転職とキャリア構築

転職理由「給料が低い」をポジティブに転換する方法を4つのパターン別に解説(例文付き)

転職理由「給与が低い」

給与が低いから転職したいう人は転職が一般的になった昨今では少なくありません。転職理由に関してプライベートな理由もあると思いますが、そのまま転職理由にすることは得策ではありません。

今回は採用側の視点からどのような理由に置き換えることで印象良い転職理由にできるかを解説していきます。

「給与が低い」を転職理由にあげても支障はないか?

結論から言うと、転職の第一理由が「給与が低いから」というと、採用側から見た印象はあまり良くありません。よって、給与が低いことが転職理由の場合は他の理由に言い換えることが必要です。

私もかつて、そういった理由をあわせ持った候補者を採用したこともありますが、第一理由は何か別の志望動機や転職の理由を持っていました。会話を重ね、打ち解けていく中で給与が低いことも一つの理由としてあったことが分かった、といった流れの人が多いです。

また、「給与が低い」ということを理由にすることはあまりプロフェッショナルではありません。そこにプライベートな理由がどうであれあなた自身の問題であって、即戦力採用に適切な人材を求めている採用側の担当者人間にとって大事な「スキルマッチ」や「人間性」には関係ありません。

仮に、給与が低いということを転職理由にした場合、少ししたらまた給与が高い会社に転職してしまうのではないか、ととらえられてもおかしくないでしょう。

以上の理由から転職理由の第一理由がたとえ給与だとしても、ほかの理由に置き換えましょう。

転職理由を「給与が低い」から別の理由に転換する方法

まず給与が低い原因が何かを明らかにする

給与が低い原因を考える男性

給与が低いという結果に対して原因は何かを明らかにしていきます。以下のようなことが考えられます。

  • 業界的に平均給与が低い場合
  • 年功序列の企業で成果を上げても十分に反映されない
  • 成果主義の会社だが結果がついてこない場合
  • 業績が良くない
  • 雇用形態の問題(※ここでは割愛)
  • 転職理由給与が低い原因を言い換えてみる

次にその原因をポジティブな理由に転換する

業界的に平均給与が低い場合

(転換前):業界の給与が低いから給与水準の高い業界で働きたい

(転換後):「成長業界でスピード感をもって成果をあげたい」「新しい企画をどんどん提案できる機会がある会社に行きたい」

ワンポイントアドバイス:

業界を変えるという選択をする場合は、業界未経験者ということになります。
それなのに給与を上げてほしいというのは採用側にとって「?」となりますので注意が必要です。

年功序列の企業や賞与などが業績連動で決まる会社で働いている

(転換前):「自分の成果が十分に給与に反映されない」
(転換後):「成果を正当に評価してくれる会社に行きたい」「成果主義の会社でどこまでやれるかチャレンジしてみたい」

ワンポイントアドバイス:自分は、仕事の喜びが成果だと思っている、ということを経験を交えて話せると良いです。

成果主義の会社だが成果が出せず給与が低くなってしまっている

(転換前):「個人で成果が出せないので成果給の割合が低い会社に行きたい」

(転換後):「チームワークを重んじる会社に行きたい」「個人よりも大きな成果をチームとして出したい」

ワンポイントアドバイス:自分がチームワークが得意だというファシリテーションスキルやチームビルディングなどのスキルがあれば事実としてアピールしておくと有効です。

業績が良くない会社で賞与が出ない

(転換前):「業績が良くないのでボーナスが出ない」

(転換後):「ドラスティックな改革に携われる会社にいきたい」「新しいチャレンジができる会社にいきたい」
ワンポイントアドバイス:業績が良くないことが自分の給与に影響している、という言い方は環境のせいにしていて受け身に見られてしまいますので避けましょう。

給与が低くて転職をした3人の事例

給与条件が低かったり待遇が悪かったので転職をした人の事例を匿名で紹介します。ポジティブな理由に転換をしていることに注目してください。

Cさん 35歳女性/小売業 

販売や店舗運営業務をしていたAさん。コロナ禍の影響で業績が悪化。業績連動の賞与の仕組みなので、賞与は実質ほとんどない状態が続いていた。転職活動を始め賞与の割合が低くベース給与が高い外資系企業へ転職。


転職理由:
「お客様とのコミュニケーションがオフラインからオンラインに切り替わり、デジタルツールの活用が不可欠となった。顧客ニーズをくみ取りデジタル化の投資提案を複数回行い変化に対応する面白さを体験した。意思決定に柔軟性のある企業で成果をあげたいと感じるようになった。」

Tさん 42歳男性/システムエンジニア

長年システムエンジニアとして働いてきたが、残業が常態化し今のIT業界の中でも給与が水準よりかなり低いことに気づく。SaasのソリューションアーキテクトとしてIT分野でも成長分野のSaasのソリューションアーキテクト職へ転身


転職理由:
「クライアントと直接話す機会は少なかったが、ダイレクトにニーズを理解して要件を固めるプロセスにやりがいを感じていた。今回は、より成長分野で顧客との会話も多いフロント側にチャレンジをすることで貢献したいと思い応募した」

Eさん 38歳男性/メーカー

年功序列の色合いが強いメーカーの法人営業で、個人の成績が賞与に反映される割合が低かった。成果が反映されやすい成果主義の会社に転職。業界も製造業からIT機器の成長業界の営業へと変わった。


転職理由:
「提案することが好きで問題解決になるような提案をしてきた。もっとフラットな会社でどんどん提案のチャンスを受け入れてくれる会社でチャレンジしてみたい。御社のようなフラットな社風が魅力的で応募した。」

市場価値を上げ給料を上げるための4原則

市場価値を上げ給料を上げるための4原則

1.専門性を確立する

自分自身にしかない専門性を確立しましょう。

専門性をよく一つのスキルや専門領域だけで考えてしまう人がいますが、「スキル×業界」の掛け合わせで考えると希少性が高まります。業界をまたぐことで希少価値が格段に上がることもあるのです。

また、言語など付加価値を上げるソフトスキルを身に付けることも希少性が上がります。

2.転職市場で求められているスキルを身に付ける

そもそもどのようなスキルが市場で求められているのかを知りましょう。

そのためには日ごろから転職市場の動向に触れる機会を持つことが必要です。転職エージェントに登録したり、SNSで情報収集するなどが情報収集の手段として挙げられます。

そういった中から自分が身に付けるべきスキルを身に着けたり、転職で経験を積みます。

3.スキルアップや次のチャレンジを転職のタイミングとする

転職をする基本方針として、新しいスキルを身に付けることやチャレンジを転職のタイミングとしましょう。

キャリアを中長期的に考え、明確に達成したいと言う目標があってこその転職です。一時的な誘惑や、なんとなくの目的で転職をすることはできる限り避けましょう。

4.成長市場やニーズのある市場へ転職する

成長市場に身を置くと、スピード感もあり、様々な経験ができるばかりでなく、給与水準も高いケースが多いです。転職エージェントなどに登録して興味のある成長業界などを聞いてみましょう。

一方で、人材不足などであなたのスキルセットの価値が高く評価される業界もあります。これらの業界を選ぶかどうかは、あくまでもキャリアの目的次第ですが、いずれかに所属することで活躍する確率も高くなり、給与も上がります。

自分の給与が適正かどうかを見極める方法

1.転職エージェントに相談する

転職エージェントに相談すると、キャリアコンサルタントが担当としてつきます。キャリアコンサルタントは、同じような経歴を持つ人を多く見てきていますので、平均給与についてよく理解しています。初回面談時などに聞いてみると良いでしょう。

また、転職エージェント独自の調査を行い「業種×職位」で平均給与の一覧表を持っていることも多いです。

2.転職サイトで調べる

転職サイトには自分の関連分野の案件が多く掲載されているため、自分と近しいポジションの給与条件が開示されている案件も多くあります。

給与の下限と上限が記載されていることが多いので正確な平均給与ではありませんが、少なくとも適性給与レンジを知るには良い手段でしょう。

給与が低くて転職を考えている場合におすすめしたい転職エージェント

en world(エンワールド)

業界ごとに特化した部門があり、非常に優秀なコンサルタントがそろっています。

最初の面談でまず細かくヒアリング、そこからのフォローアップも非常にきめ細やかです。入社後のフォローもあるのが特徴です。

en world(エンワールド)の公式サイトを見る

JAC(ジェイエイシー)

伴奏力が高いエージェントです。

エージェントのマッチング力は最初の面談時のヒアリング力が鍵となりますが、ヒアリング力が高くそれが結果的に求人紹介のマッチング力、スピードが高いエージェントです。

採用側から見ても候補者の提案力が他のエージェントに比べ非常に高いのが特徴です。面接対策も充実していますので初めて使うエージェントとしてもお勧めします。

JACリクルートメントの公式サイトを見る

JACリクルートメント

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、私が初めて使った転職エージェントでしたが、特に30代前後の転職希望者にとってはお勧めのエージェントです。

担当者が親身になってキャリアパスの設計方法など教えてくれたり面接前のアドバイスや面接後の反省点などを一緒に考えてくれます。古くからある大手エージェントなのでシステム化されていてフォローアップもまめに行われます。

リクルートエージェントの公式サイトを見る

外資系のエージェントのお勧めはこちら:【2023年版】 外資系転職エージェント・転職サイトおすすめ一覧(業界別)|転職ゲートウェイ

まとめ

給料が低いから転職したい、という人はそのまま転職理由にすることは採用する側から見ると印象が悪くなってしまいます。
まずは給与が低い原因を明らかにし、ポジティブな転職理由に転換しましょう。
また、給与を上げるためには自分自身の市場価値を上げる必要があります。そのためには、転職市場のニーズを理解し、必要なスキルをつけるなどで定期的ににアップデートしていきましょう。

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