「なぜ転職するか」「どうして当社を志望するのか」という質問はまず間違いなく面接の際に聞かれる二大質問です。しっくりくる回答が用意できないという人もいるかと思います。
この記事では、面接の際に面接官に対して好印象を残すことができる転職理由や、ネガティブな理由をポジティブに転換する方法などについて書きました。
面接官が聞いて一貫性があり、候補者として将来性のある人だと好印象を残すことができることを意識して書きました。事例も用意しましたのでご参考にしていただければ幸いです。
面接の際に転職理由を聞かれる3つの理由
面接の際に聞かれる「なぜ転職しようと思ったのか?」「どうしてこの会社に応募したのか」といった転職理由に関しての2大質問があります。
そもそもこれらの質問をするには大きく分けて以下3つの理由があります。
- 転職理由と志望動機の一貫性を見ている
- 転職理由を聞いて同じようなことが自社でも起こって辞めてしまわないかを確認
- 転職理由を自社で解決できるか、あるいは臨む環境を提供できるかを確認
自分自身の転職理由(目的)をはっきりさせておく
実際の面接に臨む前にあなた自身が今回なぜ転職するのかをはっきりしておく必要があります。
なぜなら、面接官はあなたのキャリアにおける一貫性を見ています。よって、今回の転職ではキャリアの通過点にある目標を達成するために転職するということが伝わるとベストでしょう。
転職理由をはっきりさせるための問い
中長期的に何を目標としているか
「最終目標」「5年後」「3年後」の目標くらいまでは明確に答えることができるようにしておくと良いでしょう。実際にこの辺は面接で聞かれます。
今回の転職の目的は何か
自分の中長期の目標の中で今回の転職をしなければいけない理由について明確にしておきます。逆に明確でないまま転職してしまうと、次の会社に転職してからの充実度や活躍度が変わります。人は明確な目標があるからこそ、そこに向かっていつも以上の力を発揮することができるからです。
なぜこの会社でなければいけないのか
その目的を達成するためには、この会社でないと実現できない、といった理由を企業研究をしたうえで考えておきましょう。面接官側からすると、志望動機が最も重要といっても過言ではありません。最後に候補者の中で差がつくのはこの辺になるからです。
転職によって実現できること
一般的に、転職によって実現できることを挙げてみました。
転職理由を言語化する際の参考になれば幸いです。
- キャリアアップ(専門分野の習熟度を上げる、幅を広げる)
- ワークライフバランスの改善(残業時間をなくす)
- キャリアチェンジ(職種を変える)
- 給与アップ
- 職位アップ(一般社員からマネージャーになる)
- 人間関係改善
転職理由を答える4つのポイント
1.次のチャレンジをするために転職することを伝える
現職で一定のスキルが習得できた、あるいは現職での経験から更にスキルアップをしたくなった、といった新しいチャレンジが動機となっていればポジティブな転職理由として受け止められます。
2.一貫性を保つ
「キャリアプラン」「退職理由」「志望動機」に一貫性を持たせることで、前向きな転職だということが分かります。逆に一貫性がなく、突発的に転職を考えているような場合は、計画性がない人だと思われたり、いつ転職されてもおかしくないと思われてしまう可能性があります。
3.ネガティブな理由をポジティブな言葉に置き換える
こちらは厚生労働省が公表している転職者の転職理由を明らかにしたデータです。
ここからもわかるように、転職する人というのは、ネガティブな理由がきっかけで辞める人が非常に多いという事実があります(赤枠部分)。面接官としてもそういった背景は理解していますが、次の職場に転職する際にポジティブな理由で応募している場合は特に問題にはなりません。
ここで退職理由がネガティブだったとしても心配はありません、ネガティブな理由はポジティブな理由に転換することができるからです。
ここに一例を挙げておきます。
ポジティブ転換例1
退職理由:「上司が一方的に仕事を押し付けるタイプで苦しかった」
ポジティブに転換:「自分で裁量権を持った仕事がしたい」
ポジティブ転換例2
退職理由:残業が多い
ポジティブに転換:空き時間でスキルアップして現職よりさらにスケールの大きな仕事に取り組みたい
ポジティブ転換例3
退職理由:仕事に飽きた
ポジティブに転換:さらに専門性を高める仕事内容を身につけたい
ネガティブ解消のため行動したことを伝える
上記にように、ポジティブな理由に転換できなくても、ネガティブな理由となっている原因を解消すべく、社内でアクションをおこなったことを説明すると良いでしょう。
例えば「残業が常態化している会社で、組織の在り方を変える提案を行ったが、かなり時間がかかると言われた。」など。
これをすることにより、問題解決をするために行動できる人という印象を与えることができます。
転職理由の回答例(事例別)
キャリアアップの際の転職理由
例1「A社にて就業してきた中で、専門性を確立することができました。さらに、その中で〇ということに興味が沸き、専門性をさらに深堀するために転職を決意しました。」
例1「これまでのキャリアでは専門性を確立できた。5年後には経営に近い立場で大きな組織を動かす仕事がしたいので、次の転職ではマネージメントをしてチームを動かすことによりより大きなスケールの仕事に取り組みたい。」
■ワンポイント:経験したことの中で次のチャレンジを見つけた、という発展性のあることを伝えたり、最終的なゴールの経過地点として、必要なチャレンジがしたいといった回答でポジティブな印象を残すことができます。
異業種へのキャリアチェンジの転職理由
「これまで販売職やホテルスタッフといったホスピタリティに関わる分野での職務経験をしてきました。
現場で仕事をする中で、お客様がおもいやりを感じるポイントというのは、どういう店舗業態であれ、共通点があることを理解しました。
今回はその経験を生かし、どうしたら店舗運営オーガナイザーとしてでこれまでの知見を総合的に活かした職に就きたいと思っています。」
■ワンポイント:たとえ違う職種へのキャリアチェンジだとしても、これまでの経験を抽象化した言語で統一すると、一貫性を出すことができます。
ネガティブな転職理由(家族的背景や就労環境が悪い)
「店舗側で夜遅くまで残業することが一般的な業界で働いていました。仕事内容としては満足していましたが、家族との時間を優先して、平日の夜にもとれる環境で働きたいと考えています。
もともと生産性を挙げる方法を考えることは得意なので、就労時間が短くなることによって全体的な成果が落ちるということにはならないと考えています。」
■ワンポイント:ワークライフバランスを改善したい場合、家族を優先したい旨伝えても問題ありません。転職後に働く時間を短くしても、生産性自体は落ちないこともアピールすると良いでしょう。
まとめ
転職理由は、まずそもそも自分自身の中で目的がクリアにしておく必要があります。
まずは、今動くべき理由、その理由を実現できそうな会社に応募をするということを自分自身が理解したうえで転職活動を進めましょう。
自分自身で腑に落ちていないことは、面接の中でもとりつくろったり、なんとなく答えてしまい一貫性のない回答をしてしまうことにつながります。
どのような転職のきっかけであったとしても少し時間をかけてでも転職の目的をキャリアプランとともに明確にしておきましょう。