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大手企業からの転職についてのメリット・デメリットをパターン別に比べてみた

挑戦か安定か

社会的信用のある大手企業に所属している方は、転職をためらう方も多い事でしょう。私自身もはじめて大手企業から中小企業に転職をしたときは、未知なる世界で不安もありました。結果的にはやりたい仕事を追いかけてそれが実現できたので良かったのですが、最初は不安がつきまとうものです。

この記事では大手企業から大手企業、大手企業から中小企業への転職のメリット・デメリットなどについても説明していきます。

大手企業からの転職パターン

大手企業から大手企業へ

大手企業から大手企業へ転職するパターンです。大手から中小への転職よりも安定性という意味でリスクは少なくなります。大手から大手だと福利厚生面や働き方の柔軟性もある程度担保されます。

よって、人生の大半を会社員として進む考えの人にとっては、転職の目的が大手でもかなうのであれば私はこちらをお勧めします。また、一度中小企業に転職した人が大手企業に行くのは比較的難しくなります。

大手企業から中小企業やベンチャー企業へ

大手企業から中小企業へ転職するパターンですが、中小企業と言ってもベンチャー企業、創業間もないスタートアップ企業、外資系企業の日本法人など様々あります。共通点は、福利厚生は大手企業ほど期待はできないことです。

反面、仕事はまだまだ企業として成熟していないケースもあるので組織を作っていく過程だったり、新規事業を広げていく中から学べることがあるでしょう。将来性のあるスタートアップを転職先に選ぶと、創業期~成長期に飛び込んでIPOを目指すと言った夢のある働き方もあります。

大手から大手へ転職するメリット・デメリット

メリットデメリット

大手から大手のメリットは、私自身2度経験していますが、安定感を捨てることなく新しいことにチャレンジできるため、タイミングよくポジションさえあればお勧めの転職方法です。

逆にいうとデメリットはそもそも大手で歴史の長い会社はいわゆるプロパー社員と呼ばれる人も多いので、その人たちに溶け込むのに一定時間がかかることでしょう。

転職も昨今では一般的になっていますし、外部人材を多く受け入れ出しているので、予めどういった人がいて、どんな文化なのかをリサーチしておけばここはクリアできると思います。

大手から大手へ転職するメリット

  • 収入の安定などを損なうことなく新しいことにチャレンジできる

大手から大手へ転職するデメリット

  • 伝統的な大手企業だと入社してから溶け込むのに時間がかかる可能性がある

大手から中小やベンチャー企業へ転職するメリット・デメリット

大手企業から中小企業へ転職するケースは、「どうしてもやりたい仕事がある」からというのが大半です。

どうしても、中小企業やベンチャー企業は人も大手に比べて人員の余力もないため忙しくなりがちで残業もそれなりに多い企業もあります。それでも行きたい理由がある人には良いですが、大手企業の時の安定した給与や福利厚生からは状況が変わることを理解したうえで転職を進める必要があります。

大手から中小企業へ転職するメリット

  • より仕事の裁量権を持たせてもらえる
  • 仕組みづくりなど大企業で学んだことを生かせる
  • よりフラットな組織で仕事が進めやすい
  • 仕事が細分化されてないので幅広く見れる

大手から中小企業へ転職するデメリット

  • 大手企業に比べて福利厚生が少ないことが多い
  • 個人の裁量が大きく、責任範囲も大きい
  • 大手より忙しくなりがち(残業も多い)
  • 大手に戻れない可能性がある

大手から大手へ転職した成功事例

成功した人の例

大手日系メーカーから大手外資メーカーへ転職 30代男性

医療機器の営業をしていたFさんは、ある時スカウトサイトで同業の大手外資系企業から声を掛けられたことがきっかけで転職しました。

この外資系企業は業界内では有名な大手ですが、今回Fさんに声をかけたのは日本市場へもっと営業で入り込みたいため、そこを推進してくれる人としてたくさん医療系施設のクライアントを抱えているFさんのような人を探していたからでした。

もともと日系企業で年功序列職の強い企業だったため、なかなかマネージャーポジションが空かず昇格が難しかったのですが、外資系企業からのマネージャーとしてのオファーをもらいオファー承諾しました。給料も上がりWin-winで非常に双方にとって大きなメリットがあった好例といえます。

大手人材企業から大手同業他社の新規事業立ち上げ 40代女性

Kさんは大手人材会社である事業部のマネージャーをしていました。不満もそこまでなく仕事をしていましたが、ステップアップするタイミングがないか模索していましたが、社内で新しいことに取り組むことは難しそうだったことから転職を検討するようになります。

なんとなく登録した転職サイトの求人を見ているときに、同業の大手人材会社が今の自分がマネージャーをしている事業の新規で立ち上げるポジションの募集があることを発見し、どういった内容かを聞いてみることにしました。内容は、新規事業を立ち上げ、その後その部署の責任者になるというポジションでした。Kさんにとっては新しいチャレンジ、企業にとってはまさに欲しい人材だったこともあり、応募したところスムーズに内定を得ました。

このように同業内でも、一方の会社にはまだない事業の知見を持った人を募るケースはたまに見かけるケースで、タイミングがあった時に移動できた事例となります。

大手小売業のデジタル推進からコスメ業界のDX推進へ 40代男性

小売業のC向けのデジタルマーケティングやWeb施策を推進していたSさんは、小売業の休みが少なく、土日休みもあまりとれず、残業が常態化していることに疑問を感じていました。家族との時間を増やせうなポジションがないかと転職エージェントに登録します。

そこで、ちょうどコスメ関連企業でDXを推進する事業があるということでポジションの紹介を受けます。大手同士の転職で安定もしているし、土日休みもきちんととれるということもあり、オファーをもらい承諾しました。

この成功事例は、大手から大手の成功事例で安定を捨てることなく、新しいことにチャレンジできた好例となります。

大手から中小企業への成功事例

大手教育系出版社営業から中小広告代理店営業 30代前半女性

一部上場の教育系出版社でマーケティング担当をしていたSさんは、もっと様々な企業や商材のマーケティングを全般的に見たいことから、広告代理店に転職しました。転職活動をやっていく中で、広くマーケティングや広告の経験を得たいということもそうですが、もっと裁量を持たせてもらいたいということに気づき、中小企業も視野に入れて転職先を探しました。結果的に数十人規模の広告代理店で多くのクライアントを任せてもらうポジションのオファーをもらいました。

転職活動の中で自分の求める優先順位が分かったことが成功の要因と言えます。

大手SIerから中小企業のソフトエンジニアへ転職 20代後半 女性

もともとSIerに新卒で入社し企業向けの大型システムのなどの案件をやっていたAさん。より消費者に近い立ち場でアプリ制作などに携わりたいという思いが募り、3カ月間の学習期間を経て、中小企業のソフトエンジニアになりました。

もともとやりたいことが明確になっていた中、大手で働くという社会的信頼よりも中小企業で自分がチャレンジしたい仕事に取り組む事を優先順位としたことが成功した要因と言えます。

大手企業から転職をする場合に注意しなければいけない点

福利厚生を当たり前だと思ってはいけない

特に大手から中小企業へ転職する際に注意しなければならないのが、今ある福利厚生はほとんどなくなると思っておいた方が良いです。私個人もはじめて大手から中小企業に行った際に驚きました。「営業手当など〇〇手当といったものが一切なくなるとこんなに給料が減るんだ・・・」ということもあり得ます。

中小企業でも企業によるところもありますが、一般的に福利厚生は限定されてきます。

残業手当支給を当たり前だと思ってはいけない

中小企業では残業手当がつかない企業も多くあります。福利厚生同様に当たり前ではなくなると思っておいた方が良いでしょう。

リモートワークやフレックス制度を当たり前だと思ってはいけない

中小企業では、リモートワークやフレックス制度なども同様になくなると考えておいた方がよいでしょう。むしろ私の知っている中小企業は一部職種を除けばほとんどが基本的には出社必須っでフレックス制度はなし。という企業が圧倒的に多いです。

大手企業からの転職に成功する方法

注意点

大手から転職する目的を明確にする

まずは転職する目的を明らかにしましょう。その目的が一時的なネガティブ要因であればもう少し中長期的な視野で考えなおした方がよいです。

今転職しなければいけない理由が明確であれば、その目的を実現できそうな企業を考えてみましょう。「それは違う大手企業でも実現できることなのか?あるいは本当に中小企業でなければいけないのか?」など様々な角度で検討しておきましょう。

中小企業への転職は犠牲になるものを理解する

大手から中小企業のデメリット部分でも述べたとおり、デメリットがあることを理解しておきましょう。その犠牲を払ってでもどうしてもやりたい仕事だから転職したいという場合はその道を行くべきです。特にベンチャー企業など創業期には大手企業とは180度違う労働環境になることもあります。キャリアの目的によってはそこでしか得られない学びになるりますが、目的と合っていないとストレスの多い環境にもなりえます。

転職エージェントなどプロの意見を聞く

転職エージェントは、あなたの実現したい転職の状況でどういった事例があるかを教えてくれます。また、中小企業にいくのが初めての方は、実情について詳しく情報を教えてくれます。同じような転職事例も多く見ていると思いますので、参考にあなたと同じような転職をした人について転職エージェントにも聞いてみましょう。

まとめ

新しい仕事がしたいから転職を検討するのであれば、無理に中小を選ばず大手から大手への転職がお勧めです。逆に裁量権をもっと持ちたい人や自分がどんどん提案をしてビジネスを推進したいというように、目的が明確な人は中小企業も選択肢として良いでしょう。

ただし、大手のような給与の安定や福利厚生などは中小に行ったらなくなると思っておいた方がよいです。自分の転職の目的を明確にしたうえで、それを実現できるのは大手なのか、中小なのかを見定め転職しましょう。

また、大手から中小企業への転職は大きな決断だと思いますので、中小企業の実情などは内部に詳しい転職エージェントに聞くことが一番近道で、かつ表に出ていない情報なども共有してくれることもあります。

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