が限定されているような会社も存在するのです。(以下参考)
スーパーフレックスタイム制で残業をつけれない
スーパーフレックス制度を導入し、柔軟な働き方を謡いつつ残業をつけられない会社が存在します。
じつはこういった会社は、先にスーパーフレックスがあったのではなく残業がとんでもなく多いのでスーパーフレックスになっているという経緯があることが多く、残業時間が申請できないように意図的にそうしているケースも多いのです。
スーパーフレックスなのに残業が多い上、残業がつけられない会社は、転職した方がいい会社といえるでしょう。
異常なまでの体育会気質
「朝は全員揃って朝礼」「夜は飲み」「声が小さいと怒られる」極端な例ですがこういった会社は結構あります。文化があっている人にとっては問題ないかもしれませんが、対照的な性格の人にとってはストレスを感じることも多いのではないでしょうか。
転職者が定着しない
転職が一般的になってから、中途採用で入社してくる人々がなかなか定着しない会社が多く見受けられます。
そのような企業は、古くからいる人で固められ、会社が変わらないような体質になっている可能性が高いです。新しい意見も通りにくいことが多いため、仕事をどんどん主体的に推進したい人には難しい環境と言えます。
社長がコロコロ変わる
こういった企業は企業の立て直しを計っているけどもうまくいかないケースです。社長が変われば変わるほど方針は変わり、そのたびに従業員も振り回されるため、自分自身の仕事に集中することが難しいはずです。
社内報では良いニュースしか流れてこない
このような企業は自社に対しての印象操作をする会社で、従業員は会社の良くない実態をインターネットなどのニュースで知ることになります。社内で共有される情報が、社外で出回っている悪いニュースとあまりにも乖離がある場合は注意しましょう。
完全トップダウン型企業
従業員は働きバチのように降りてきた仕事をこなすだけ。カリスマ起業家が経営するベンチャー企業のようにこういった会社は存在します。自分のキャリアを考えるなどもってのほか、仕事での提案は寸分たりとも通りません。受け身でやる人は良いかもしれませんが主体性持って仕事がしたい人には厳しい環境と言えます。
特定の派閥によって実質運営されている
社内や経営層で派閥のようなものがあり、その派閥に属している人しか昇進しなかったりする場合、会社はこの派閥に実質主導権を握られています。政権は変わることもあります。
こういった状況の会社はどこにでも存在します。うまくやるには、その派閥に乗っかれば良いわけなのですが社内の政治には特殊なスキルが必要です。
仕事やキャリアに集中したい人は、できる限りニュートラルなポジションを保ち、こういったスキルではなく、目的である仕事ができる会社にこだわりましょう。
入社時の採用条件と違う
蓋を開けてみると採用条件が違う、仕事内容が違うという会社に入社してしまった人。それは悪質な企業です。転職した方がいい会社といえます。
特に仕事内容が違う場合、転職でキャリア構築の目的を持ってきた人にとって致命的です。その会社に未練がある場合は人事や上司に訴えた方が良いですが、同時並行して自分の条件に合った会社への転職も考えると良いでしょう。
噂話が絶えない会社
上層部や社員に対しての黒い噂話が絶えない会社は、従業員が不満をつのらせている会社が多いです。噂話に付き合わないと仲間として認めてもらえません。精神衛生的にも良い環境ではなため、転職した方がいい会社といえるでしょう。
このような会社は上層部にリーダーシップがない会社や運営が不透明な会社が多いです。
転職した方がいい会社かどうか知る方法
企業の評判系の情報サイトを調べる
OpenWorkなどの会社の評判サイトには、退職した人による書き込みが書かれています。
転職先の情報を知るために、前職の情報を入力するというWin-winの仕組みとなっています。
そのようなサイトでは、もちろん退職者という一定のバイアスがかかったコメントではありますが、共通のコメントなども見られたりするので一度見てみると良いでしょう。同じことを感じて退職した人などもいると思います。
転職エージェントに話を聞く
転職エージェントは業界に特化した企業や業界特化チームを持った組織も多く、企業の特徴を良く知っています。今の自分の会社の状況をよく理解してくれ、転職の相談にも乗ってくれます。また転職エージェントに相談しても、転職することが必須ではないので、まずは登録して相談や情報収集をしてみることをおすすめします。
【2025年版】 外資系転職エージェント・転職サイトおすすめ一覧(業界別)
おすすめの転職エージェント
JAC(ジェイエイシー)
ジェイエイシーは転職希望者の伴奏力が高いエージェントです。職務経歴書添削、面接前のシミュレーションや事前対策に十分な時間を使ってくれます。
また、私の採用企業側での経験では、担当コンサルタントの推薦力・対応の速さが他エージェントよりずば抜けていました。推薦するには候補者側との信頼関係がないとできないので、その点からも関係構築力の高さが見えました。
ジェイエイシーはチーム制で仕事をする会社なので転職希望者の希望条件に応じて適切な担当者を紹介してもらえます。
ビズリーチ
ビズリーチはヘッドハンターおよび採用企業が在籍し、あなたがマッチすると思ったポジションがあれば声をかけてきます。そのため1度の登録で採用関連の人々と会えるため効率的に転職活動を進めることができます。
あなたと相性の良いエージェントを探すためには、ビズリーチはまず登録しておきたいプラットフォームです。
転職サイトの【BIZREACH(ビズリーチ)】の公式サイトを見る
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、転職が初めての方にとっても分かりやすく、プロセスから丁寧に説明してくれます。特に20代30代で次のキャリアの方向性に迷っている人などにとっては、相談に乗ってくれる頼もしいエージェントです。採用企業からの信頼も高く、非公開求人を多く保有している印象です。
マイナビ転職
マイナビもCMでおなじみのようにヒアリング力に定評があり、転職希望者の満足度も非常に高いエージェントです。大手エージェントなので非公開求人も豊富にあるため、転職希望者にマッチした企業の選択肢を示してくれるでしょう。
本当に転職するべきタイミングは?
自分がいわゆるブラック企業にいるからといって、それでも目的が達成できているのであれば少しの犠牲は惜しまず働くと言う選択肢もあります。キャリアを見据えた場合の転職した方が良い時期について解説します。
チャレンジしたい仕事がある
「今の仕事の延長線上で新たにやりたい仕事が出てきたが、今の会社では実現できそうもない。」こういった人は転職のタイミングです。目的が明確でポジティブな転職動機、このような時はまず活動を始めてみましょう。情報収集をしていくうちに、自分が狙えそうな企業、どういったポジションがあるのかなどクリアになってきます。
キャリアパス上で転職が必要な場合
キャリアでの最終的なゴールが明確な人は、そこにたどり着くまでにどの時点でどういったスキルや経験が必要か、ある程度分かっていると思います。「そろそろ管理職を経験したい時期だけど、今の会社ではいつになるか分からない」こんな人は、自分にも管理職のチャンスがありそうな会社を探してみると良いでしょう。
その会社で学ぶことがもうない
向上心があり、今の会社で学びたいことは全部学んだ。という人は転職のタイミングかもしれません。しかしやみくもに転職するのではなく、あくまで中長期の目標を見据えて明確な目的をもって転職をするようにしましょう。
健康を害するくらいのストレスを感じている
繰り返しになりますが、あなたの健康までを犠牲にして会社で働く必要はありません。まずは休職という選択肢もありますが、基本的には会社の体質はそうそう変わりませんので、転職を考えるのも選択のひとつです。
なぜ転職した方が良いのか
「転職=悪」というイメージがある人もまだ一定数いるかもしれませんし、少なくとも一昔前の終身雇用制度が謡われていた時代にはそういったイメージがあったと思います。しかし今は転職も一般的になり、自分の可能性を模索し新しい会社でチャレンジができる時代です。
なぜ転職した方が良いのか?を改めてリストアップしてみました。
人生長くないから
人生は思ったより短いです。不本意な場所で消耗してしまうことよりも、主体的に動き自分が活躍できる場所で働きましょう。目的を持ったキャリア構築は、人生を充実させてくれるでしょう。
会社のために消耗する必要はないから
会社のためにあなたが必要以上にストレスを抱え、疲弊する必要はありません。一生モノの精神疾患を患っても、会社は次の働く場所やあなたの生活を保証してくれません。あなたがより自然体で、健全なモチベーションを保って働ける場所を探すべきでしょう。
あなたがいなくても会社は回るから
何年も働て居ているとその会社に情が移り、あたかも自分が築き上げてきたことに比例するかのように、自分かいなければ仕事が回らないかないような錯覚に陥る人も少なくありません。じつはこれが一つの転職ができない人の症候群といってもいい症状です。
実際は、会社はあなたがいなくても常に回っていきます。
転職に興味があるけど、何から手を付けたらよいかわからない方は、転職活動の進め方についての記事もご参考にしてください。
【2025年版】転職方法完全ガイド ~年代別・種類・流れについて~
まとめ
じつは、気づかずに世の中でいわれるブラック企業に属している人は結構います。一部上場企業であっても社内では残業が常態化し、昔ながらの忠実な社員たちが日々遅くまで働き、数字に追われている毎日だったります。
こういった企業で働いている人は、自分のキャリアの中長期的な目標と価値観を改めて考え、転職の選択肢を考えてみましょう。
転職した方がいい会社の特に危険なサインは以下です:
- 人の回転が異常に速い
- 一部の権力を持った人がハラスメントを行っている
- 組織や会社の方針がコロコロ変わる
心当たりがある人は、転職に向けてまずは情報収集から、少しずつ準備を進めてみてはいかがでしょうか。
また、ブラックな企業では退職することを阻まれるようなことがあったり、退職を言い出せない雰囲気があったりもするでしょう。そういった場合は”退職代行サービス”などの第三者機関を通して、間接的に退職を伝え手続きを行い、出社せず辞めることもできます。自分を守るためにそういった選択肢も検討してもよいでしょう。
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